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名前を残した馬たちへ2007 (4)

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ハンセルUSA(父 Woodman/母 Count on Bonnie,1988) 輸出(米国)
ウッドマンの初年度産駒で、プリークネスステークスベルモントステークスの二冠馬。種牡馬としては平凡で、ジャパンカップに2回参戦したフルーツオヴラヴが目立つ程度。日本では今のところ活躍馬を出せていない。そこそこやってもよさそうな気もするんだけどねえ。故郷に帰るとのことで、本人にとってはいいトレードになりそうだ。
ビコーペガサスUSA(父 Danzig/母 Condessa,1991) 用途変更
うーん、用途変更か。1200m の G1 で2着が3回ある、永遠の未完の大器。走ったレースの半数以上が G1 という極めて志の高い使われ方をしていたし、G1 2着のとき敗れた相手もサクラバクシンオーヒシアケボノ、フラワーパークだから相手が悪かったとは言えるのだが、それはそれとして G1 以外でも勝ちみに遅く、デビューから3連勝したにもかかわらず最終的に4勝に終わっている。どこか一歩足りない印象を与えていたことも否めない。ダンチヒ系はそこそこ日本に合うしもう少しチャンスがあってもよかったとは思うけど。
フォーティダンサー(父フォーティナイナー/母クラシックダンサー,2001) 死亡
知らない、と思ったら不出走で、しかも 2006 年に種牡馬入りしたばかりだったようだ。父がフォーティナイナー、母の父がノーザンテースト、祖母がビクトリアクラウン種牡馬入りさせる気持ちはわからないでもない。しかし死亡とは。なにがあったのかもわからないが、あまりにも早い。気の毒でならない。
フサイチブライアン(父ブライアンズタイム/母ミスマーベラス,1992) 用途変更
ヒダカブライアンの全兄。デビューから2連勝、その後2年以上の長期休養などもあり、ほとんど満足に使えずに9戦4勝で引退。見ていた筈なんだけど、憶えてないねえ。戦績よりははるかに高い能力があっただろうが、ある程度以上は未知数でもあり。それでもこの歳まで種牡馬をやってたのはむしろ厚遇された方かなという気もする。ヒダカブライアンも込みで、夢を抱かせる何かを持っていたということなのかも知れない。
プレザント(父リファーズゴースト/母ケドラ,1990) 死亡
南関東→岩手公営で活躍した、リファーズゴーストの代表産駒。ダービーグランプリのトンコロ負けの所為か、そこまで強かった馬という印象はないのだが、東京ダービーや桐花賞を勝っているのだからそう弱かった筈もない。種牡馬としても産駒は地方でかなり勝ち上がり率がよかったらしく、細々とながらなんとか続けてきたのに、あっけなく他界してしまった。産駒を残せただけいい、のだろうか。
ヘイセイシルバー(父ダンザーズイメージ/母マサノシャーク,1988) 用途変更
ダートのオープン特別で勝ちまくった、真白な芦毛馬。当時中央にダート重賞は3つしかなく、どれも距離適性が微妙に合わなかったこの馬にはあまり出番がなかった。やたら夏場に勝ってた印象があるんだけど、冬場にも良績はあるし、岩手に移ってからも冬場走ってるので単に距離とか平坦とかが合ってたんだろうな。全盛期に交流重賞があればひとつふたつは勝てていただろう。よく種牡馬になったものだと思うが、ここ数年は産駒も1,2頭だったようだ。ゆっくり余生を過ごして欲しい。
ベストタイアップ(父アンバーシャダイ/母ミスタイモア,1992) 用途変更
用途変更かー。強い馬だったけどなあ。当時上がり 33 秒台はそうそう出る数字ではなく、この馬の切れ味は別格だった。アンバーシャダイは年をとるにつれて産駒の距離適性が少しずつ短くなっていった印象があって、この馬の頃にはもう中距離かそれ以下に適性のある馬が多くなっていたと思う。でも周囲にはどうしてもアンバーシャダイの現役時代や代表産駒メジロライアンのイメージがあって、4歳春に日経賞天皇賞(春)というルートを辿ってしまった。引退直前が一番強いレースをしていただけに、結果として一度もマイルの G1 に出られなかったのは惜しい。種牡馬としては初年度からジーナフォンテンを出したが尻すぼみ。アンバーシャダイが父系を残せなさそうなのは残念。もう一代ぐらいは伸ばして欲しかったものだが。
ホークアタックUSA(父 Silver Hawk/母 Speaking of Sweets,1992) 用途変更
うーん、殆ど印象にない。自身は一応 G1 馬で、シルヴァーホークの直仔、と最低限やれるかも知れない要素は持っていたのだが、実際には活躍馬を出せなかった。それなりにチャンスは与えられたと思うし、まあ潮時か。こういう馬も帰せるようになるといいなあと思うのだが、中々難しい。

次回に続く。