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'Verisimilitude' Teenage Fanclub / Music and lyrics by R.Mcginley

これは結婚式の披露宴でも使った、とても気に入っている曲。デザート祭り会場に一足先に上がってお客さん方が上がって来るのを待つ間にこの曲のイントロが流れ始めた時はしみじみと嬉しかった。
ティーンエイジ・ファンクラブスコットランドのロックバンドで、まあおれが聴くブリテンのロックバンドであるからそんな感じのサウンドを想像してもらえればそう外れてはいないことと思う(投げやりな説明)。この曲はずっと水面の下で力を溜め続けるようなテンションが続く不思議な展開で、美しいギターのイントロから「ここで?」みたいなタイミングで入るヴォーカル、流れるように入っていくサビ、とわかりやすく盛り上がるところがひとつもない。それがとてもいい。

I don't need an attitude
Rebellion is a platitude
I only hope the verse is good
I hate verisimilitude

“アティテュード”(意味は姿勢、構えなど、ロックの文脈ではよく使われる言葉)なんていらない、革命なんてくだらない。ただ好い詞を書ければいい。verisimilitude なんて嫌いだ。
verisimilitude って言葉は正直この曲以外で見たこともないんだけど、辞書的には「本当らしさ、真に迫ること」という意味らしい。あるところでは「ハッタリなんて嫌いだ」と訳されていたが少し訳しすぎな気もする。もっともらしさ、ぐらいだろうか。
収録されているアルバム『GRAND PRIX』ではこの曲の次に「Neil Jung」というこれまた素晴らしい曲が入っている。こちらは対照的に過剰なほど盛り上げる音作りで、それはそれでとてもいい。この2曲の並びはアルバム中で断然一番いいし、そのために『GRAND PRIX』を聴く価値があるとすら言えると思う。例によって中古とかなら見つかりさえすれば安価に手に入ると思うので、どんなもんかなと思った人は是非一聴を。