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『ここに幸あり』 オタール・イオセリアーニ監督,2006 於恵比寿ガーデンシネマ

昨年映画館で観た映画のリストを載せてみよう。

なんと2本しか観ていない。しかもこのラインナップ(というか組み合わせ)。なんというかちょっとどうにもこうにもという感じ。今年はもうほんのちょっとだけなんとかしたい。
というわけで、でもないのだが、早々と今年一本目を観てきた。先日実家に行った時に両親に勧められたこの映画。ある国の大臣だった男が失言から職を追われ、なにもかも失くして地元に戻ってぶらぶらする。極端に言えばそれだけの話。ママにお金をせびりに行ったり、友達とお酒を呑んだり、女友達とご飯を食べたり。あまりまっとうな状況ではない筈だが、まったく楽観的に話が進む。しばしば差し挟まれる楽器の演奏シーンや、それ以外でも使われているアコースティックの曲が呑気な雰囲気を作り出すのに一役買っている。
おそらくは緻密に作られている映画の筈だが、小さなエピソードと長回しのカットの連続、素人に近い知人を役者として起用すること、などの手法でそうは感じさせない。
個人的に好きだったシーンは主人公が友人としこたま呑んだ後実家に行って、しかし主人公は友人のいびきと寝言がうるさくて眠れずに抜け出してしまい、翌朝友人だけが起きて主人公の家族と朝食をとるところ。動物がたくさんいておいしそうな朝ごはんが並んでいて、昨晩の記憶も定かでないけどなんだこれみたいになりながら勧められるままに迎え酒をあおる。なんともファンタスティックな幸福感でなんかぐっと来た。
ちなみに恵比寿ガーデンシネマは水曜日は映画サービスデーと銘打って男女ともに 1000 円、という嬉しいサービスをやってます。職場からだと微妙にアクセスが悪くて駅からもやや遠いんだけど、たまには仕事帰りに映画なんてのもいいかも。
とかいいつつ、この映画は 01-18 まで。もう水曜日ないね。てか、明日だね。

ガーシネ(※言いません)の予告編はチョイスがよく、なんとなくまたこん中から見てやろうかなー、という気にさせられる。単にハリウッド的なものがないからかも知れない。別にハリウッド的なものが嫌いなわけじゃなく、でもまあ、おれが映画館で観たいものにはちょっと入って来ないということなんだけど。さておき、今回も気になる作品がいくつかあった。

この辺からタイミングがあえばひとつぐらい。あと、予告編はやってなかったけど、チラシが置いてあった『おれたちフィギュアスケーター』も気になっている。まあこんなこと書いててやっぱりあんまり観ないような気もするんだけど。