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野球漫画の面白さ

折角のブログなんで、トラックバックしてみる。ちょい古いねたですまん。


このごろはトレンドつーより理論orDIEってのりで、理論なくして野球漫画は成立しないまである。
あまり幅広くチェックしてるわけではないので違っているかもしれないが、リアリティ表現の方法として理論を有効に活かした作品として、メジャーどころでは「甲子園へ行こう!」(ヤンマガ)あたりが契機だったのではないかと思う。高校生が130km出すのはかなり大変だ、というのは中々に斬新な切り口で、それに馴染んでしまうと水島新司的世界は大時代な存在に成り果ててしまう。
『甲子園へ行こう!』は徹底した野球周辺のリアリズムに比すると、逆に野球の試合自体は結構淡白に描いている。まあ毎試合やっていたらちっとも進まないし(ねたも切れてしまうだろう)、この漫画の肝はそこにはないわけだが、それでも少し物足りなさを覚えることはある。この系統、つまり荒井が列挙していた漫画たちは多かれ少なかれそういう傾向を持っていて、野球漫画の中のある種のサブジャンルを作っている。
その点『おおきく振りかぶって』は、少なくとも1試合目は試合だけでも滅茶滅茶面白かった。主人公達は等身大に描いた上で、野球自体にはある程度漫画的ディフォルメを持たせ、その上で物語としても野球としても面白いものを描いているのは素直に凄いと思う。ちょっとほめ過ぎかも知れないが。
ここら辺の話はウェブページでもう少しやる心算。「野球としての面白さ」に関連してはおれ的に外せない『キャットルーキー』の何処が面白いか、なんてのも一度形にしておきたいところだね。