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順番当てに関する一考察

なにかと嫌う人が多い順番当て。かく言うおれも滅茶滅茶苦手にしている。特に芸能とアニゲー。1回戦で出ると黒コンで《たい肥/Compost》というかランデスで《聖なる場/Sacred Ground》というか、とにかく「あっちゃー、死んだくさい」感満点だ。
で、なんでここまで嫌われているのか、と考えてみる。

まずなにしろ難しい。
4つ押さなきゃいけない上に部分点ももらえない。出鱈目に押したら 1/24 。同じものの順番当てで選択肢が3つまで共通、という問題まであったりするので、四つ全部憶える必要がある場合もある。ただし、単純に回答の選択肢の多さという点からだけ考えれば、当然だがタイピングの方がよっぽど多い。
トリビア感」に乏しい。
これは2ちゃんねるとかで何度か既出。形式にも拠るが、クイズというのは本質的に「これってこうだったのか」という驚きや感心が楽しみになっている部分が大きいと思う。それが味わえないのは、関心が持てないジャンルや、全く聞いたこともないものや人物にまつわる場合が多い。それはどの形式でも同じなのだけど、順番当てでは多少関心のあるジャンルでも、ひとつ知らない選択肢があるだけで、その楽しみが薄れてしまう場合が多い。あと、根本的に「順番」そのものはあまり意味を持たない場合が多いとも言える。
正答回収がしにくい。
やっててへこむのはこれかな、と思う。クイズ「ゲーム」の達成感は実は既出の問題に正答する事にあって、他の大抵の形式は予習でも数を重ねていればそのうち辿り着けるし、本戦なら他人なりCPUなりが答えるのを見れば憶えられる。ところが順番当ては、本戦で自分で答えを考えつつ間違えたら他人の正答をインプットする、というのがかなり難しい。予習だったらキーワードと選択肢四つを憶えて家に帰ってぐぐる、となり、これはこれで大変だ。ゲーム的な達成感が、一番味わいにくい形式だと思う。

大雑把過ぎるけどまとめると、いろいろな意味で厳しい形式で、一方でクイズ的な喜びが薄い、とでもなるだろう。だからこそ、ゲーム的には武器としての威力が抜群で、磨くのは大変だが極まればこれほど斬れる武器もない。それに、綺麗に答えられた瞬間の快感はどの形式をもはるかに凌駕する。勲章を稼ぎたいのは(あえて言えば)みんな同じ、だからこれを磨くのが苦にならない人は武器にするし、苦にする人は相手に出された時に勝てないから不快感を露わにする(人も居る)、ということだ。
QMA(に限らず全てのクイズゲーム)においては、「クイズ」と「ゲーム」が、どうしても両立しない局面がある。そのどちらの側に立つかは、プレイヤーの自由だ。どちらの人の言い分にも理はあると思う。ただ、相手に考え方やプレイスタイルを押し付けるのは不毛にしかならない。最終的にそこにあるのは「ゲーム」であって、その中のルールで自分のやりたいようにやるしかない。
おれは上にも書いたけど順番当ては超苦手で、明らかに一番辛い形式だ。鶏頭なので、スポ順とかにはもう何度予習で見たかわからない問題がいくつもある。でも、正しく答えられた時の嬉しさは結構でかく(これは厳しさの裏返しに過ぎないとも言えるのだが……)、決して嫌いな形式とも言い切れない。全形式中明らかに一番「ゲーム」寄りの形式なのは確かだと思う。次作が「クイズ」と「ゲーム」とどちらの方向をより志向するかによって、この形式の命運も決まるのだろう。