黄昏通信社跡地処分推進室

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『パクシ』 作・演出 山村浩二 NHKエデュケーショナル、ドウズ,1995

妻がビデオを引っ張り出してきて久々に観る。
山村浩二といえば「頭山」でブレイクしたけど、おれにとってはこの作品が代表作。当時大学生だった筈だが、何故か「おかあさんといっしょ」の中で放送されていたのを何度か観たことがあった。どういうわけか兄も観ていて、パクシいかすよね、などと盛り上がった憶えがある。どうだろうなそれも。
イルカから進化したパクシ族の男の子とその一家、謎のおじさんバルタザール、ちいさなムシクンたちが登場する日常のひとこまを描いたクレイアニメーションで、映像の美しさと可愛らしさが素敵な一品。また、本放送時は時間の都合で滅多に流れることのなかった「パクシのうた」が収録されているのもファンには嬉しいところ。
前も書いたけれど、「かえり道」の町並みの美しさは絶妙で、手前から奥にフォーカスがすっと移る瞬間が中々たまらない。今回観て楽しかったのは「ソフトクリーム」の大仰な演出。『サマータイムマシン・ブルース』のあのシーンみたいだった。
頭山ぴんと来なかったなあ、という人でもクレイアニメ好きなら楽しめると思うので、ちょっとチェックしてみて欲しい……と言いたいところなんだけど、案の定というか余裕の生産中止。残念です。