黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

中山大障害・回顧および予想反省

マルカラスカルが影も踏ませぬ逃げ切りで圧勝した。時計自体は 4.41.0 と平凡で、上がりは 4F 51.2 - 3F 38.0 であるから、展開には恵まれたと言えるだろう。それでも迷わず先手を引いてきっちり飛越をこなしたレースぶりは悪くない。陣営ではこの馬の脚元の弱さを考慮して平地を使いながら仕上げたという。初重賞で中山大障害というのは大きな賭けだったが、メンバーの弱化もあって見事にその賭けに勝った。まだ4歳と若いが、脚元の不安も考えるとあるいは数少ないチャンスをものにした、のかも知れない。
2着がメルシーエイタイム。前半は無理せず、道中は一旦最後方まで下がったが、これがいつもの形ではあり、大土塁を過ぎてからぐんぐん追い上げて最終障害手前で2番手に上がった。流石に楽をしていた勝ち馬は捉えられなかったが、最後なんとかアグネスハットの追い込みをしのぎきった辺りが力だろう。障害で追い込む馬はどうしても不安定になりがちで、これだけの成績を残しているのは不思議ではある。それだけ飛越が上手いのだろう。
3着が「時計のごとく正確な」アグネスハット。鞍上の田中剛が「中山は向く」と看破していた通り、初めての中山競馬場、それも大障害コースでも堂々とした走りぶりだった。最後は脚を余した印象もあり、ペースを考えるとあるいはもう少し早く仕掛けていれば2着まであったかも知れない。この馬もまだ4歳で、3着まではすべて4歳馬が占めた。
4着がテレジェニックで、これで3年連続の4着となった。今回は先行して早目に動く競馬だったが、終わってみれば指定席にどっかり座っている。安定性は素晴らしいが、勝ち切るには決定的に何かが足りない。金子光希には悪いが、騎手を変えるのも手かも知れない。
5着にはストームセイコーが入った。臨戦過程と中山との相性の悪さを考えると健闘とは言えるだろう。とはいえ勝ち馬から 2.5 秒離されていて、惜しいと言える位置ではない。今後も平坦コースが主戦場になるだろう。
チアズシャイニングは中団のまま何もできず7着に終わった。昨年の大障害とほぼ同じ内容で、進境が全く見られない。衰える歳ではないし競走意欲の問題のように思える。軽い相手でも構わないのでいい勝負ができるレースを一度使わないと駄目かも知れない。
クールジョイは激しくかかり、事実上1周目で終わっていた。高田とて腕のいい騎手だが、今回は結果的に金折の騎乗停止が痛かった。それでも8着だったのだからあとの8頭はなにをしていたのだというところだろう。
ワンモアディネロは最初先団につけたが徐々に下がり、殆ど全くいいところがなかった。14 着は流石に走らなさ過ぎで、むらがあるタイプなのかも知れない。
ローレルデフィーはスローの離れた二番手で楽な位置だったと思うのだが、二周目の向正面で一杯になってしまって 15 着。これも中山グランドジャンプに比べても走らなさ過ぎで、反動が出たかなにかでやる気をなくしたかというところ。残念な結果だった。
メジロアービンは大土塁で嘉堂騎手がバランスを崩し、ぎりぎりまでしがみついたが襷コースの外ラチに突っ込むように落馬した。人馬共に異状なしとのこと。今日の展開では落ちなくてもどうにかなったとは思えないが、衰え始めているのかも知れない。

予想は木曜日のレース比較はまあまあいいところだったのかなと思う。秋陽の1、2着はここの2、3着だったわけで。ただ、「11 月 18 日のオープンと IJS のレベルは大差ない」と書きながら「でも IJS の方が結びつく筈」と持って行った辺りに微妙に根拠が無く、そこで遠ざかってしまった感はある。今年の IJS はレベルが低かったということだろう。
マルカラスカルについては買うリスクも高かったので、ある程度仕方ないかなとも思うのだが、しかし連勝複式が 11 倍ついたのなら買う価値はあった(ちなみに枠連だと 13 倍)。メルシーエイタイムを軸に据えるのが事前の予想から辿り着き得たソリューションだったろう。絞り込む時点で願望に予想が支配されたのは否めない。
それと、穴馬に挙げた3頭がブービーしんがりと落馬だったというのはお恥ずかしい限り。反動が出そうとか足りなさそうとか、もちろんリスクが高いから穴馬なわけだけど、もう少しなんとかならんかと。
最後に、今年の 10 番人気はローレルデフィーでした。