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NFL 2011 -- AFC Wildcard Playoff (Part 2)

いやープレイオフ面白い。はまりますねえ。

Pittsburgh Steelers (#5 seed/Wildcard) @ Denver Broncos (#4 seed/West)

昨年はスーパーボウルまで進んだスティーラーズ、今季は 12-4 ながら同地区のライバルレイヴンズも 12-4 だったため頭ハネでワイルドカードに回っている。一方ブロンコスは今季 AFC 西地区の台風の目というべき活躍で、1-4 から中盤の6連勝で 8-5 とし、最後3連敗で 8-8 まで下がりながら周囲の失速にも助けられて地区優勝。“神の子”ティム・ティーボウの力が試される一戦となった。
先手を引いたのはスティーラーズ。ファーストドライブから2シリーズ続けてフィールドゴールを決めて 6-0 とリードする。一方ブロンコスは最初の2シリーズともスリーアンドアウトで攻撃の糸口を掴めないかに見えたが、3シリーズ目、ティーボウが投じた初めてのロングパスがまんまとトーマスに通って 50 ヤードのゲイン。一気に敵陣に攻め込むと、次のプレイで今度はエンドゾーン右隅へパスを放り込む。決して回転が綺麗ではないティーボウのパスは、しかしレシーバーの手にすっぽり収まってタッチダウン。わずか2本のパスで逆転する。さらに次の攻撃でもまたトーマスへのロングパスを通すと、最後は6ヤードを自ら走り抜けてタッチダウン。やりたい放題で 14-6 とリードを広げ、2Q のうちにインターセプトもからめてフィールドゴールを2本追加、20-6 として前半を折り返す。
しかしスティーラーズもこのまま負けるほど甘くはない。足首を傷めているロスリスバーガーだったが、後半に入ってから目に見えて動きがよくなり、ポケットを出てサイドラインまで走ったりすらしてみせる。パスの精度も上がってきて、まずは 3Q にタッチダウンを1本返す。ブロンコスも 4Q にフィールドゴールを1本決めてまた 10 点差にするが、4Q に入ってからスティーラーズフィールドゴールタッチダウンを返してついに同点。のこり4分弱からのブロンコスのドライブは自陣で止められてパントとなる。ここはコルキット(弟)のパントがよく、リターナーフェアキャッチさせて相手陣 20 ヤードからスティーラーズのラストドライブ。でここはディフェンスも頑張り、ロスリスバーガーにサックを浴びせて下がらせると、最後はディレイオブゲームなどあって全く前進させずに 4Q 終了、試合はオーヴァータイムに突入した。
レイオフのオーヴァータイムはレギュラーシーズンと少しだけルールが違い、フィールドゴールを決めただけでは試合は決せず、相手チームに返しの攻撃を行うチャンスが与えられる。ただし、タッチダウンをとった場合は、その場でそのチームの勝ちとなる。コイントスに勝ったブロンコスがレシーブを選択して、スティーラーズのキックオフはタッチバックとなり、ブロンコスが自陣 20 ヤードから延長戦最初のドライブ。
最初のプレイ、ティーボウのパスがフィールド中央へ伸びる。WR トーマスが走る。コンタクトなしでキャッチする。そのまま右のサイドラインへ向かって走る。ディフェンスをひとり、ふたり、ハンドオフではねのける。走る。あっという間にエンドゾーンが迫ってくる。
タッチダウン
ブロンコスがまたしても劇的な勝利を収めた。いやなんなのだろうこのチームは。今日の試合を見ていれば弱いチームではないというのはわかる。ランが出なくて苦しんだが、その分ティーボウがパスをよく通した。ディフェンスも総じてよかった。ロスリスバーガーにプレッシャーをかけ、致命的なパスを通させなかった。スティーラーズに怪我人が多かったのは否めない。少なくとも 100% の力を出せる状態ではなかっただろう。それでも、それを含めて勝負でもある。ブロンコスは勝った。結果として残るのはそれだけだ。
ディヴィジョナルプレイオフ、相手は第1シードのニューイングランド・ペイトリオッツ。あの「認める発言→試合ではぼこぼこにする」のコンボを決められてからわずか4週間。トム・ブレイディは今シーズン中にもう一度この男と対戦すると思っていただろうか? 実に楽しみな一戦だ。