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NFL 2015 -- Week 9

折り返し点。いつも思うけど、始まるとほんと早いな。あっという間に過ぎてしまう。
Bye Week はレイブンズ(2-6)、テキサンズ(3-5)、チーフス(3-5)、ライオンズ(1-7)、カーディナルス(6-2)、シーホークス(4-4)。勝敗数に係らず、ちょうど半分なのでここで BYE だといろいろちょうどよさそう。

Washington Redskins (3-5) @ New England Patriots (7-0)

レッドスキンズは星勘定こそ悪いがカズンズを中心にまとまりつつあり、ペイトリオッツ相手でも案外やったりするんじゃないか……とか勝手に期待したのだがまあ普通にそんなことなかった。最初のドライブでタッチダウンを許すと、続くキックオフではオンサイドキックを決められてしまう。エデルマンのファンブルロストでようやく攻撃権を得たものの、その最初のパスをインターセプトされる始末。返しのドライブをタッチダウンまで持っていかれ、たった1プレイしかしないうちに 0-14 とされてしまった。
その割には大きな失点もなく、最終得点の 27 点はペイトリオッツ今季最小らしいのだが、レッドスキンズも前半最後のフィールドゴール1本と完全にガービッジタイムに入ってからのタッチダウン1本の 10 点にとどまった。うーん、まあ、こんなもんか。


最終スコア:WAS 10-27 NE

Green Bay Packers (6-2) @ Carolina Panthers (8-0)

前週ブロンコスに意外なほどの大敗を喫して今季初黒星となったパッカーズを、未だ負けなしのパンサーズが迎え打った一戦。
前半はパンサーズがやりたい放題で、ニュートンがコチェリー、ファンチェスへそれぞれ 50 ヤードを超えるロングパスを通し、自らもダイブでタッチダウンを1本決め、計 3TD2FG の 27 点を稼ぎ出して 7-27 の大量リードで折り返す。3Q 早々にパッカーズはロジャーズからのロングパスを受けたコブがディフェンスのタックルを次々に振り払ってエンドゾーンまで走り抜いてタッチダウンを1本返したものの、パンサーズもフィールドゴールタッチダウンを追加して、4Q 頭の時点で 23 点差になってしまう。
ここからがパッカーズの真骨頂。3rd&10 を切り抜けると、スタークスへの短いパスがランアフターキャッチで 30 ヤードのゲインになり敵陣へ侵入する。2プレイ後、再び短いパスを受けたスタークスがランアフターキャッチをエンドゾーンまで伸ばしてタッチダウン。ここでツーポイントコンヴァージョンを選択し、これもアダムズへのパスを決めて 22-37 とまず 15 点差。
返しのドライブをスリーアンドアウトに切って取った後の次の攻撃、パッカーズは自陣で反則も絡めて 4th&14 と追い込まれる。続くプレイ、ロジャーズはパスラッシュを受けて左へ大きく回り込むように逃げ、完全にプレイが崩れてしまう。絶体絶命だったが、ジョーンズへ向けて投じられたパスはここしかないという高さで、ディフェンスが頭上に差し出した手の間をすり抜けてジョーンズの手に収まった。2プレイ後にロジャーズはロジャーズへのタッチダウンパスを決めて、29-37 ととにかくも1ポゼッション差に追い上げる。
残り 3:43、パッカーズは普通にキックオフを蹴ってタッチバック。パンサーズは最初のプレイでテッド・ギンへの短いパスをコールするが、これをランドルが見事にインターセプト。22 ヤード地点からパッカーズは同点を目指すドライブを開始する。パンサーズもディフェンスが奮起して、残り4ヤード地点で 4th&4 という状況を作る。もちろんギャンブル。スナップを受け、ロジャーズは右を見るがレシーバーを見つけられず、左を見て、やはり右を見て、タックルされながらボールを投げる。力のないボールは、LB デーヴィスの手に収まった。エンドゾーンの右端付近で、ワイドオープンになっていたコブが呆然と待っていた。


最終スコア:GB 29-37 CAR

St. Louis Rams (4-4) @ Minnesota Vikings (6-2)

これは GAORA の中継。こういうのをやってくれるのは嬉しい。まあおれヴァイキングズファンだから、ってのはあるけど、地味ながら期待を上回る成績のチーム同士(しかも同一カンファレンス)というちょっと面白いカードではあるのだ。
序盤はヴァイキングズが先行する。フィールドゴールで先制すると、ピーターソンのラッシングタッチダウンで追加点。1Q のうちに 0-10 とリードする。ところがここから攻撃がかみあわなくなりパントが続くと、ラムズは風上に立った 2Q にフィールドゴールを決めまくる。この日はポールの旗が真横になびくほど風が強かったのだが、なんと 61 ヤードを含む3本をすべて成功させ、15-10 と逆転して前半を終えた。
3Q に入るとヴァイキングズはパントの返しのいいフィールドポジションからの攻撃をディグズのランアフターキャッチとピーターソンのランで敵陣深くまで進め、最後はブリッジウォーターが判断よくがら空きのダウンフィールドを走り抜いて自らタッチダウン。ツーポイントコンヴァージョンも右方向へのブートレッグから最後は右隅に自分で飛び込んで成功。若き QB の果敢なプレイに地元のファンは大いに沸いた。
この後はおたがいディフェンスが頑張り、というかオフェンスが上手く行かず、というかでパントの蹴り合いになって得点が入らず、15-18 のまま試合は終盤へ。ようやくラムズは敵陣に攻め入り、同点フィールドゴールのチャンスを得たが、ここまで 3/3 だったザーラインが風の影響か 48 ヤードを右に外してしまった。
万事休したかに見えたラムズを、しかしヴァイキングズは助けてしまう。まだ残り 1:42 で相手にタイムアウトが3回残っていたのにファーストダウンで QB ヒルがボールを持って時間を稼ぐために逃げるプレイコール。なんだそれは。あっさりサックされて時間は稼げず、 10 ヤード以上ロスして 1st ダウンも絶望的に。案の定スリーアンドアウトで、1分以上残して攻撃権を渡してしまった。ラムズは思いがけず得た最後のチャンスを逃さず、残り時間でフィールドゴール圏内まできっちり攻め入り、今度はザーラインが 53 ヤードをど真ん中に決めて 18-18 でオーヴァータイムに突入した。
未だ強風が吹きすさぶ中、ヴァイキングズはコイントスに勝って風上を選択。これは大きかった。思惑通りにラムズの攻撃をスリーアンドアウトに仕留めると、風下からのパントをキャッチしたシェレルズが右サイドライン際を綱渡りのように駆け上がり、敵陣からの攻撃を得ることに成功する。そこからピーターソンがどかんと中央をぶち抜いて一発でフィールドゴール圏内に突入、最後は風上からの 40 ヤードをウォルシュが難なく決めてゲームセット。二週連続のさよならフィールドゴールで、ヴァイキングズが 6-2 としてなんとグリーンベイ・パッカーズに星を並べた!

  • 4Q でブリッジウォーターがスクランブルして、ファーストダウンの手前でスライディングしたところに、ラムズの DB ジョイナーがタックル。二の腕が仰向けのブリッジウォーターの頭にヒットして、ブリッジウォーターは後頭部をフィールドに強打し、うつ伏せになったきりしばらく動けなかった。明らかに脳震盪だった。ジョイナーはこのヒットで 23152 ドル(どうやって決めてるんだろう)の罰金を科されたとのこと。幸いブリッジウォーターは翌週の試合には出られることになったが、脳震盪のダメージは蓄積するらしいことが経験的にわかっている。ある意味で取り返しのつかないヒットではあるのだ。
  • シェレルズの最後のパントリターンはよかった。DB としてはニッケルで出るか出ないかぐらいのプレイヤーなのだが、常に一発のある PR として存在感は大きい。こういう選手には肩入れしてしまうな。



最終スコア:STL 18[OT]21 MIN

Denver Broncos (7-1) @ Indianapolis Colts (4-5)

この試合にはペイトン・マニングのキャリア記録がふたつかかっていた。ひとつはパスの獲得ヤードで、もうひとつがレギュラーシーズンでの(クオーターバックによる)勝利数。いずれも現記録保持者はブレット・ファーヴで、後者はもちろん前者も試合前の時点であと 283 ヤードと、この試合で充分達成できそうな見込みだった。そして舞台はマニングの古巣コルツの本拠地である。
できすぎたシチュエイションは、しかしコルツによって打ち砕かれる。1Q にゴアのタッチダウンランでブロンコスに今季初の 1Q での失点をもたらすと、2Q にもフィールドゴールタッチダウンとたたみかけて 0-17 と大量リードを奪う。このまま折り返すかに思われたが、ここでまさかのプレイ。残り 15 秒からコルツ P マカフィーが蹴ったパントを、ボールデンがキャッチしてそのまま右のサイドライン沿いを駆け上がる。あれよあれよと抜けていって、マカフィーがブロックされた時点でもう誰もいなかった。7-17 で折り返す。
息を吹き返したブロンコスは、後半に入るとマニングがサンダーズへ図々しいほどのロングパスを通し、64 ヤードのタッチダウンパス。さらにフィールドゴールも追加して同点に追いつく。
だがコルツはこの試合では最後まで主導権を渡さなかった。80 ヤードのドライブを最後はブラッドショーが〆てタッチダウンをあげ再び 17-24 とリードすると、返しのドライブではまたもタッチダウンを許して追いつかれたが、さらに次のドライブで 55 ヤードのフィールドゴールをヴィナティエリがねじこんで 24-27。
この後は結果的にはブロンコスが自滅する。返しのドライブの1プレイ目、マニングがサンダースを狙ったパスがいきなりインターセプトされ、攻撃権を失ってしまう。あと3ヤードで記録更新というところでのターンオーバーだった。この時点で時間は6分残っていたが、コルツは返しのドライブをじっくり進めて少しでも時間を費おうとする。ところが残り 2:24、プレイ後に少しエキサイトした場面で CB タリブが TE アレンのフェイスマスク越しに目を突いてしまう。サミングはだめだ。大抵の格闘技でも反則だよそれ。というわけでオートマティックファーストダウン。最後はあと5ヤード残り 0:28 でやっと 4th ダウンまでこぎつけたが、フィールドゴールのプレイ中にディフェンスのホールディングがコールされて、今度こそ試合が終わった。

  • フィールドゴール中にディフェンスのホールディングコールするの珍しい。解説の河口氏が「これフィールドゴール決まるとブロンコス最後のドライブになって、マニングそこで記録更新しますよねえ」的なことを言っていたのだが確かにそうで、そうなってたらさぞかし微妙だっただろう。陰謀論は好きじゃないけど、これだったら次週地元で勝って更新した方がみんな幸せだよね、という感じはあったかな。



最終スコア:DEN 24-27 IND

Chicago Bears (3-5) @ San Diego Chargers (2-7)

ここまではぱっとしない両チーム、マンデーナイトでの対戦となった。カトラーは元ブロンコスなのでリヴァーズとは同地区だったことがあり、しかし 2009 年にベアーズに移籍してからは四年に一度だけの対戦になっている。
序盤はチャージャーズのペース。1Q にリヴァーズががら空きのウッドヘッドへタッチダウンパスを決めて 0-7 とすると、2Q にはヴェレットの 68 ヤードのインターセプトリターンタッチダウンで 0-13。ベアーズもタッチダウンを返したものの、チャージャーズフィールドゴールを追加して 7-16 で折り返し。
3Q にはベアーズは K ゴールドがこの日2本目の FG 失敗で追加点をあげ損ねるが、3Q にもう一度回ってきたドライブでは時間をたっぷり使いながら 3rd ダウンを3回更新してタッチダウンまで辿り着く。これで 14-16 となって試合の行方はわからなくなってきた。返しのドライブでチャージャーズは短いパスを刻みに刻んで敵陣深くに攻め込むが、敵陣8ヤード地点での 3rd&8、リヴァーズが珍しくポケットから出て右にロールアウトしてレシーバーを探し、最後は頼れる相棒ゲイツにパスをヒット!……したかに思われたが、オフェンスラインのイネジリブルレシーバーダウンフィールドでヌリファイ。くうー、厳しいぜ、審判。結局フィールドゴールで 14-19 とするにとどまってしまう。
ベアーズはその返しのドライブでカトラーが 25 ヤードの矢のようなタッチダウンパスを TE ミラーに通す。これはカトラーのロケットアームがものを言ったし、ミラーのレシーブも素晴らしかった。どちらかといえば明らかにブロッキングタイトエンドの位置づけにあるミラーがあんなレシーブをできてしまうのが NFL のすごいところ。2ポイントも決めて、22-19 とベアーズが逆転した。
それでも残りは 3:19、リヴァーズなら全然持っていける時間があったのだが、この日ここまで一度もサックを受けていなかったリヴァーズがこのドライブだけで2回サックを喰らってしまう。3rd&23 は流石に厳しく、最後のパスは誰も受け手のいないフィールドのど真ん中に空しく飛んでいった。
ベアーズは連敗を2で止め、ぎりぎり目がないことはない 3-5 とした。内容自体は悪くなく、まだシーズンも半ば、楽しみはありそう。チャージャーズは5連敗で 2-7 となり、流石にちょっともう駄目か。悪い試合はしてないのだが、とにかくどの試合でも一歩足りない感じでもどかしい。


最終スコア:CHI 22-19 SD

Other Games

CLE(2-7) 10-31 CIN(8-0):サーズデイナイトフットボール。昨年もこの辺でこのカードがサーズデイナイトになって、ブラウンズがベンガルズをぼこぼこにしたんだけど、それも今は昔、ホイヤーは遠くヒューストンで投げ、ブラウンズのスターターはとうとうマンゼルになった。マンゼルは頑張って 10-14 で折り返したが、後半はわずか 32 ヤードしかゲインできずに完封された。ベンガルズフランチャイズレコードをまた更新する8連勝。勢いが止まらない。
MIA(3-5) 17-33 BUF(4-4):ビルズが圧勝。タイロッド・テイラーが 11/12-181yds-1TD-0INT と面白いスタッツを残しているが、そのうち 168 ヤードがウォトキンズというのはちょっと考えられないシェアだ。ランでもルショーン・マッコイとカーロス・ウィリアムズのふたりが 100 ヤード走った。調子のいい選手にボールを集めるのは定石だが、ここまで極端なのもすごい。ドルフィンズはスタッツはそこそこいいのだけど得点に結びつかなかった様子。
JAX(2-6) 23-28 NYJ(5-3):ジェッツは左手を傷めているフィッツパトリックが奮闘、連敗を2で止めた。ここで負けて五分に戻ったりしてようものならいつものジェッツに逆戻り濃厚だったので、とにかく勝ったのは朗報。ただ今度はニック・フォークが怪我をしたようでまた心配の種がひとつ増えた。ジャグァーズはだいたい毎年こんななんだよなあ。
TEN(2-6) 34-28 NO(4-5):なんと、ここで勝つかマリオタ。一時は 11 点のリードを許したが最終的にはオーヴァータイムで逆転勝ち。スタッツも 28/39-371yds-4TD-0INT と素晴らしい。しかしセインツびいきとしてはなにもここでやらなくてもいいじゃないかとしか言いようがない。まあ仕方ないけど。
OAK(4-4) 35-38 PIT(5-4):レイダーズ惜しかった。残り1分強でカーが同点タッチダウンパスを決めるところまでいったそうなので、ほんとうにもう少しだった。それにしてもオフェンスが急速に形になっていて、長いレイダーズの再建期もようやく実を結びつつあるのかもしれない。スティーラーズはまたしてもロスリスバーガーを負傷(mid-foot sprain とのこと。どこだ)で失ったが、とにかくも勝った。
NYG(5-4) 32-18 TB(3-5):これジャイアンツもあんまりよくなかったみたいなんだけどバッカニアーズファンブルロスト3回で自滅。ターンオーバー3回が全部ファンブルロストってちょっと珍しいかも。
ATL(6-3) 16-17 SF(3-6):なんとブレイン・ギャバートが先発したら勝ってしまったフォーティナイナーズギャバートもびっくりしたんじゃないでしょうか。こういうことが起きると迷走しがちなんだけど、ギャバートとキャパニックぐらい格も立場もはっきり違うとそれが逆転しちゃうことはないので、その意味では単純に勝ってよかったねというところか。とりあえず次週もギャバートが投げるそうです。
PHI(5-4) 33-27 DAL(2-6)カウボーイズはこれでプレイオフはほぼなくなったか。キャセルもまあまあ頑張ってるのだが、どうも一歩及ばない負け方が多い。