もう二週間かそれ以上前のことになるけど、通勤の途中で側を通る植え込みのツツジが一輪だけ咲いていた。いわゆる狂い咲きというやつで、ずっとかなりの暖冬が続いていたからまあそういうこともあろうとは思ったが、それでもこの時期にツツジの花を見るのは流石にぎょっとした。素通りしたもののやっぱり写真でも撮ればよかったかなと思って帰りに見てみたらもう見当たらなかった。誰かが摘んでいってしまったのかも知れなかった。その前後から急に寒くなって、最高気温摂氏一桁の日が続いたり雪が降ったりした。
立春になって寒さは少し緩んだけれど、あれ以来ツツジが咲いているのは見ていない。少し茶色がかった葉っぱの中に真白くただ一輪咲いていた花の印象だけが脳裡に残っている。本当のツツジの花期までは、あとたぶん三ヶ月ぐらいだ。
