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NFL 2016 -- Week 3

そろそろ各チームの状況が見えてくる……かな。

Houston Texans (2-1) @ New England Patriots (3-0)

二連勝同士の対戦となった、サーズデイナイト。ペイトリオッツはガロポロが怪我でブリセットが先発(でバックアップがエデルマン!)、テキサンズはオズワイラーが順調に先発ということで、下馬評はテキサンズが圧倒的に上だった。そりゃ NFL でいわゆる third strings にそうそうやられるわけにはいかないだろう。
ところがふたを開けてみればペイトリオッツの完封勝ち。ブリセットが 1Q には先制 FG につながるドライブを見せると、相手のキックオフリターンでのファンブルですぐさま得た次のチャンスで自ら 27 ヤード走ってタッチダウン。3Q にはまたしてもテキサンズがキックオフリターン時にファンブルをやらかし、ペイトリオッツは 22 ヤード地点から始まった攻撃をタッチダウンまで持っていって 0-20 とした。さらに 4Q にはペイトリオッツ RB ブラウントがランプレイで大きく抜けて 41 ヤードのタッチダウンランをあげ、勝負を決めた。
まあブリセットも 11/19-103yds + 8att-48yds とかなんでスタッツ的にはランを加えても「最低限のちょっと上」程度なんだけど、それでブラウントのランが 24att-104yds としっかり出て、きっちり守れれば勝ててしまうということだ。
テキサンズもそこまでやられたわけではないのだが、キックオフリターンでのファンブル2回、しかもいずれもタッチダウンにつなげられてしまったのは致命的で、内容以上の得点差をつけられてしまった。とはいえまあ0点では勝てるはずもなく、前週に続いて得点力に課題を残した。オズワイラーもまだしばらく苦労しそう。


最終スコア:HOU 0-27 NE

Minnesota Vikings (3-0) @ Carolina Panthers (1-2)

昨年度の地区優勝チームの対戦。まあ地区優勝したチーム同士は翌年必ず当たるわけだが、どちらも実際力のあるチームで、かなりタフな対戦といえた。
最初にペースをつかんだのはパンサーズ。ニュートンがレシーバーをよく見ることができていて、3rd ダウンからも長いパスを決めてみせる。最初のドライブから FG で先制すると、次のドライブでもロングパスを決めて前進し、最後はニュートンが自ら走ってタッチダウン。0-10 と早々とリードした。
ヴァイキングズは最初の攻撃がスリーアンドアウト、次の攻撃もファーストダウンを1回更新するのがやっとという低鱈苦。こりゃ大敗もあるな、と思いながら見ていたが、ここからディフェンスが想像以上の踏ん張りを見せる。まずはエンドゾーンでボールを持ちすぎたニュートンをサックしてセイフティで2点返すと、さらにパンサーズをエンドゾーン前に釘付けにし、蹴らせたパントを今度は名人シェレルズが見事なパントリターンでタッチダウン! ウォルシュが PAT を外すというご愛嬌はあったものの、8-10 まで差を詰めて折り返す。前半ヴァイキングズは 36 ヤードしかゲインできなかった。
後半はヴァイキングズディフェンスのショータイム。時には6人、7人のブリッツを入れ、時にはオーソドックスなフォーメンラッシュで、後ろはがっちり守ってパスを投げさせず、ニュートンにサックを浴びせまくった。パンサーズは後半無得点。サックは実に(一試合通算で)8回にのぼり、ニュートンは後半明らかにフラストレーションが溜まって集中力を欠いていた。
オフェンスは 3Q にブラッドフォードがルドルフへ技ありのパスを通してこの試合ヴァイキングズ唯一のタッチダウンを奪うとツーポイントもきっちり決め、その後もそこそこ頑張って FG を二本追加。結果的には 22-10 と快勝して、パンサーズのホームでの連勝も 14 で止めた。プレシーズンでブリッジウォーターがシーズンアウト、二試合目でピーターソンがほぼシーズンアウト、とオフェンスの飛車角を欠いている状態だが、実に 2009 年以来の 3-0 スタートとなった。2009 年って、QB ブレット・ファーヴだからな。
パンサーズは逆に昨年の戦力をそれなりに保っているが、どうも噛み合わず 1-2 となった。まだ全然悲観することはないが、ニュートンに精神面での進境は特に見られないようで、その意味では楽観もできないかも。

  • 毎度書くがシェレルズは DB としてはニッケルにたまに入る程度の凡庸な選手であるものの、PR としてはだいたい年に一回ぐらいパントリターンタッチダウンを決める名手で、いかにもアメフトらしい立ち位置の選手と言える。こういう選手には肩入れしたくなる。見ていて面白いのは意外なほどフェアキャッチが多いことで、体感ではリターンより多いぐらいに思える。その辺りも並の PR と見えるものが違っているのかもしれない、などと勝手に想像している。



最終スコア:MIN 22-10 CAR

San Francisco 49ers (1-2) @ Seattle Seahawks (2-1)

二試合で 15 点しか取っていないシーホークス。ウィルソンも high ankle sprain でさあどうなるというところだったが、この日の試合に関してはあまり心配する必要はなかったようだ。最初のドライブでたった4プレイでタッチダウンをあげて先制すると、次のドライブでもタッチダウン。さらにタッチダウン、FG と前半のうちに 3-24 とリードを広げて、ほぼこの時点で試合を決めてしまう。
しかしさらなる試練がシーホークスを待っていた。3Q にウィルソンがサックされて左膝を傷めてしまう。サイドラインに下がり、ニーブレイスを着けて出たそうな様子を見せていたが、試合は決まっていたこともあってキャロル HC が今日はもう出させないと明言。その言葉通りサイドラインで試合終了を迎えた。
代わって投げたのはドラフト外ルーキーのボイキンで、機動力があるとのふれこみだったがこの試合ではほとんど見せず。短いパスを中心によく投げていたが、4Q にはインターセプトを喫し NFL の洗礼を受けた。
フォーティナイナーズはオフェンスが機能せず、まあこんなもんかとは思いつつも、もう少し思い切った攻めがあってもよかったかなとは思えた。具体的にはもちろんギャバートの足だ。パスでできることはやはり限界がある。ランがよく出たのは唯一の好材料で、カーロス・ハイドが 103 ヤードゲインした。シーホークスのディフェンスがひとりに 100 ヤード許したのはなんと 2010 年のジャマール・チャールズ以来とのこと。
シーホークスは 2-1 と白星が先行したが、ウィルソンの状態が微妙なのが不安なところ。逆にフォーティナイナーズは 1-2 と黒星が先行して、そろそろキャパニックの出番があるかも知れない。

  • 試合と関係ないけどシーホークスが C.J.スピラーと契約したとのこと。まったく活躍するヴィジョンが浮かばないのだが、ううむ、頑張ってほしい。



最終スコア:SF 18-37 SEA

Los Angels Rams (2-1) @ Tampa Bay Buccaneers (1-2)

ここまで二試合で合計9得点、タッチダウンがないラムズオフェンス。しかしこの日は 1Q にキーナムが TE クイックへ 44 ヤードのロングパスを通し、あっさり今季初のタッチダウンを奪った。ここは守備のカバーミスをよく見切ったいいパスだった。
しかしここからは荒れた試合になった。ターンオーバー2回ずつがそれぞれ相手のタッチダウンになり、どんどん点が入る展開になる。こうなると攻撃力のあるバッカニアーズが有利かと思われたが、意外にもキーナム率いるラムズも負けておらず、最終的にタッチダウン5本をあげて押し切った。バッカニアーズも最後敵陣 15 ヤードまで迫ったが、ウィンストンが空いているレシーバーを見つけられないままスクリメージラインを越えてしまい、タックルを受けて倒された。
ラムズシーホークスに勝っているので、これで地区暫定1位となった。面白すぎる。ゴフの出番はもう少し先になるだろうか。


最終スコア:LA 37-32 TB

Chicago Bears (0-3) @ Dallas Cowboys (2-1)

サンデーナイト。
しかしチームの勢いというか状況というかがはっきり出た試合になってしまった。先攻のカウボーイズは最初のドライブからエリオットのランとプレスコットのパスで小気味よく前進して早々とタッチダウンをあげると、次のドライブも FG で 0-10。これに対してベアーズは二回続けてスリーアンドアウト。カトラーが右手親指を捻挫したためホイヤーが先発したが、流石になかなかうまくいかないもんである。
一方カウボーイズはルーキーコンビが躍動。3回目のドライブでもタッチダウンを奪うと、前半終了直前にさらにモリスがタッチダウンランを決めて 3-24 で折り返した。
後半ホイヤーにも持ち味の開き直ったパスがいくつか出て、ザック・ミラーへ二度にわたってタッチダウンパスを通したが、普通に遅すぎた感はあり。
プレスコットは 19/24-248yds-1TD-0INT と完全にゲームを作った。もちろんカウボーイズの強力オフェンスラインの助けあってこそではあろうが、これはロモさんもうかうかしていられない。エリオットも 30att-140yds と走りまくりで、こちらも地上戦をしっかり支えている。


最終スコア:CHI 17-31 DAL

Atlanta Falcons (2-1) @ New Orleans Saints (0-3)

マンデーナイト。カトリーナのあとスーパードームで初めて NFL の試合が行われたのがちょうどほぼ 10 年前なのだそうで、それにちなんだセレモニーが試合前にいろいろ行われていた。
このカード毎年テレビで観てる気がするけど、当代きってのパサー同士の対戦とあれば中継したくなるのは当然か。そして実際結構面白い試合になることも多い。
この日も前半は中々面白かった。セインツがスペシャルプレイまで駆使して最初のドライブでタッチダウンをあげると、ファルコンズも相手のパントリターンのファンブルから得た攻撃権をあっさりタッチダウンに結びつけて同点とする。2Q に入ってからは殴り合いになって、ファルコンズ、セインツ、ファルコンズといずれもドライブを完成させてタッチダウンまで持って行き、これで 21-14。さらにファルコンズは前半残り二分を切っての自陣6ヤード地点からのドライブで、ライアンがパスをばんばん決めて見事にタッチダウンを決める。これで 28-14 となって、ここの 14 点差は大きかった。
後半に入ってもセインツはファルコンズオフェンスを止められずタッチダウンと FG を許すと、4Q には 90 ヤードのインターセプトリターンタッチダウンで 45-25 となり万事急須。さすがにこれだけ点取られちゃうと勝てないわけで、前週の試合の時には「何が足りないかどうもわからない」というようなことを書いたけれど、やっぱりまずはディフェンスだなと思わざるを得ない。
ファルコンズは毎試合殴り合いで危なっかしいが、とにかく星は 2-1 にした。この調子でプレイオフまで行くのはちょっと厳しいかもしれない。


最終スコア:ATL 45-32 NO

Other Games

DEN(3-0) 29-17 CIN(1-2):これいいカードだと思うんだけどテレビでやんないのね。LA-TB なんかより……いやまあ言ってもしょうがないか。シーミアンがタッチダウンパス4本決めて快勝。インターセプトもなく、パサーレイティング 130 台とほぼ完璧なスタッツ。4Q 途中までは 15-17 だったが、そこからタッチダウンを二本重ねて逆転し突き放した。ベンガルズは五年ぶりの 1-2 スタートとのこと。
BAL(3-0) 19-17 JAX(0-3):レイヴンズがこっそり三連勝。ジャグァーズは 4Q に相手のターンオーバーが三回もあったのに FG 一本の3点しか奪えず、残り 1:02 で 54 ヤードの FG を決められて逆転負け。ひどい。これで直近四年間で三回目の 0-3 スタートになった。レイヴンズはフラッコが 21 本連続パスを決めてフランチャイズレコードを樹立したものの、スタッツは 29/40-214yds-0TD-2INT と実に大したことなかった。
DET(1-2) 27-34 GB(2-1):流石に簡単に連敗はしないパッカーズ。ロジャーズが 15/24-205yds-4TD-0INT といかにもロジャーズらしいスタッツ(タッチダウン数の割に獲得ヤードが少ない)でライオンズを粉砕した。ライオンズは前半 10-31 と大量リードを許し、後半追い上げるもタッチダウン1本分足りず。
CLE(0-3) 24-[OT]-30 MIA(1-2):ブラウンズ、ジョシュ・マカウンも怪我して(左肩?)ルーキー QB のコーディ・ケスラーが先発をつとめる。満身創痍の様相を呈してまいりました。ちなみに昨季から通算すると五試合続けて別々の QB がスターターになってるとか。ついでに途中テレル・プライヤーも5本ほどパスを投げたらしく、ここまで来るとやけくそと言ってよろしかろう。で、ケスラーくん結構頑張りまして、21/33-244yds-0-0 とまあサードストリングスとしてはこれ以上望めないほどの数字。ディフェンスもドルフィンズを 24 点に抑えて、インターセプトリターンタッチダウンも取って、なのに K コーディ・パーキイが 3/6 という絶不調でオーヴァータイムの末結局負けてしまうというね……。/ドルフィンズは今季初勝利。おめでとう!
ARI(1-2) 18-33 BUF(1-2):ビルズ大勝利……と思ったらパーマーが 4INT とかでそりゃそうなるわいね。タイロッド・六年契約・テイラーは 14/25-119yds-0TD-1INT と投げる方は凡庸そのものの数字だったが、ランで 9att-76yds-1TD と荒稼ぎした。RB マッコイも 17att-110yds-2TD と大暴れで、ビルズは今季初勝利をあげた。
OAK(2-1) 17-10 TEN(1-2):レイダーズが逃げ切り勝ち。前半だけで 17 点取って後半は無得点だったらしい。タイタンズは最後マリオタがアンドレ・ジョンソンへタッチダウンパスを決めながらジョンソン本人のパスインターフィアランスでヌリファイ。インターセプトも2本あり、10 点どまりだった。
WAS(1-2) 29-27 NYG(2-1)レッドスキンズが逆転で初勝利。4Q ではリードが三回ひっくり返る展開で、最後までわからなかったがなんとか勝ち。0-3 と 1-2 では大違いなのでこの勝利は大きい。カズンズが 21/35-296yds-2TD-0INT。
SD(1-2) 22-26 IND(1-2):コルツが残り 1:28 で逆転タッチダウンを決めて勝ち。短いパスを T.Y.ヒルトンが受けて走り、62 ヤード走り切った。FG でも逆転される点差だったのでこれがなくても、とも思うがともあれ負け。そしてチャージャーズはマンタイ・テオがアキレス腱を傷めてシーズンアウト。もうなんというか、ついていないにもほどがある。
PIT(2-1) 3-34 PHI(3-0):なんぞこれ。イーグルズはウェンツが今週もインターセプトなしでタッチダウン2本、302 ヤード投げていて笑いが止まらない。ディフェンスもロスリスバーガーのみならずランプレイもほぼ完璧に抑え込み、ぐうの音も出ないほどやっつけた。これは今年はイーグルズ面白いなあ。早いうちに実際の試合ぶりを見てみたい。
NYJ(1-2) 3-24 KC(2-1):おれたちのジェッツ、ほぼなにもできず負け。ターンオーバー8回とか流石に耳を疑う数字だけどフランチャイズレコードは 10 回だそうでお見それしました。フィッツパトリックは 20/44-188yds-0TD-6INT。6本はさすがに初めて見た気がする。こっちは流石にキャリアハイらしい(これまでの記録は 2005 年ラムズ時代の5本とのこと)。まあこんだけひどいと忘れるしかないね! カンザスシティは手堅く手堅く 2-1 に。来週あたりはジャマール・チャールズも帰ってくるとかこないとか。
(更新終了:2016-10-02)