黄昏通信社跡地処分推進室

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ラジオ

息子が突然ラジオに興味を持ち、「うちでもラジオって聞けるの?」と言い出した。娘の音楽教室の CD 再生用に買った CD ラジオがあるので、それで聞ける、というと早速適当にチューニングして聞いてよろこんでいた。大発見したみたいな喜びようだったが、さすがに時の流れを感じた。おれが子供のころはまだラジオは「発見」できるようなデバイスではなかったと思う。家には複数台のラジオ/ラジカセがあったしオーディオコンポにもラジオはついていて、発見するまでもなく当たり前にあるメディアだった。ただどれほど聴いていたかというとあまり記憶がなく、たとえば両親がラジオを聴いていたところというのをおれはあまり思い出すことができない。子供たちが長じてからは「基礎英語」をやったり洋楽番組を聞いたりという使われ方をしていた。80 年代後半ぐらいまでは普通に触れるメディアだったという感じはある。そのあとはちょこちょこ聞くこともあったのだけど、たとえば特定の番組にはまったりということはとうとうなかった。


息子には「ラジオってどういう原理なの?」と聞かれたのだけど、これにぱっと答えるのはかなり難しく、途切れ途切れにいくつかの原理を説明するのがやっとだった。そもそも電波とアンテナについてちゃんと説明できないし、搬送波に音声のデータを乗せるのも AM ですら正確な原理は説明できない。FM に至っては絶望的である。この手の質問に答えるのは年々難しくなっている。でも、質問をきっかけに自分の知識の棚卸しをするのはけっこう楽しい。わからないのはしょうがないとして、間違ったことは伝えないようにしたいと思う。