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ローエングリンは果たして大人になっちゃうのか?――天皇賞:プレヴュー

今週は2歳オープンが萩ステークス(6年ぐらい施行されてなかった時期があって、しかもその前後で距離が違うので実質新設3年目)ぐらいしかないので、たまにはでかいレースも予想してみるかと天皇賞の過去10年を競馬ブックで漠然と見てみた。と、言い古されてることだろうが、本当にびっくりするほどはっきりと、毎日王冠組→京都大賞典組へのシフトが起きている。


次に最近の天皇賞秋は京都大賞典組が優勢なことについて触れておきたい。たしかに98年以降は京都大賞典組が6連対と毎日王冠組を圧倒している。これは最近の天皇賞が速いペースになってラストの上がりがかかるようになったことが原因と思われる。
検討してみると、実は雨が2年続いたり、中山が挟まっていたりするので、これほどはっきりシフトしてるのは偶然の部分が大きいようにも思える。それでも無視できない傾向には違いない。ではどうしてペースが速くなるんだろう、と思っていたところでこのエントリに出会う。

ここ数年、菊花賞が従来のスタミナ勝負になりつつあるということが、改めて示されたようなレースでした。その主因は恐らく騎手のメンタリティの変化で、スタミナにモノを言わせた先手必勝という戦法が、再び注目されるようになったのではないかと思います。
菊花賞の過去十年を振り返ってみると、上がりが速くなった年は結構あるが、多少スローになろうともなんだかんだ言ってスタミナは問われるのだな、という印象が個人的にはある(例外はマチカネフクキタルの年ぐらいか)。ただ、ここ2年の菊花賞の「決まり手」と、勝った騎手が安藤勝己岩田康誠だったというのは象徴的で、全く別のレースの話ではあるんだけど、関連性はあるのかも知れない。外国人騎手や地方騎手の参入で中央生え抜きの騎手が危機感を持つ、なんて話は目にするけど、レースの流れにも影響を与えている面はあるんだろう。ついでに言えば多分これも言い古されているに違いない。
さておき。ここまで前振りをしておいてなんだが、じゃあ今年はどうなるのか、というのは別の話ではあったりする。メンバーを見渡すと、今年こそはローエングリンが自分のペースで逃げを打てそうだ。前走毎日王冠は、ローエングリンとしては掛かってもおらず、スローと言っていいペースに落として、上がりもきっちりまとめたのだが、テレグノシスの鬼脚に屈した形になった。逃げた時では一番折り合っていたのではないかと感じたが、結果は伴わず、レース後横山典は「真面目に走りすぎる」とコメントしていたらしい。これで真面目過ぎる、というのは正直ぴんと来ないが、そこまで手の内に入れた、ということなのかも知れない。
5歳秋にしてようやく、客観的に見れば大人のレースをできるようになったローエングリン。だけどこの馬の魅力はスピードの持続力で、横山典もそんなことは百も承知だろう。ローエングリン自身が2000mを一番短い時間で駆け抜ける方法、を考えれば、それは毎日王冠のようなスローペースではない筈だ、と思う。(まあ実はローエングリンは2000mで5回走って、2分を切ったことはたった一度しかない上に、それは昨年大暴走した天皇賞なのだけど。)
結局前振りの通り、今年も2000mより長めの距離が得意な馬が台頭する流れになると考える。
枠順と印はあした……の予定。