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超いまさら、禁止カードについて。

禁止カードというよりは「禁止デッキ」みたいになってた 3/1 付の発表公式のコメントも「勝率的には問題ないんだけど、対抗策もないわけじゃないんだけど、でもこれじゃつまんないって言う人があんまり多いから禁止ってことで」と極めて歯切れが悪い。確かにあと各国(地区)/世界選手権を含む7ヶ月は厳しかったかも知れないが、微妙に釈然としない部分はある。特にアーティファクト・ランドの禁止はカードパワー的にはとても信じられないものだ(なんぜタップすると色マナ1点出るだけなんだぜ)。
ただ、プレイヤーの反応としては、歓迎ないし悪くても「まあ仕方ないか」辺りまでが結構多いように見受けられ、その点ウィザーズの決定はニーズには合っているのだろうとは思う。それでも特定のカードの価値を紙近辺まで下落させてしまうことに変わりはない。
スタンダードで禁止カードが制定されたのは昨年の《頭蓋骨締め》以来だが、その前となるとアーティファクト・サイクル(ウルザ・ブロック)まで遡ることになる。その時も大量のカードが禁止になった。アーティファクトを中心としたブロックで、続けてこのような事態が起きたことになる。
これは偶然ではなく、以前書いた(つーかマローが言ってた:参照→Come Together:日本語訳もあったけど、ホビージャパンのとこにあったので消滅済み。ああ勿体ない)「直線型」と「部品型」の話で、ウルザ・ブロックとミラディン・ブロックはいずれも「部品型」に属する。部品型はその性質上アーティファクト主体の方が断然作りやすい、というかほぼ必然的にアーティファクト中心になるのは言うまでもない。
そして、部品型の方が圧倒的に作りづらいし、パワー調整も難しい。部品単体のパワーは弱く、それでいて組み上がったデッキは強くなければいけない。ウルザ・ブロックは、そもそもその中に部品として強すぎるものが入っていた。ミラディン・ブロックはよくやった方じゃないかと思う。だけど、部品の系列としての「親和」はちょっと強すぎて、かつ部品が多過ぎた。だからこそ、「タップすると1マナ出るだけの土地」を含む、これだけたくさんのカードを禁止する必要があったんだ。
皮肉だったのは、親和系列の部品っていうのはミラディン・ブロックの中では比較的直線的なデザインをされた部品群で、それを根こそぎ禁止にすることで、より部品型セットらしかった「Ironworks」デッキまで息の根が止まってしまったことだろう。
ともあれ、残念な決定ではあったが、ウィザーズにはこれで「部品型」ブロックのデザインを諦めて欲しくない。部品型は見ていて面白いし、デッキを組んで楽しいし、信じられないようなカードが役に立ったりもする。またいつか、ヘンテコな「部品」が満載のセットをデザインして、世に送り出してください。その時こそは、禁止カードを制定しなくていいような調整は済ませておいて欲しいけど。