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NFL 2011 -- Week 12

今週からはバイなし。気づけばレギュラーシーズンも今週入れてあと6週間である。はやい!

Buffalo Bills (5-5) @ New York Jets (5-5)

同地区・同勝敗で地区2位争いをしている両チーム。ペイトリオッツにまさかの逆転勝ちをするなど開幕当時は絶好調で、「Cinderella season」とまで言われていたビルズはいつの間にか5勝5敗の五分まで落ちてきてしまった。対するジェッツは文字通り勝ったり負けたりで同じく5勝5敗。地区2位とはいえワイルドカード争いでは優位とはいえず、おたがいここで負けるとかなり苦しい、という状況での対戦だった。
試合の方はタッチダウンを取り合う展開で、1Q にビルズが先行、2Q にジェッツが追いつくと、ビルズはインターセプトからタッチダウンにつなげて残り2分で7点リードする。ところがその後のキックオフをキッカーがへぐって(多分)(追記:ウィークリーで改めて見たけどへぐってました。ボールの上のほう蹴っちゃってた)、殆ど距離が出ずジェッツにボールを押さえられてしまう。ジェッツは前半のうちにきっちりタッチダウンを返して、14-14 で折り返し。
ジェッツは 3Q にもタッチダウンを奪って初めてリードするが、返しのシリーズでビルズをパントに追い込みながら落球してターンオーバー。これをビルズ QB フィッツパトリックが一発でタッチダウンにつなげて 21-21 とまた同点。4Q、ビルズはフィールドゴールを一本決めるが、残り5分からのドライブでジェッツ QB サンチェスがこの日4本目となるタッチダウンパスを決めて逆転。最後は残り1分でビルズはジェッツ陣深くまで攻め入るが、流石にタッチダウンは奪えず、28-24 でジェッツの逆転勝ち。

New York Giants (6-4) @ New Orleans Saints (7-3)

マンデーナイトにしては好カード。しかし 6-2 から2連敗と失速気味のジャイアンツに対し、5-3 から2連勝と調子を上げているセインツがホームで迎え撃つという構図で、結果にもその勢いの差があらわれた。1Q はおたがいに長いドライブを続けながら得点にならず、2Q にセインツが先制。ジャイアンツもフィールドゴールを返して 3-7 としたが、セインツは残り2分でタッチダウンをあげると、その返しのジャイアンツのドライブを1分で止め、残った1分でもう1本タッチダウンを取ってしまう。とにかくブリーズのパスが冴えまくっていて、ジャイアンツは全然止められなかった。21-3 で折り返し。
後半最初にジャイアンツはタッチダウンを返すが、反撃はここまで。その返しのドライブでセインツはあっさりタッチダウンを奪って突き放すと、ジャイアンツは意気消沈してしまった。結局タッチダウン7本とったセインツが 49-24 のダブルスコアで勝ち。ここまで差がつくとは流石に思わなかった。

Chicago Bears (7-3) @ Oakland Raiders (6-4)

カトラーを失ったベアーズは二番手 QB のヘイニーが先発。NFL でのスターターの経験は数えるほどしかなく、どこまでやれるかというところ。相手はオークランド・レイダーズ。そういえばレイダーズも NHK-BS だとあんまり出てこないチームのひとつで、まともに見るのは初めてかも。
試合は正直ぱっとしない内容で、ベアーズはやはりカトラー抜きでは一枚落ちる感は否めず。それでもディフェンスはそこそこ頑張り、レイダーズの詰めの甘さにも助けられて 3Q まではタッチダウンを許さない。とはいえそこまででフィールドゴールは6本決められてて 10-18 。最後 4Q になってとうとうタッチダウンを許してしまい、13-25 と突き放される。その直後のベアーズのドライブは素晴らしく、ヘイニーもあわやタッチダウンパスかというロングパスを通すなどこの日一番のパフォーマンスを見せる。そのままタッチダウンを返して 20-25 と1ポゼッション差に詰め寄るが、反撃もそこまでで、結局 25-20 でレイダーズが逃げ切った。カトラーの怪我はやはり結構ひどく、それでもプレイオフまで残れれば戻ってこれるかも知れないというタイミングらしい。ベアーズとしてはどうにかカトラー抜きでプレイオフに残りたいところだが、今日の内容を見る限りでは少し難しいかも知れない。

その他

  • ドルフィンズ破れる……! カウボーイズ相手に 19-20 で残り0秒の逆転負け。カウボーイズも(というかロモも)結構ひいきなので複雑なところだ。逆にカウボーイズは4連勝で、これで地区首位になったみたい。なんか勝ったり負けたりしとるなーという印象だったが思ってたより勝ってた。
  • またブロンコス勝つ。またしても逆転勝ち、しかもオーバータイム残り 30 秒とかでフィールドゴール決めたそうだ。ティム・ティーボウまじ神の子。ティーボウがスターターに収まってから5勝1敗で、とうとう貯金ひとつになった。いやはや。
  • ヴァイキングズはファルコンズに負け。だめすなー。《思案》ポンダーは 17/25、186yd、1TD。なんか毎回こんな感じなんだよね。ひどくはないけどまあよくもない。14-24 の 4Q にキックオフ 104 ヤード返したのにあと3ヤードで止められて、さらにその3ヤードを4プレイの間に得点にできなかった、というプレイがあったらしい。いかにも負けのこんでいるチームらしいひどさだ。「タッチダウンにならなかったリターン」としては少なくとも 1991 年以降では NFL 最長なのだそうだ。アメスポらしい誰得データで面白い。
  • パッカーズは勝って 11 連勝。フォーティナイナーズはレイヴンズに敗れて 9-2 となった。
  • なお、コルツは(略)

ところで。

ティーボウは大学時代ハイズマン賞取ってて人気もあったんだけど、NFL で成功するかはわからないってずっと言われてたらしい。理由のひとつに「左利きだから」というのがある。左利きが不利になるスポーツはあんまりないと思ってたのだが、アメリカンフットボールは攻撃のデザインがまるっきり左右逆になっちゃうので好まれないのだそうだ。たとえばクオーターバックは普通半身になって投げるから、どうしても背中側からラッシュが来ると対処しづらい。そのためオフェンスラインは普通左側によりよい選手を配するんだけど、これが逆になる。レシーバーの立場からしても、ボールの出てくる位置、QB のモーション、パスの切れていく方向、これが全部逆になる。というわけ。
でも、それは多分相手にとっても同じことだ。パスラッシュをかけるときも、パスをカットしようとする時も、普段と左右が逆だったらやっぱりちょっと嫌だろう。だからもし、チーム全体を左利き QB に合わせて作り替えたとしたら、相手チームにとっても厄介だろうと思うのだよね。オフェンスは毎試合やるからまあ嫌でも慣れるけど、相手はシーズン中に1回か2回しか当たらないのだ。そう考えると左利きってむしろアドバンテージなんじゃないの?と思うのだがどうだろう。実際 NFL でも近年全然居ないだけでかつては左利きでも活躍した QB は居たみたいだし。
……で、まあ、バックアップ QB どうすんだって話です。うーん。これは正直いいアイデアがない。もうチームごと「左利き QB の皆さんは是非ブロンコスへ」みたいな方針にしちゃえば全米中の左利きの QB 独占できていいんじゃないかと最初考えたんだけど、当人たちにとってみればやっぱ微妙だ。クビになったら行くところがないもんね。少なくとも右利きよりは絶対不利だ。でも、考えてみるとそれって今左利き QB が置かれてる立場と変わらないわけで、悪くはならないだろうと思うのだけど。