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『PONYOAK』 KLEEN EX-GIRL WONDER ロックレコード,1999 RCCY-1038

ひさびさに弟から借りてまで聞いてみたのだが、うむ、やっぱり普通に下手だな。つうか上手いとか下手とかいう次元ではないのだが。クリーン・エクスガール・ワンダーってのは Graham Smith という少年(当時 19 歳)を中心としたメンバー不定ユニットで、実質ひとりだったって説もあるけど詳細は不明。これはそのスミス君が宅録で作った3枚目のアルバムで、つたないけど勢い任せに作られた曲が 25 曲も詰め込まれている。技術は問題外としても、メロディセンスには確かに光るところがあって、いくつかの曲はとてもいい。
このアルバムの後あろうことか来日したりもしてるんだけど、次に出したシングル「Why I Write Such Good Songs」が本当に素晴らしかった。明るいセンスはそのままに、打ち込みのトリッキーなリズムパターン(マシンを使うことを憶えたらしい)とどポップなメロディが病みつきになる名曲で、この洗練をもってアルバムを1枚作り上げたら傑作が生まれるかも知れない、と思ったものだった。
しかし続いてリリースされた4枚目のアルバム『After Mathmatics』は(おれの)期待ほどではなく、ほどなくクリーン・エクスガール・ワンダーの名を耳にすることはなくなってしまった。そんなもんかとも思うし、全体としてはよくある話。でも多分このユニットの名前は忘れないし、時々はこのアルバムも聞くだろう。
下手過ぎてしょっちゅう聞く気にはならんのだが。