黄昏通信社跡地処分推進室

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『コーネルの箱』 チャールズ・シミック 柴田元幸訳 1992/1998 ISBN:9784163224206

ジョゼフ・コーネルについては、恥ずかしながら全然知らなかった。勿論『カウント・ゼロ』の重要なガジェット(どころか、ひとつの主題と言ってもいいかも知れない)であることは百も承知で、現物は見たことがないながらも喚起されるイメージには好もしい印象を抱いてはいた。しかしいつのどこのどういう人で実際にどんな作品を作ったかについては全く知らなかった。
この本の邦題からはコーネルの伝記あるいは作品評のようなものが想起されるが、実際は著者がコーネルの作品からインスピレーションを得て書いた散文詩と、それに添えられている作品の図版から構成されている。散文詩はいいものもそうでもないものも注がないとなんだかわからないものも様々だが、作品の図版はおおむね素晴らしい。
そんなわけで、コーネルちょっと見てみたいよなあと。日本では 15 年前にやったっきりみたいなので、そろそろ、つうのもおかしな話だけど、やらないかな。