黄昏通信社跡地処分推進室

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カソードとアノード

電池の本を読んでいたら、燃料電池のところでアノードとカソードについての説明が出てきた。


アノード:外部回路から電流が流れこむ極/外部回路へ電子を送り出す極
カソード:外部回路へ電流が流れだす極/外部回路から電子を受け取る極


電気化学的にはこれでいいわけだが、二次電池の場合ややこしいことになる、みたいなことが書かれていた。充電の時には正極がアノードになって、放電の時は負極がアノードになるからだ。おれのような者にはただでさえアノードとカソードがごっちゃになるのに、それが入れ替わるのはかなり難度が高い。
それだから、というわけでもないのだろうが、同じページにアノードとカソードの由来についてコラムっぽい感じで書かれていた。しかしそれを読んでむしろ唸ってしまった。名付けたのはファラデーらしいのだが、ファラデーは地球に地磁気があるのは内部に恒常的な電流が環状に流れているからだと想像して、そうであれば電流の方向は東から西であると考えた。そうすれば右ねじの法則によって磁場は(地球内部で)北極から南極に向くわけだ。この時に地球表面に立って見ると、東側が電流が流れ込む極、西側が電流が流れだす極ということになる。ファラデーは東側の極に "ano upwards, odos a way; the way which the sun rises" ということで「anodos → anode」と命名し、西側の極には "kata downwards, `odos a way ; the way which the sun sets" から「kataodos → kathode」と名付けた。由来を知ればごっちゃにならずに済むかと思っていたが、むしろ難しすぎて覚えられない。ろうそく野郎め……という感じである。


ところで、ファラデーは知る由もなかったけれど、地球の地磁気は時々逆転している。だからいつかは今と逆になってしまい、仮想の電流の方向も逆になる。すると西がアノード、東がカソードになってしまうのだ。今から名前を変えることは考えられないけど。