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「名前を残した馬たちへ」(1)

日本軽種馬登録協会から、平成15年に供用停止した種牡馬一覧が発表された。名前を聞いたこともない馬が居る一方で、少なからず思い入れのあった馬の名前も見られる。今日から4回(予定)にわたって、全馬について簡単に書いてみたい。
#追記(2004-06-25)。一覧にはアングロアラブも入っていたが、知識が全くないのでとりあげない。サラブレッド全53頭について書くことにする。

イブキフロンティア(父ブライアンズタイム) 用途変更
いきなり難易度高いな……。調べてみるとブライアンズタイムの産駒で4戦1勝、どうして種牡馬になったのかもちょっとよくわからない。
イブキマイカグラ(父リアルシャダイ) 用途変更
この馬は、ちょうどおれが競馬を観始めた頃は既に競走馬生命を終えようとしていた(結果的に)。春の天皇賞で見せた脚が最後の閃きで、それがぼんやりとした印象を残している。「リアルシャダイノーザンテーストシナジー」のはしりだった馬。逆に配合的には行き詰まりやすかったのかも知れない、と思わなくもないが、成功できなかったのはそういう理由ではないだろう。
ウインドミル(父プレストウコウ) 用途変更
ウインドミルって、あのサファリオリーブが勝った新潟記念に出てたウインドミル*1か?! と思って調べてみるとほんとにそうらしい。青森で種牡馬になってたそうだ。父の運命も併せて泣けるねえ。東京ダービー馬だったのも初めて知った。18歳ならよくぞここまで繋養してくれた、と言う他あるまい。
エアシャカール(父サンデーサイレンス) 死亡
二冠馬なんだが、古馬になってからいまいちだった所為か強かった印象がない。といって死なれるとちょっと寂しいものだが。
エルウェーウィン(父Caerleon) 用途変更
マルカツオウジャ(父ノーパスノーセール)と同じくらい強かった馬(2歳時は)。ぽつぽつ使われていたように記憶しているが、実際は長期休養こそあったものの特に6歳時などはおそろしく使い込まれている。その6歳時のほぼまる4年ぶりの勝利は素晴らしかったが、現役を引っ張って底を見せたのは種牡馬稼業としてはマイナスだったろう。
エルセニョール(父Valdez) 用途変更
結構長いこと種牡馬やってたはずだが、驚くほど印象に残っていない。代表産駒どころか、産駒一頭たりとも挙げられない。調べたらヨイドレテンシがそうらしいが。うううむ。
オフサイドトラップ(父トニービン) 用途変更
トップクラスでの活躍期間が短過ぎた悲運の馬。競走成績を見ると、大敗が少なく、ピークには一気に頂点まで駆け上がっている。パフォーマンス以上の能力があった馬なのかなあという思いがなくはない。天皇賞サイレンススズカが故障していなければどうなっていただろう。あの故障は、この馬にとっても悲劇だったかも知れないのかな、と思う。種牡馬としてはそこそこチャンスはあった方だろうが、それにしても実質初年度産駒だけで見限られてしまうのは辛い。
オペックホース(父リマンド) 用途変更
ダービー馬さま。最弱のダービー馬とか言われてたけど、確かにダービーより後の成績が悲惨すぎる。あと父がリマンドだって忘れてたぜ。ダービー馬出してたのか。25歳なので、供用停止自体はまあ。
オーゴンカザン(父ノーザンテースト) 用途変更
ごめん、知らない……。調べてみると3勝馬で、おそらく青森で種牡馬をやっていた。22歳ながらつい最近まで産駒がおり、大事にされていたんだなあと感じる。母方に異系が強くてちょっと面白い、けど、ノーザンテーストなんだよなあ。
カブラヤオー(父ファラモンド) 死亡
流石に知ってるもんねと思ってたら父の名が出てこなかった。うぐぐ。ファラモンドファラモンド(←繰り返し口に出して憶えようとしている)。「トライアルだっていうのにNHK杯とダービーを連覇した馬は75年のカブラヤオーにまでさかのぼらなけりゃならない……」(『馬なりハロン劇場』(よしだみほ))ということで、その二つを連勝した最後の馬。今調べたらダービーの後は殆ど走ってないのな。おれが見始めた頃は種牡馬としてもそこそこ高齢で、代表産駒はと言われるとちょっとイメージがない。ミヤマポピーやコガネポプラなど、牝馬の父として結構よかったみたいですな。グランパズドリームなんかもいるけど。
ギャロップダイナ(父ノーザンテースト) 用途変更
この馬が勝った天皇賞の翌日の朝日新聞を見て、凄い配当だなと思ったのを今でも憶えている。強い馬だった筈なんだがあんまりそういう扱いはされてなかった。種牡馬としては気が悪い仔が多かったと記憶している。途中で社台から出されてたしな。マルマツエースとか、マイネマジックとか、数少ない一流馬ははっとするような脚を使ったので、記録より記憶によく残っている。反面マルシゲギャロップなんかはなまくらだったなー。ところで、オースミダイナーマルマツエースって同期なのな。心の底からびっくりしたよ。あと、PedNetにイージーゴーイングを登録してくれた人、誰だか知らないが有難う。中央入りするクラスなら登録されるもんなのかも知れんが。
グランアクトゥール(父メジロマックイーン) 用途変更
メジロマックイーンの産駒が種牡馬になってたのか。母の父シンボリルドルフとか、スヰート5×5とか、いろいろ罠だらけだ。とはいえ3戦1勝で千葉で供用では初めからチャンスもないも同然。オールレインボー(リファーズスペシャルの代表産駒(当社比))との間に仔が居るらしい。(←トリビア
ケントニーオー(父トニービン) 転売不明
うう、強い馬だったけどなあ。でも、競走生活後半の成績はよく憶えていなくて、ピークの頃だけが印象にある。足元が弱かったのも種牡馬のイメージとしてはマイナスだったのかも。「転売不明」というと恐ろしいことになっていそうだが、実際には「用途変更」も同じぐらい恐ろしいことになっている場合があるので。あれ、フォローになってないぞ。

次回に続く。

*1:おれは当時競馬をまだ観始めていない。知っているのは『ルーザーズ・サークル』(片山まさゆき)のおかげ。