黄昏通信社跡地処分推進室

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『My Magic』 吉川祐輔(id:yossy54) yossy's laboratory,2004

ちょっと遅くなってしまったが、通信販売してもらったので感想など。
前半は黒田正城氏へのインタヴューで、マジックとの出会いからPT神戸、そして現在に至るまでを語っている。かなりのボリュームで、もともと露出の多いプレイヤーではあるのだが、それでも面白く読める部分が色々あった。大量の注もむしろ楽しく、とても丁寧に作られているのも好印象。
後半は吉川氏と「くま」こと小堺透雄氏との対談「マジックで書こう!」。ふたりとも Peak Magic で名をあげたライターで、ライターが「書くこと」自体を題材に記事を書くことは余りないので興味深く読めた。「カバレッジを担当するとその後(一時的に)強くなる」という体験をふたりで語るくだりなどは特に面白い。
ただ、よく出来ているだけにもう少し望みたくなってしまう部分もある。

  • 1−2頁程度でいいのでもう1,2本記事を入れられなかったものだろうか。その方が同じページ数でも顧客満足度は高まるだろう(もちろんかかる労力も増えるが)。
  • インタビューの対象はもっと露出の低い人を狙っても面白かったのでは。同人誌(個人誌)はコストでは商業誌に当然及ばない。アドヴァンテージがあるとすれば、商業誌やオフィシャルのウェブサイトで取り上げることが難しい人でも(本人の了解がとれれば)対象にできる、ってことなんじゃないかと思う。たとえば、おれが個人的に一番インタビューが読みたいのは播野拓一氏。
  • 対談形式というのは基本的にページを喰う。逆に言えばページ数あたりの情報量は少ない。これを取り返すためには、対談ならではのアドヴァンテージがなくちゃいけない。それは対談する人同士の「シナジー」に他ならず、この対談に関しては人の組み合わせはよかった。ただ全編にわたってシナジーが発現してるかというと微妙で、もっと思い切って編集してもよかったのかなと思う。「肩がこらない」と情報量の集約は両立できる筈。
  • とかいろいろ書いてるが所詮素人(色々な意味で)の言うことなのでまあ参考になさらずとも問題ないかと。

ともあれ面白かったです。また是非作ってください。買いますので。