黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

NFL 2013 -- Wildcard Playoff (part 2)

San Diego Chargers (AFC-West ; #6 seed(9-7)) @ Cincinatti Bengals (AFC-North ; #3 seed(11-5))

5-7 から4連勝してぎりぎりプレイオフを決めたチャージャーズに対し、結果的には2位に3ゲーム差をつけて地区優勝を飾ったベンガルズ。ドルトンはルーキーイヤーから3年連続のプレイオフ進出となり、これは NFL 史上5人目の記録とのこと。ただ過去2回はいずれも緒戦でいいところなく敗れており、今季こそは勝利をつかみたい。天気は荒れ模様との予報だったが実際には雨が降ったもののそれほど強くはなく、寒気も控えめで氷点下までは落ち込まない程度だった。
試合はチャージャーズが先制。今季の勝ちパターンである「ランを中心にショートパスを絡めたオフェンス、無理はしない、とにかく時間を使う」を忠実に守り、じりじりと攻めあがる。RB もマシューズ、ウッドヘッド、ブラウンの3人をバランスよく使い分け、最後はウッドヘッドがタッチダウンランを決めた。
ベンガルズも 2Q に反撃。自陣 40 ヤードからのショートフィールドだったが、こちらもバーナード、グリーン-エリスの両ランニングバックを使って前進し、最後は残り4ヤードからグレシャムへパス。グレシャムは後ろ向きになりながら倒れこむようにエンドゾーンに入った。これで 7-7 の同点。返しのドライブをスリーアンドアウトに仕留めると、次のドライブではジョーンズへの 49 ヤードのパスを通して一気にレッドゾーンに進入する。ツーミニッツウォーニングがコールされて敵陣 16 ヤードからの次のプレイ、ドルトンは中央のバーナードへチェックダウンのパス。バーナードは後ろを向いてジャンプしてそのボールを掴むと、着地しながら正面に振り向いてエンドゾーンへ走り出す。その瞬間、LB バトラーの左手が後ろからボールにかかった。ボールは前方に転々としてチャージャーズがリカバー。このあとチャージャーズはすぐにパントに追い込まれ、ベンガルズが残り時間でフィールドゴールまで辿り着いて 7-10 で折り返すのだが、結果的に見ればこのファンブルロストがベンガルズがモメンタムを失った瞬間ということになった。
チャージャーズは後半最初のドライブをタッチダウンに結びつけてふたたび逆転。これもリヴァーズの短いパスを上手く使った実にチャージャーズらしいドライブだった。そしてここからドルトンがおかしくなる。自陣の 3rd ダウンロングから自ら走り、ファーストダウンを更新できそうだったが頭から地面に突っ込んでコンタクト無しのファンブル。ここはディフェンスが頑張って返しのドライブをフィールドゴールにとどめるが、さらにプレッシャーを受けての苦し紛れのショートパスをインターセプトされてしまう。これもフィールドゴールまで持っていかれ、20-10 とされる。
それでも 10 点差であればまだわからないところだったが、4Q に入ってからドルトンはもう1本インターセプトを投じてしまい、返しのドライブではディフェンスも切れてしまったのか、RB ロニー・ブラウンに 58 ヤードのタッチダウンランを決められてしまって万事急須。ベンガルズは最後までタッチダウンを返そうとタイムアウトを使いながらプレイを継続したが、さすがに3ポゼッション差では空しいあがきにしか映らなかった。27-10 でチャージャーズの勝ち。
ベンガルズは前半はまずまずプランから離れない試合ができていたが、バーナードのファンブルロストが誤算で、最少得点差で折り返すことになってしまった。ドルトンも前半は上々の出来だったのに後半自らのファンブルロストからがたがたと崩れていった。ベンガルズは今季ホームで 8-0 だったが、初めての敗戦がシーズン終了を告げることとなった。マーヴィン・ルイス HC は 11 年目にしてプレイオフ 0-5 とのこと。
チャージャーズはリヴァーズが 12/16-128yds-1TD-0INT というスタッツで、持ち前の成功率の高さを最大限に活かしたオフェンスをした。ランはブラウン、ウッドヘッド、マシューズの3人合わせて 183 ヤード。まさにゲームプラン通りの勝利だったと言えるのではないだろうか。

San Francisco 49ers (NFC-West; #5 seed(12-4)) @ Green Bay Packers (NFC-North; #4 seed(8-7-1))

8-7-1 とぎりぎり勝ち越してようようプレイオフに辿り着いたグリーンベイ・パッカーズ。6-4 から6連勝と尻上がりに調子を上げたサンフランシスコ・フォーティナイナーズを地元に迎え撃った。気温は摂氏にすると約零下 15 度。西海岸から来るチームを相手にこのコンディションを味方につけられるかどうかというところがポイントになりそうだった。しかし NFL ってそもそもドーム球場が少ない上にどちらかというと南部に多い気がするのは何故だ。北の方のチームでドームなのってミネソタぐらいではないか。あとインディアナポリスか。
さておきパッカーズは序盤ランばかりで攻めるが、最初の2ドライブが続けてスリーアンドアウトになる我慢の展開。結果論だけどロジャーズが居るんだからもっと打ち合いを志向してもよかったようにも思うのだが、そこまで攻撃の手数が保たないというような判断があったのかも知れない。
フォーティナイナーズはゴアのランを中心に、キャパニックの強肩を活かした短めの素早いパス、そしてここぞという時のキャパニックのランという3つの武器があって、この試合では上手くバランスがとれていたと思う。キャパニックも走ってはいたがちゃんとスライディングしたりサイドラインへ出たりコンタクトを避けることは徹底していた。
前半は一進一退、1Q にフォーティナイナーズがショートフィールドゴールを2本決めるが、2Q に入ってパッカーズタッチダウンで逆転。しかし返しのドライブ、フォーティナイナーズが5プレイでタッチダウンに辿り着いてあっさり再逆転してしまう。前半は 13-10 で折り返し。
3Q に入ってからはおたがいディフェンスが頑張って決め手がなく、次に得点が動いたのは 4Q に入ってから。パッカーズがレイシーとスタークスのランを重ねてじりじりと進み、最後は1ヤードを FB クーンが持ち込んでタッチダウン。これでまたしても逆転するが、フォーティナイナーズはここも返しのドライブでたった4プレイでタッチダウンパスを決める。この日はおたがい2タッチダウンずつだったが、フォーティナイナーズは取られた直後のドライブをいずれも少ないプレイでタッチダウンに持って行っていて、勝負強さが目立った。
パッカーズは残り 10:31 からドライブを開始。なんとかタッチダウンまで持っていきたかったが、レッドゾーンまで入ったところでパスが通せず、結局フィールドゴールで同点にするに止まってしまう。フォーティーナイナーズは返しのドライブで残り時間5分強を費いながらフィールドゴール圏内まで進め、時間切れと同時に決勝点を挙げた。23-20 でフォーティナイナーズの勝ち。
パッカーズはこれで2年連続フォーティナイナーズに week 1 とディヴィジョナルプレイオフで両方敗退することになった。今季の成績を見るにパッカーズはロジャーズが居なければ並のチームで、フォーティナイナーズを上回れる見込みがあるとすればロジャーズにばんばんパスを投げさせて打ち合いに持ち込むことだったのかなあと。フォーティナイナーズはシーズン後半に見出した勝ち筋をこの日も再現できた。キャパニックのスタッツ 16/30-227yds-1TD-1INT + ランで 7att-98yds というのにそれがはっきり表われていると言えよう。ゴアのランは 20att-66yds と平凡な数字だが、勝つためには必要な数字には届いていた。