創作物の表現が古びてしまう現象については時々言及しているが(と書いてから思ったがそうでもないかもしれん)、最近気がついたのでは自動車電話という概念はほとんど死んでしまったな、ということがある。今調べてみたが実際単体としての「自動車電話」はほぼサービスを終了しているらしい。まあそりゃそうだろうなとしか言いようがなくはある。
ザ・ブルーハーツの「遠くまで」という曲に、こんな歌詞があった。
一部の、社会的影響力が大きい人を指す言葉として「電話のついてるクルマに乗ってる」という言い回しを用いるのは、いかにもマーシーらしい切れ味のいい表現であったと思う。初期の短い曲でシングルにもなっていないが、このワンフレーズは奇妙に心に残っていた。だがまあ、概念が死んだということは、表現自体ももはや意味をなさないということではあるのだろう。
電話のついてる クルマに乗ってる
あなたには僕が 僕が見えますか