黄昏通信社跡地処分推進室

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タイムトラベルは楽し

【現地時間 06-23→日本時間 06-24】
最終日。この日は夕方の便で帰るだけなのでそれまではフリー。なのだけど、なぜか夜眠れなくて一時間ぐらい寝ただけで目が覚めてしまった。ベッドでごろごろしてみたりしたがうまく眠れず、結局6時過ぎに起き出して散歩する。人が少なく、暑くもなく寒くもなく気持ちいい。気になっていたホットドッグスタンド(街中にめちゃくちゃたくさんある)でホットドッグ買ってみるが、$3 という値段の割にはもうがっかりのしょぼさでこれは外れ。コストコの奴の方が百倍旨いです。適当に歩きながらコロンバスサークルを通ってリンカーンセンターまで行き、そこからセントラルパークへ出て、中を少し歩く。アライグマ一家が通りかかってびっくりする。3メートルぐらい先を六匹でもこもこと横切っていった。かわいくて毛づやがよい。そのまま公園を通り抜けて南側に出て、たまたまあったカフェでローストビーフのサンドイッチを買って部屋に戻る。サンドイッチすごくおいしかった。$7.59 とかだったから安くはないけど、日本だとそもそもここまで肉がぎっしり挟まってるサンドイッチあんまり売ってなさそう。んで荷造りしてチェックアウトして、荷物は預かってもらう。この日はメトロポリタンミュージアムへ。延々とセントラルパークの中を歩いていく。たのしい。美術館は入口でちょっと並んでてひるむが、列が動き始めたらあっという間に入れた。この日はロックの歴史展みたいな小展示をやってて、伝説のギタリスト的な人たちのギターとかが並んでるのを見る。面白いのは面白いけど世代的にはもう少し上の人の方がジャストミートするのかもしれない。あとは各自分かれて自由に見学ということになる。とりあえず妻へのお土産を買う。いろいろありすぎてなに買っていいかわからん。ともあれなんとか購入。そしてとにかく広いぜメトロポリタンミュージアム。昨日の自然史博物館も大概広かったけどそんなもんじゃないんだこれが。地図を見ながら歩くんだけどしょっちゅう自分の居るところがわからなくなる。全部見るのは到底無理なので、適当に流しながら「近代の西洋絵画」のほうへ。どうでもいいけどテーマによってやっぱり露骨に空いてる部屋と混んでる部屋があって面白かった。中東とかがらがらだったよ。目当ての西洋絵画にたどり着いたけどここはもちろん混んでる方。あちこち回りながらぴんとくる作家を探す。ルソー先生は一枚だけ飾られていた。こんなへたくそ一枚飾っとけば充分だとでもいうことでしょうか。とにかく常設展だってのにこんなにいろいろあるのかよーという感じでいろいろあってかえって印象はぼんやりしてしまった感もなきにしもあらず。ついでに現代美術コーナーも見てやった(謎の上から目線)。案の定ジャクソン・ポロックあったぜ。ポロックはどこで見てもキャンバスの大きさ以外全部おんなじだぜ。まあそこがすごいとも言えるけども。ポロックフォロワーみたいな人のも何枚かあったけど、どれもジョン・スクワイアに及んでない*1と思った。いやまじで。というわけで 1315 ぐらいまで見て、さて集合はホテルに 15 時。せっかくアメリカ来たんだから最後にステーキの一枚も食べなきゃうそだろ、ということでグーグルマップでステーキ食えそうなところを探す。〈お手頃〉カテゴリに入ってる店がメニュー見たら $50 超だったりして「失われた二十年……」などとなりつつ、根気よく検索していたらちょっと南に「DALLAS BBQ」という店を発見*2。店名からしてチェーンっぽい、きっと日本で言えば「テキサス」みたいなやつにちがいない、と勝手に思いこんで歩く。若干暑かったがそこまででもなく、どうにかたどり着いたらさすがに昼もだいぶ過ぎてるので店内もほどよく空いており、すぐに座ってステーキを頼む。つけ合わせのジャガイモの調理法を選べたのでボイルにしたら細長いジャガイモをアルミホイルにくるんで丸茹でしたみたいな奴が出てきて笑うが、ステーキの脂っぽさに対してはちょうどいいあっさり具合だった。そして 10 オンスのステーキ……! これこれ、こういうのが食べたかったのよ。赤身と脂とちょっと筋もあるこれぞアメリカというヘビーなステーキ(とはいえ 10 オンスって 300g もないのでアメリカ人意外に控えめだなみたいな印象も)。もう 14 時とっくに過ぎてて待ち合わせにもかなり厳しいタイミング、しかもステーキの下に謎の薄いナンみたいなのが敷いてあってさらにボリュームがあったがなんとか 15 分ぐらいで片付ける。味が濃くて歯ごたえもあっておいしかった~。肉食ったーーって感じがした。これで思い残すことは無い!! というわけで店を飛び出して地下鉄へ、途中乗り換えてホテルの最寄り駅まで、そこから小走りで二分ぐらい遅刻、すみませんお許しください、どうしてもステーキが。であとはタクシーに分乗してまた 50 分かけて JFK へ。チェックインを済ませて、あと実家とか職場とかにお土産買って、小銭が余ったので水とドリトス(3ドルもした、高級品)を買って、あとは乗るだけとなったら猛然と眠くなってくる。考えてみりゃゆうべ一時間しか寝てねーんだった。ともあれ飛行機に乗りこむ。補給をしてるとかで待たされ、乗ってからも滑走路の関係かなにかで待たされ、と全然離陸しなくて参るが、離陸後の機長からのアナウンスによると「時間を短縮する経路の飛行許可を得られたため」到着予定時刻はむしろ早くなるとのアナウンスがあった。そうかそうか。帰りは思い切って窓側にしたのだが(なんせ飛行機の窓からの光景って飛行機の窓からしか見られないからね)、14 時間のフライトともなるとさすがに何回かは立ちたかったしさすがに窓側だと気を遣うよね。あと窓も意外とシャッター開けられるタイミング少なくて、後半はほとんど閉めっぱなしになってしまった。それでも離陸してしばらく飛んだあとのカナダの光景はまったく馴染みがないもので、そのあとの北極海も含めて面白い眺めだった。窓側だと寒いんじゃないかな-、と心配だったのだけどこれは杞憂。まあレインコート着てりゃ寒いわけないという話もある。眠いアンド眠いアンド眠いという感じで機内食喰ってるか寝てるかみたいな感じでひたすら過ごし、意外と早く到着。映画も一本しか見られなかった、というか最後まで見られなかった。『オーシャンズ8』、オーシャンシリーズガチでまったく見たことなくていきなりこれだったんだけど全然問題なかったし、普通に痛快な展開の快作。メトロポリタンミュージアムが舞台になってるのもタイムリーでよかった。まあ無理がある仕掛けもいくつかはあったけど、とにかく異常にテンポよくたたみかけてくるのであんまり気にしてる暇がないというか。まあ最後まで見てないんだけど。ていうか見たい、最後。無事に着陸して無事に荷物も回収して、そこで解散。おつかれさまでした。あとは Wi-Fi ルータを返して、京急→山手線→千代田線と乗り継いで帰宅。家に着いたときには 23 時を回っていた。ふひーくたびれた。
楽しい出張でした。仕事としてはおいといて、個人的には大変楽しい体験だった。こんな機会に恵まれてとてもありがたい。これからも会社のために頑張ってはたらきます。家族のみんなもありがとう、日本を空けている間家を守ってくれて、安心して行ってこれました。いつかみんなで……は無理かもしれないけど、お返しできるようなことがあれば。

*1:おれがそもそもポロック知る前にこっち見たからというのもあるが、それにしてもジョン・スクワイアが手がけたザ・ストーン・ローゼズのシングル/アルバムのジャケットにおける一連のポロック風アートワークは中々のものだと思う。今見ても感心する。→https://www.google.co.jp/search?q=stone+roses+album+jacket

*2:いまあらためて見たが、東へ4ブロック南へ9ブロック離れていてはっきり言ってかなり遠い。よく歩いたものだ。→https://www.dallasbbq.com/upper-east-side/