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コンボとシナジイ

マーク・ローズウォーターが、MTGのセットのデザインをする時に、「直線型」のデザインと「部品型」のデザインがある、って話をちょっと前にしていた。直線型は例えばオンスロート・ブロックが典型的な例で、「変異」ってメカニズムがぼんとあって、そのヴァリエーションや周辺のメカニズムを作って行くことでセットにしていく、というもの。一方でミラディンは部品型で、いろいろなパーツのカードを転がしておいて、それぞれのシナジイを活かすようにデッキを組むことを想定してセットをデザインしていく。
この話を読んだ時に、ああ、Netrunner は究極の部品型セットだな、と思った。Preying Mantis や Poisoned Water Supply は、単体では使い物にならないとしか思えないカードだが、組み合わせることで最強のデッキアーキタイプの一角を形成するデッキが作れる。そういった組み合わせが何種類もあって、なおかつそのどれかが余りにも強すぎると言うことがない(なかったらしい*1)。きっと多分、デザイナーにとっては理想の作品だろうと思う。
もっとも、Netrunner にも禁止カードはある。Tycho Extention が禁止になっているのは、「Psyco Tycho」が強すぎたためだろうと考えられるが、ACME Saving & Loan ではなくこちらが禁止になっているのは、単体でもパワーが高すぎると判断された可能性もある。もう一枚の禁止カード Enterprize, inc. Shield は、シナジイ抜きで単純に汎用性が高くて強すぎるカードなので、この議論には関係ない。Netrunner には禁止カードはこの2枚しかない。

*1:正確なところはわからない。