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Love Song 探して

以前にも書いたことがあるが、あらためて。この曲は『ドラゴンクエスト2』で復活の呪文を入れる時に流れていた曲で、当時ゲーム本編とタイアップして売り出されていた。具体的にはこのテープの箱の中に「アンナを探せキャンペーン」と書かれた紙が封入されており、ゲーム中に登場するアンナを写真に撮って送るとサイン色紙がもらえる、という企画だった。ゲーム中ではアンナに話しかけて歌ってもらうと実際にBGMがこの曲に変わる、という演出があり、世界を壊すことなく上手いこと組み込んであるなあ、と当時は感心したものだ。今考えても悪くない。*1
曲自体はぱっと聞くと明るいのにどこか物寂しいところのあるメロディで、この曲と3人揃っている時のフィールドBGMは、そのままドラクエ2というゲームそのもののトーンに重なるように思える。シリーズの他の作品と比べても殊更暗い話だったり人が死んだりするわけでもないのだが、どうにも切ない調子が底流にあるように感じられてならない。だからこそおれはシリーズの中でこの作品が一番好きなんだけど(つっても全然やってないですが)、どうも上手く説明できないのがもどかしい。
この歌はハイパージョイにも入ってるぐらいなのでもっとアニソンとかに強いカラオケ(よく知らんけど)なら余裕であると思う。歌詞はアレなので親しくない人の前で歌うとかはあんまり勧めないが。あと後に『ドラゴンクエストのうた』というCDに「薔薇ふる空」というタイトルで別の歌詞のものが収録されているが、こっちの歌詞は更によくない。この曲はそういうものではない、と言いたくなる。
聴いたことがない人には、どうかオリジナルを聴いてみて欲しいと思う。ファミコンの三声PSGのあの音色で奏でられると切なさもひとしお(英語で言や one salt)で、勿論懐かしさもあるのだろうけど、この楽器(装置)を意識して書かれたのかなあ、とすら思うほどで、おれはこれを聴くとなにか居ても立ってもいられないような心持ちになる。

*1:実際にBGMがこの曲に変わる、という演出:ただし、GB や SFC のリメイク版では外されているらしい。