黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

サスペンデッド・ゲーム

昨日の題名欄にちょろっと書いたが、ワールドシリーズの第5戦はサスペンデッドゲームになったようだ。日本語で言えば「一時中断試合」とでもいうべきルールで、要するに試合を途中で中断して後日その続きからやり直すというものだ。ゴルフとかテニスとか、状況をデジタルに表現することができるスポーツでは多く採り入れられているルールではないかと思う。
MLB でも普通にコールドゲームはあるのだが、NPB とは少々運用が異なる。5回で試合が成立という基本的な部分は同じながら、イニングの途中で中断した場合「裏の攻撃側のチームが勝っている時はコールド」「同点若しくは表の攻撃側のチームが勝っている時はサスペンデッド」という運用になっているとのこと。これは中々面白いというか不思議なルールで、そこまでするのなら全部サスペンデッドでいいような気がしなくもない。
ワールドシリーズについてはコミッショナーに権限があるとのこと。


バド・セリグコミッショナー(74)の裁定で史上初のサスペンデッドが決まった。審判団が決定権を持つ公式戦とは異なり、ワールドシリーズ(WS)の試合続行の可否はコミッショナーに権限がある。「これは私の裁定だ。フィリーズのコールド勝ちは考えなかった。WSの幕切れにふさわしくないし、許せるものではない」と説明した。
コールドゲームで勝敗が決したことが過去1度もないように「9回まで戦う」ことがWSの不文律。シリーズ前のコミッショナー通達でも、「いかなるコンディションでも戦ってもらう」と両軍には伝えていた。
「許せるものではない」ってなんかかっこいいな。
NPB とのコールドゲームのルール解釈の違いは以下のコラムにちょっと出ていた。

試合は、レイズが6回表に1点を取って同点に追いつき、この回を終えたところで中断されました。この場合に、日本のプロ野球のルール解釈では、均等回に戻して勝敗を決めるので、5回終了時点のスコアになり、フィリーズが2−1でレイズを破ったことになります。つまり、フィリーズがワールドチャンピオンの座が就くことになります。
一方、メジャーのルール解釈では、正式試合と認められた5回終了後に、表のチームが同点、または逆転になる得点をあげて、その後、裏のチームが同点にするか、リードを許したまま攻撃が終わっていない場合には、サスペンデッドゲームになるのです。
「入った得点を審判団の恣意的な判断でなかったことにできる」と認識されうる、という意味において、現在の NPB のルール解釈にはやや釈然としないところがある。とはいえサスペンデッド・ゲームが日本では現実的でないので、どうすればいいのかは難しい。イニングの途中で終了しても記録は全て有効にする、とすれば今度は「表の攻撃側のチームが勝ち越したからコールドにした」と認識されるようになる。
NPB においても、サスペンデッド・ゲームの規則自体は今でもパシフィック・リーグにのみ残っているというのは一部では有名な話だろう。現在行われた最後のサスペンデッド・ゲームは 1987 年に柏崎市佐藤池野球場で行われたホークス対オリオンズ7回戦である。
参照→Niigata-boro.net -- 史上最後のサスペンデッドゲーム