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NFL 2016 -- Week 10

えーと、bye は Buffalo, Detroit, Indianapolis, Oakland. ということでビルズ(4-5)、ライオンズ(5-4)、コルツ(4-5)、レイダーズ(7-2)。

Denver Broncos (7-3) @ New Orleans Saints (4-5)

セインツは惜しい星を落としたなあという印象。
前半はブロンコスのペースで、最初のドライブでタッチダウンを決めると、2Q にはインターセプトから得た攻撃で FG を決めて 10-0。セインツはパント続きで、前半終了間際にこちらもインターセプトから得た攻撃を FG まで持っていって 10-3 で折り返す。
セインツは 3Q に入ってから反撃。ブリーズがクックスへのロングパスを通してタッチダウンにつなげて同点とすると、再びシーミアンからインターセプトを奪って、敵陣からの攻撃であっさりもう一本タッチダウンを決める。これで 10-17 とリードが入れ替わった。
4Q はまたブロンコスのペースになる。セインツのルーキー WR トーマスからボールを奪い取ると、そこで得た攻撃権でタッチダウンまでつないで同点。さらに次の攻撃ではノーウッドのパントリターンでいいフィールドポジションを得ると、相手のアンネセサリイラフネスを絡めて敵陣に入り FG を決めて 20-17 と逆転。さらにさらに、セインツは返しのドライブでまたしてもトーマスがファンブルロスト。これはボールをたたき出したクリックをほめるべきと思うが、とにかくボールを失ってしまう。ブロンコスがもう一本 FG を決めて 23-17 になった。
残り 2:50、タイムアウト無しからセインツは逆転を目指すドライブ。ここでブリーズが素晴らしく、2プレイ目に右サイドライン際のクックスへ 29 ヤードのロングパスを決めると、最後も中央へ「え、これで投げるの?」というロングパス。ターゲットのクックスはディフェンスに囲まれていたがものともせずボールをキャッチし、23-23 の同点になった。
決まれば逆転のエクストラポイント、しかしここでブロンコスのシモンズが中央から狙いすましたハードリングでセインツ LS ドレッシャーを飛び越えて K ルッツの蹴ったボールをブロック。ボールが横に転がったところをブロンコスパークスが拾い上げ、左サイドラインぎりぎりを 80 ヤード以上駆け上がり、ディフェンスツーポイントコンヴァージョンを成立させた。これで 25-23 とブロンコスがリード。
最後はセインツがオンサイドキックを蹴るも失敗、ブロンコスが勝った。
セインツはここ勝っていればプレイオフもまだまだ行けるという星だったので負けたこと自体が本当に痛いし、負け方も実によくなかった。


最終スコア:DEN 25-23 NO

  • ハードリングは今年流行っていて(開幕週ぐらいから見ている気がする)、「オフェンスに触れずに飛び越えて着地に成功すればノーファウル」というレフェリングが定着しているが、ルールの運用としてはちょっとまずかったなという印象がこれまでのところある。そもそも飛び越える時にプレイヤーに触れれば反則で、それは危険だからなので、触れなければセーフという運用のためにチャレンジする機会が増えていれば本末転倒だ。この辺りジータス実況の有馬氏&解説板井氏(余談だが GAORA 感のあるコンビと言えよう)もシーズン終わったらルール改定されるだろうという話をしていたが、個人的には同感。

Dallas Cowboys (8-1) @ Pittsburgh Steelers (4-5)

絶好調のカウボーイズに対するは、先週わりと酷い負け方をしたスティーラーズ。しかし試合はプレスコットの自陣でのファンブルロストで幕を開ける。ロスリスバーガーがあっさり 38 ヤードのドライブをベルへのパスで仕上げて、スティーラーズが 0-6 と先制した。そしていきなりのツーポイントコンヴァージョンに挑戦し、失敗。
返しのドライブでカウボーイズは FG を決めるが、次のドライブでスティーラーズはベルのランがわりとよく出て再びタッチダウン。もう一度ツーポイントに挑んで失敗し、3-12 となる。
カウボーイズにここでビッグプレイ。自陣 17 ヤードから、ドロップバックしたプレスコットが右から左へ走り込んでくる WR ホワイトヘッドにボールをハンドオフするエンドアラウンド……と見せかけて右サイドのエリオットへのスクリーン。これが見事にはまってエリオットが 83 ヤードを走り切ってのタッチダウンとなった。これで 10-12 と追いすがると、2Q にはお互い FG を一本ずつ決めて 13-15 で折り返した。
後半に入ってからもおたがい FG をもう一本ずつ決めあって迎えた 3Q、カウボーイズはホールディングで 10 ヤード下げられての 3rd&11、ちょうどミッドフィールドだったがプレスコットがプレッシャーを受け、一旦左へ逃れてからフィールド左奥のブライアントへロングパス。ブライアントがまさに DB を振り切ったところへどんぴしゃのボールが落ちてきて、そのままタッチダウン。これで 23-18 とカウボーイズが逆転した。
ここから試合が大きく動き始める。4Q に入ってから、スティーラーズはブラウンの好パントリターンで敵陣から得た攻撃を最後はまたベルのタッチダウンで締めて再び逆転。ツーポイントには失敗して 23-24 となる。返しのドライブではカウボーイズが時間を食いながら前進、ツーミニッツウォーニングの直後のプレイでエリオットがディフェンスラインをぶち抜いて独走、またしても逆転のタッチダウンをあげた。
とはいうものの残り 1:55、これはいささか時間を残しすぎたタッチダウンだった。返しのドライブでロスリスバーガーはずばずばとパスを決めて敵陣深くへ。わずか4本のパスで 60 ヤード進むと、時計は残り 40 秒台、ロスリスバーガーはスパイクのジェスチャー。急いでセットするオフェンスライン。だが、見ていてかすかな違和感があった。果たしてロスリスバーガーはボールを地面に叩き付ける仕草をしたあと、すぐに立ち上がって右奥へ浮かせたパス。ここにブラウンが走りこんでいて、CB を振り切ってボールをキャッチ。見事なフェイクスパイクで、スティーラーズが逆転した。そして今日四度目のツーポイントコンヴァージョンに失敗し、29-30 となる。
残り 42 秒、しかしカウボーイズは FG でよく、タイムアウトも3つ残している。果たしてプレスコットは重圧のかかる中、パスを3本通す。そして敵陣 47 ヤード地点、ウィッテンへのパスが通ったところで黄色い旗が飛ぶ。スティーラーズ CB デイヴィスのフェイスマスク。これで一応 FG 圏内だ。32 ヤード地点、残り 15 秒、タイムアウトひとつ。ここでのプレイコールがエリオットのランだった。スティーラーズはブリッツを入れる。エリオットはそれとすれ違うように、ふたたびディフェンスラインをぶち抜いてみせた。タッチダウン
スティーラーズの最後の反撃もさすがに9秒では少なすぎ、カウボーイズが 35-30 で勝ち。これで8連勝になってリーグ全体でもトップに立った。プレスコットとエリオットのルーキーコンビが大暴れしているのは見ていて楽しいし、このチームがどうなっていくのだろうと思わせる。


最終スコア:DAL 35-30 PIT

Seattle Seahawks (6-2-1) @ New England Patriots (7-2)

これがサンデーナイトだったかな? 2シーズン前のスーパーボウルと同じ顔合わせ。四年に一度なので、前回のレギュラーシーズンの対戦時にはまだラッセル・ウィルソンがいなかったことになる。
ペイトリオッツが先攻で、まずはブラウントのランをよく出して最後もブラウントが1ヤードを取り切ってタッチダウンシーホークスも返しに敵陣8ヤードまで攻め込むが、こちらは攻め切れずに FG で 3-7 となる。次のドライブでもシーホークスは敵陣 13 ヤードまで行って FG どまりで 6-7。
シーホークスは返しのペイトリオッツの攻撃をスリーアンドアウトにしとめると、さらに次の攻撃でも敵陣へ。ここはマイケル、プロサイズ両 RB を使ったランプレイ中心の攻撃で、最後はウィルソンがボールドウィンへパスを通してこの日初めてのタッチダウンにたどり着いた。PAT がブロックされたため得点は 12-7 となる。
ペイトリオッツの反撃は 2Q の後半。ブレイディのショート、ミドルへのパスがよく通り、相手の反則も絡めてゴール前に迫ると、また最後の1ヤードはブラウントが取ってタッチダウン。これで 12-14 と再び逆転したが、1:05 にタイムアウト3回というのはウィルソンには充分すぎた。パスを次から次に決めて、タイムアウトもあっさり使い切りながら、最後は残り 18 ヤード、ウィルソンがポケットで時間をすこし稼ぐとするっと左にロールアウトして、右サイドでワイドオープンになっているボールドウィンへパスを決めた。19-14 で折り返し。


ペイトリオッツは後半最初のドライブでタッチダウンをあげる。3rd ダウンが3回ある苦しいドライブだったが、チャンセラーのラフィングザパサー(“ブレイディ・ルール”だった)、そしてブレイディの的確なパスですべてクリアして、最後はブラウントのランを二本続けて 20 ヤード以上を押し込んだ。これで 19-21 とまたペイトリオッツがリードを奪う。
このあとお互い「レッドゾーンに攻め込みながら FG で終わる」というのを一往復半やって、25-24 とシーホークスが1点リードした 4Q、ブレイディからエデルマンにわたったボールをシーホークス CB チャンセラーがもぎとるように奪い取ってファンブルロスト。これをシャーマンがリカバーして、値千金のテイクアウェイとなった。
これで得た攻撃権をウィルソンは冷静に進め、ボールドウィンへのこの日三本目のタッチダウンパスは中央へ山なりのボール。なかなか投げるのが怖いボールのように思うが完璧なデリバリーで、31-24 とリードを広げた。ここはツーポイントに行って失敗しているが、普通に蹴って8点差にして相手に仮にタッチダウンを返されてもツーポイントを強いる方がよかったように思う。
ペイトリオッツは最後の反撃、こちらもさすがブレイディでグロンカウスキーへのロングパスでゴール前1ヤードまで攻め入ったが、ここから QB スニークでノーゲイン、ブラウントに持たせてノーゲイン、もう一度スニークを試みてファンブル、ブレイディが自分でリカバーして1ヤードロス、で 4th ダウン。このあとシーホークスのイリーガルサブスティテューションで1ヤードまで進んで最後のプレイ。左のフェイドルートを走るグロンカウスキーへ山なりのパス……だったがチャンセラーのカバーが絶妙でグロンカウスキーの走り出すのが遅れ、ボールは手の先をわずかに越えていった。31-24 でシーホークスの勝ち。
レギュラーシーズンの対戦とはいえ両チーム気合いが入っていて面白い試合だった。やっぱり強いチーム同士が当たると楽しいねえ。というわりと当たり前の話。この両チームがスーパーに出なければ次の対戦が四年後というのはちょっともったいないなと思った。四年後にはきっとどちらも今とは違うチームになっているだろう。


最終スコア:SEA 31-24 NE

Cincinatti Bengals (3-5-1) @ New York Giants (6-3)

マンデーナイト。
だけど簡単に。ジャイアンツがファーストドライブでやることなすこと上手くいってタッチダウンをあげて先制すると、ベンガルズも返しのドライブでいきなりアイファートがランアフターキャッチも含めて 71 ヤードのロングゲイン、あっさりタッチダウンを返して同点にする。
マニングは 2Q に自陣でインターセプトを喫して大ピンチを迎えるが、ベンガルズが7ヤード地点から一歩も進めず FG どまり。逆に 2Q 最後のドライブでジャイアンツはマニングからベッカムへの 10 ヤードのタッチダウンパスが決まって 10-14 で折り返した。
後半はベンガルズ KR エリクソンが 84 ヤードのビッグリターン。これはジャイアンツのセンサボーがよくあきらめずに追いついたが、結局そこから2プレイでタッチダウンとなりベンガルズが再び逆転して 17-14。さらに FG を追加して 20-14 とリードを広げる。
ジャイアンツが反撃したのは 3Q 終わりから 4Q にかけての攻撃。敵陣からの攻撃でフィールドポジションもよかったが、最後押し込み切れずに残り3ヤードで 4th&Goal。悩ましい状況だったがギャンブルを選択、ここはベッカムをおとりにして浅いゾーンのシェパードへ綺麗にパスを通してタッチダウン。20-21 とぎりぎりで逆転した。
このあとはパント続きでお互い決め手がなく、最後までこの1点を守り切ってジャイアンツが勝った。


最終スコア:CIN 20-21 NYG

Other Games

CLE(0-10) 20-25 BAL(5-4):サーズデイナイトなのに放送してもらえなかったカードだがこれは「残当」以外のコメントはできないか。そして結果もご覧の通り。ブラウンズは 1Q に3つのタッチダウンで 20-0 と先制したが、その後沈黙した。最後も敵陣 30 ヤードから 10 ヤードまで進むパス決めたのにトーンティングでヌリファイってなあ。ちなみにこの日はマカウンが投げた。
KC(7-2) 20-17 CAR(3-6):うおーチーフスつえー。オフェンスのタッチダウンはひとつもなし、唯一のタッチダウンはエリック・ベリーのインターセプトリターン、そして FG 4本。渋い勝ち方だが、これでレイダーズに並んで AFC 西地区のトップに立った。パンサーズは 2Q 途中までで 0-17 とリードしたが逆転負け。噛み合わない試合が続く。プレイオフはそろそろ黄信号か。
HOU(6-3) 24-21 JAX(2-7)テキサンズが逃げ切り勝ち。オズワイラーは 14/27-99yds-2TD-0INT とコメントしがたいスタッツだったものの、ランがよく出たのとディフェンスやスペシャルチームのビッグプレイに助けられた。ジャグァーズは 4Q にタッチダウンとツーポイント決めて3点差まで詰めたけど及ばず。いい試合するときもあるんだが、これで四連敗。あっという間にプレイオフ圏外に転落した。
LA(4-5) 9-6 NYJ(3-7):ぐだぐだチーム対決、試合もパント合計 15 本のぐだぐだぶりで、ラムズが勝ち。今季9点で勝つのは二回目で、なんともいいがたい。ジェッツはフィッツパトリックが左膝を傷めており、練習はしていたもののこの日投げたのは二年目のブライス・ペティだった。この試合唯一のタッチダウンを決めたがそれ以外は得点できず。チームごと迷走している感じがあって流石はおれたちのジェッツである。ともあれプレイオフ戦線からはほぼ脱落と言ってよさそう。
ATL(6-4) 15-24 PHI(5-4):おっと、猛禽対決、ワシが勝ったのか。頑張りましたねえ。ファルコンズオフェンスを 15 点に抑えたのは素晴らしいのひとこと。オフェンスもライアン・マシューズが 19att-109yds-2TD、スモールウッド(知らない……*1)が 13att-70yds とランがよく出て、噛み合った勝利。勢いがなくなり始めてただけに、いいタイミングでのいい勝ち方。ファルコンズには申し訳ないが、NFC 南的には少し足踏みしてくれる方が面白い。
CHI(2-7) 10-36 TB(4-5):ベアーズは先週 Bye で、「やりたかっただろうな」って書いたけど、案の定。間が悪いといいたいところだが、まあこれが今の力なのだろう。後半は完封された。バッカニアーズはウィンストンが 312 ヤード投げて2タッチダウン
GB(4-5) 25-47 TEN(5-5):何が起きているのか、パッカーズタイタンズに敗れるとは。1Q にタイタンズタッチダウンを3つ奪う速攻でゲームの主導権を握り、そこから一度も手放さなかった。マリオタは 19/26-295yds-4TD-0INT と非の打ち所がないスタッツ、ディマーコ・マレーも 17att-123yds、ついでにタッチダウンパスも一本決めててやりたい放題である。パッカーズはロジャーズがインターセプト2本喰らってターンオーバーが計3回、それにしても 47 点は取られすぎでかなりまずい。
MIN(5-4) 20-26 WAS(5-3-1):あがががが、四連敗。五連勝からの四連敗だ。まだ勝ち越しているのに全然そんな感じがしないというか、実際問題としてライオンズに抜かれてしまった。2Q に三連続でタッチダウンを奪ったのはよかったのだが完全にそれだけで、後半に FG を4本決められて再逆転された。ディフェンスは仕事をしてるので、やっぱりオフェンスがなあ。
MIA(5-4) 31-24 SD(4-6):今度こそ死んだか、チャージャーズ。リヴァーズがタッチダウン3本とインターセプト4本を放る完全なひとり相撲でドルフィンズに敗北。最後は 24-24 の同点であと 10 ヤード少々で決勝 FG 蹴れるというところからまさかのインターセプトリターンタッチダウンで逆に決勝点を献上した。あああ。ドルフィンズは謎に三連勝で貯金1。
SF(1-8) 20-23 ARI(4-4-1):はい。フォーティナイナーズ、4Q に 10 点ビハインドを追いつきながら最後は力尽きる。
(更新おわり)

*1:ルーキーでこの試合が3試合目だった(過去2試合でラン3回)。そりゃ知らんわなあ。