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NFL 2012 -- Week 16, part 1

Minnesota Vikings (8-6) @ Houston Texans (12-2)

ヴァイキングズにとってはプレイオフへの生き残りを賭けた大事な大事な一戦、ではあったのだが、どちらかといえばピーターソンのシーズンラン獲得ヤード記録の更新の方が注目されていた。テキサンズもそこは重々承知、というよりもヴァイキングズはピーターソンさえ止めとけばどうにでもなる、とでも言わんばかりにラン中心のディフェンスを敷く。それでもヴァイキングズは基本的にファーストダウンはピーターソンのランをぶつける、というシーズンこれまでの戦い方を頑に守った。
結果的にはこれは当たったと言える。テキサンズフィールドゴールで先制を許したものの、次のドライブではピーターソンのランとプレイアクションパスだけで敵陣に攻め込み、最後も今季何度も見せてきたポンダーのプレイアクションから TE カイル・ルドルフへのパスでタッチダウン。7-3 と早々と逆転する。
テキサンズはこの日はオフェンスに全く冴えがなく、特にフォスターのランがまるで出なくて、ショーブのパス自体は特別悪いわけではなかったが攻撃をまともに組み立てられなかった。ヴァイキングズのディフェンスも気合い充分で、フォーメンラッシュでもショーブにプレッシャーをかけつつ、ランプレイを一試合通して徹底的に止め続けた。結局テキサンズはチーム合計でもラン獲得ヤードが 34 ヤードで、これではまともな試合をするのは難しい。
ヴァイキングズはキッカーウォルシュも好調で、2Q に 56 ヤードのフィールドゴールを叩き込むと、これで 50 ヤード以上のフィールドゴールはシーズン9本目の成功となり NFL 記録更新とのこと。ドラフト6巡の新人だが、いいキッカーが来てくれたものと思う。
4Q の途中ぐらいからテキサンズはどういうわけかもうなんだか諦めムードで、ヴァイキングズはガーハートのランでタッチダウンをもう1本追加し、23-6 で勝利した。いくらなんでも差がつき過ぎで、不思議な結果になった。
ヴァイキングズはこれで 9-6 となり、NFC ワイルドカード圏内を守った。最終戦で勝てばプレイオフ進出となる。テキサンズは 12-3 となり、これでも AFC 勝率1位は変わらないが、最終戦次第では3位まで落ちてしまう可能性がまだ残ることになった。

Cincinnati Bengals (8-6) @ Pittsburgh Steelers (7-7)

レイオフを賭けた同地区対決。守備の強い両チームらしいじりじりした試合になった。特にベンガルズはランが全く出ず、なんと試合を通じてゲインが 14 ヤード。グリーン-エリスが 15 回走ってこれだったので完封と言っていい数字だった。しかしそれ以上にベンガルズはディフェンスが頑張り、唯一のタッチダウンインターセプトリターンであげ、スティーラーズの得点を 10 点にとどめた。
しかし 10-10 での 4Q 後半は面白かった。ベンガルズがまず 56 ヤードのフィールドゴールを試みて失敗。返しのドライブでスティーラーズは 53 ヤードのフィールドゴールに失敗。ベンガルズはいい位置からの攻撃権を得るが、敵陣 48 ヤード地点で 3rd & 1 が更新できず、残り 52 秒でパントを蹴る。このパントが実に渋くも的確な選択だった。スティーラーズ、返しのドライブの3プレイ目でロスリスバーガーインターセプトを献上してしまう。
ベンガルズは残り 14 秒でタイムアウトひとつ、敵陣 46 ヤードからの攻撃を得る。フィールドゴールまではあと 15 ヤードは欲しい状況、ここでベンガルズのコールは A.J.グリーンをアウトに走らせてのパス。ここは A.J.グリーンだろうなーと誰もが思う状況でのパスががっちり決まって敵陣 25 ヤード地点まで前進、しかもサイドラインへ出て時計が止まる。最後は K ブラウンが 43 ヤードのフィールドゴールをがっちり決めて試合を決めた。ベンガルズはこれで2年連続のプレイオフを確定させた。なんと 30 年ぶりということである。今季は 3-5 まで行ってかなり苦しかったが、そこから 6-1 と驚異的な巻き返しを見せた。スティーラーズにも3年ぶりに勝利することができた。今季こそはプレイオフでの勝利が欲しいところだ。
スティーラーズは最後はロスリスバーガーインターセプトで負けたが、2Q にもわずか 24 ヤードのフィールドゴールをスイーシャムが外していて、結果的にはひどく大きなミスになった。これで 7-8 となり、ブラウンズに負けたシーズンはプレイオフに行けないというジンクスが今季も生きた形になった。