黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

さて便器と戦っている時に娘がやってきた。手に木の定規を持っている。おれが向き直るとなんだかまとわりつきながら言う。
「これねえ、ものさちなんだよー」
「ゆきちゃんねえ、おとうちゃんはかりたくなっちゃった」
そして娘はおれの胸のあたりに定規をあてがい、もっともらしい顔で少しの間眺め、やがて宣言した。「に」
そうかー。2かー。
「はい、じゃあこんどはにいちゃんはかっておいで」
そう言って追い払うと、あっさり踵を返してとてとて歩いていった。