黄昏通信社跡地処分推進室

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NFL 2017 -- Week 7

BYE はテキサンズ (3-3) とライオンズ (3-3)。

Kansas City Chiefs (5-2) @ Oakland Raiders (3-4)

サーズデイナイトは AFC 西の同地区対決。チーフスは下馬評通りの好調だが、レイダーズは二連勝から四連敗と調子を崩していて、昨季の輝かしい快進撃とはかけ離れた戦績になっている。しかし試合は一点を争う好ゲームになった。
先攻のチーフスが先手を引く。ルーキー K バトカーの 53 ヤードフィールドゴール。レイダーズもすぐに反撃し、たった4プレイでタッチダウンを返す。リンチからのフリーフリッカーで時間を稼ぎ、左奥に走り込んだアマリ・クーパーへロングパス。絡んだ DB が転んだのでフラッグが出るかと思ったが、ノーファールでタッチダウンとなった。
チーフスも返しのドライブでカリーム・ハントが 34 ヤードのロングゲインを見せると、ケルシーへのタッチダウンパスで再逆転。その次のドライブではカーからクーパーへのパスがディフェンスのシームにはまり、ランアフターキャッチで 45 ヤードのタッチダウン。これで 10-14 となった。
前半このあとはチーフスの時間帯になる。おたがいパントを1回ずつ蹴った後の自陣1ヤード地点からの攻撃を、アレックス・スミスはたった3プレイでタッチダウンにしてしまう。ロビンソンへの 33 ヤードのパスで窮地を脱すると、タイリーク・ヒルへのロングパスをぴったりのデリバリーで決めて 64 ヤードのタッチダウンパス。17-14 とまたまた逆転すると、二度の FG アテンプトをブロック、左へ外す、と得点に結びつけられなかったレイダーズを尻目にもう一本 FG を追加し、20-14 で折り返した。


後半最初の攻撃でレイダーズはさらに逆転する。カーからクーパーへのロングパスがパスインターフィアランスを誘い敵陣4ヤードまで進むと、ワシントンが三人のタックルを次々に外してタッチダウン。ここはチーフスディフェンスのタックルも甘かったが、ワシントンの気合がまさった。その返しの攻撃、チーフスも三度目の逆転を果たす。奥に走ったウィルソンへのロングパス、レイダーズ DB の両手に当たったのだが取れず、跳ね上がったボールがそのままウィルソンの手に収まってしまう。あとはウィルソンがそのまま走って 63 ヤードのタッチダウンパスとなった。6回目のリードチェンジで 27-21。
このあと両チーム FG を一本ずつ決めて 30-24 となり、残り 5:48、自陣8ヤードからの攻撃でレイダーズはスリーアンドアウトとなる。残り 4:15 をチーフスは使いきれれば勝ちだったが、ハントのラン2回で6ヤードゲインしてからの 3rd&4、アレックス・スミスがサックを受けてスリーアンドアウトになってしまう。2:25 を残して自陣 15 ヤードからレイダーズが最後の攻撃権を得た。
この苦しい状況でカーが底力を見せる。2nd&20 からアマリ・クーパーへ 39 ヤードのパスをずどんと決めると、次の 4th&11 では中央のクックへぎりぎりの 1st ダウンパスを通す。そして敵陣 29 ヤード地点の 3rd&10、左隅に走ったクックへ浮かせたパスを投じた。クックはこれを空中でしっかりキャッチ、地面に落ちながらエンドゾーンへ滑るように入り、審判の両手が上がった。タッチダウン。いや待て、滑るように? そう、滑っているならその手前でダウン・バイ・コンタクトだ。オフィシャルレヴューで判定は覆り、インバウンズだったので残り時間が 10 秒ランオフされる——だがまだ8秒残っている! 半ヤード地点からの 1st ダウン。
右サイドのクラブトゥリーへ短いパス。ばっちり両手に収まるが、クラブトゥリー本人のパスインターフィアランスで 10 ヤード下がってやり直し。残り3秒。
中央のクックへパス。決まらないが、ディフェンスのホールディングで5ヤード進んでやり直し。残りは0秒。
中央奥のパターソンへパス。アウトオブバウンズになるが、もう一回ディフェンスのホールディングで2ヤード半進んでやり直し。残り0秒。
左サイドに走りながら、左フラットに走るクラブトゥリーの足元へパス。クラブトゥリーは DB の奥へ行くと見せて、ぱっと振り向いて両膝を落としながらボールを取りにいく。ボールが両手に収まり、両膝がエンドゾーン内について、それからクラブトゥリーの身体が崩れるようにパイロンの方に倒れこんだ。タッチダウン
最後は PAT をタヴェッキオが決めて、レイダーズの劇的な逆転勝ちとなった。正直できすぎかなという内容だが、ここで負けていたらかなりシーズンの終わりに近かった。カーが戻ってきて二週目、29/52-417yds-3TD-0INT、まあ結構なスタッツだし、ディフェンスはロングパスにやられたけどどうしようもないというほどではない。光明が見えた試合と言っていいだろう。
チーフスはまだ 5-2 なのでまったく慌てる状況ではないが、いやな負け方ではあった。しかしまあ、こんなこともある、ぐらいに思っておいた方がいいのかもしれない。


最終スコア:KC 30-31 OAK

Arizona Cardinals (3-4) @ Los Angels Rams (5-2)

今季三試合目のロンドンゲーム。こちらはトゥイッケナム・スタジアムで行われた(前二試合はウェンブリー)。
先攻のカーディナルズはぽんぽんとパスをつないで最初のドライブからレッドゾーンに入るが、14 ヤード地点で止まる。もちろん FG を狙うがこれをドーソンが左に外し、手ぶらで帰ることになった。そしてこれがカーディナルズが一番得点に近づいた場面だった。
それでも 2Q 途中まではカーディナルズもよく守り、ラムズを FG 二本に抑えていたが、前半残り 5:48、パーマーがプレッシャーを受けながら無理に投げてインターセプトを喫してしまう。おまけにそのままタックルを受けて地面に倒れ、その時に左ひじを地面についてしまい骨折。結果的には IR に入るほどの大怪我で、この試合どころかシーズンもほぼ絶望になってしまった。これで得た攻撃権をラムズはトッド・ガーリーのラン1プレイでタッチダウンにして、0-13 とリードを広げる。さらにツーミニッツオフェンスでゴフは 88 ヤードのドライブを完遂し、最後は自分で走ってタッチダウン。しかもこの後パーマーに代わって投げたドリュー・スタントンがいきなりインターセプトを喰らってもう一本 FG を追加されてしまい、0-23 で折り返した。


スタントンでこの劣勢をひっくり返せるようなら苦労はしない。後半もカーディナルズは得点にたどり着けず、ラムズはゴフがインターセプトを喰らいはしたものの 4Q には 10 分費うドライブなんぞをやってのけたりして着実に勝利をたぐり寄せた。
カーディナルズにとってはエースを失って完封負けという悲惨そのものの試合で、ロンドンくんだりまで来てこの仕打ちかというところではあろうけど、まあロンドンのファンにとっても似たようなものではあったかもしれない。ラムズはこれで 5-2 となって、本当にひさしぶりのプレイオフがちらついてきた。さて、ここまでと同じように試合ができるか。


最終スコア:ARI 0-33 LAR

Atlanta Falcons (3-3) @ New England Patriots (5-2)

サンデーナイトフットボールは昨季のスーパーボウルのリマッチ。これ単純に翌年に組まれるのは四分の一の確率なんだが、案外しばしばやってるイメージもある。
そのスーパーボウルは歴史に残る大逆転だったが、この試合は一方的な展開になった。最初に得点機をつかんだのこそファルコンズだったものの、37 ヤードの FG がブロックされて無得点に終わってしまう。返しのドライブ、ペイトリオッツは珍しくブレイディがディフェンスストライクみたいなインターセプトを放ってしまったのだが、クレイボーンのラフィングザパサーで逆にオートマチック 1st ダウン。結局そのままタッチダウンまで持って行かれて、これで完全にモメンタムがペイトリオッツに行った。ファルコンズはこのあとも残り 2:00 敵陣 47 ヤードの 4th&6 というおよそ賭けるような状況でない場面でギャンブルを試みてふつうにパス失敗、ペイトリオッツはその2分できっちりタッチダウンに辿り着いて 0-17 で折り返した。


後半最初のドライブでもファルコンズは FG 失敗と、悪い流れを引きずってしまう。0-20 となってからのファルコンズの攻撃、残り1ヤードまで攻め入るが 4th&1 でのコールがガブリエルのジェットスウィープ。ノーバックでのジェットは LB は普通に喰いついても裏目がなく、そのままサイドラインまで走らされて5ヤードのロスで終了。よーーやっと初得点をあげたのは残り 4:09 のライアンからフリオ・ジョーンズへのショートパスだったが、まあ全く時既に遅し。残り4分をペイトリオッツは1回のドライブで簡単に食いつぶしてゲームを締めた。
ファルコンズは惨敗だったのだけど、チーム状態はそこまでひどくもないかなという感じがした。変なギャンブルしたりとか、FG ブロックされたり外したりとか流れを手放す要素がいろいろあって結果的に大敗になったけど、手も足も出ないというのからはほど遠かった。スーパーボウルのリマッチとしてはしょっぱかったけどまあそれはそういうもんでしょう。
ペイトリオッツはこの試合が今季最少失点になるのかな。とにかくディフェンスのスタッツがめちゃめちゃだったので多少はよくなった、かもしれない。


最終スコア:ATL 7-23 NE

Washington Redskins (3-3) @ Philadelphia Eagles (6-1)

マンデーナイトは NFC 東の同地区対決。すでに Week 1 で対戦していて、その時はロードのイーグルズが勝っている。地区内順位を考えるとただでさえ星で劣っているレッドスキンズは絶対負けたくないところ。
そのレッドスキンズが先攻で、最初のドライブでいきなり敵陣9ヤードまで攻め入る。これは FG 止まりだったがなかなかいいドライブだった。一方イーグルズの最初のドライブは悲惨のひとことで、開始から4プレイ連続で反則を犯してハーフディスタンスのハーフディスタンスのハーフディスタンス(25→15→9→5→2)みたいになる。自陣4ヤード地点での 2nd&31、ウェンツは左へ逃げてから力一杯ロングパスを投げる。これは敵陣 48 ヤード地点でインターセプトされるが、普通に続けて 1st ダウンがとれたとも思えず、パントを蹴ったみたいなものと考えれば悪くない選択だった。
イーグルズが FG を決めて 3-3 になってからの 2Q、レッドスキンズが先にタッチダウンを奪う。カズンズからトンプソンへの7ヤードのタッチダウンパス。しかしイーグルズもすかさず反撃し、ウェンツが自陣から 64 ヤードのロングパスをホリンズにヒットする。これがタッチダウンになって同点に追いつくと、さらに次の攻撃ではザック・アーツへの 46 ヤードのパスを決めて一気にエンドゾーンへ。最後もアーツへのタッチダウンパスで、ロングパス攻勢で 10-17 と逆転して折り返した。


後半最初の攻撃でもイーグルズはタッチダウンにたどり着く。クレメントへの7ヤードのパスで、これで3本目のタッチダウンパス。レッドスキンズもやられっぱなしではなく、カズンズが TE ジョーダン・リードへのタッチダウンパスを決めて再び 17-24 と1ポゼッション差に詰める。
しかしイーグルズはまだ止まらない。ウェンツが 3rd&8 を自ら走って更新しドライブをつなげると、敵陣に入ってからは3本続けて 10 ヤード以上のパスを決め、最後はアゴラーがレシーヴィングタッチダウン。4本目のタッチダウンパスとなる。その返しのドライブ、レッドスキンズは5プレイで 14 ヤードしか進めない苦しいドライブで、カズンズがインターセプトを喫してしまう。リターンで 14 ヤード進んだイーグルズは労せずして FG 圏内からの攻撃権を得て、2分強費やして3点を追加した。ここで3ポゼッション差になったので実質的には勝負あった。
このあとはレッドスキンズタッチダウンを一本返したが逆転には時間が足らず、そのまま試合終了。少しディフェンスがやられすぎたか。カズンズは 30/40-303yds-3TD-1INT とかなりのスタッツだったが、唯一のインターセプトは致命傷になった。
イーグルズは攻守のバランスがよく快勝。これで 6-1 とリーグ首位に立った。まさか、とまでは言わないが予想外の快進撃とは言えるだろう。ウェンツは 17/25-268yds-4TD-1INT とこちらも素晴らしいスタッツだった。


最終スコア:WAS 24-34 PHI

Other Games

TB(2-4) 27-30 BUF(4-2):ビルズが 4Q に 27-20 から 10 点取って逆転勝ち。こういう試合できるようになってきたのはいいところ。タイロッド・テイラーもなんだかんだうまく仕事している。
CAR(4-3) 3-17 CHI(3-4):すごい試合。オフェンスのタッチダウンは0で、ベアーズは両方ともリターンタッチダウン、それも同じプレイヤー(FS エディー・ジャクソン)、75 ヤードと 76 ヤード。それ以外にもパンサーズは敵陣 25 ヤード地点でギャンブル失敗が一回。ありえないぐらい上手くいっていない。おかげでトラビスキーは一試合通算でわずか7回しかパスを投じなかった。完全にパンサーズの自滅。
TEN(4-3) 12[OT]9 CLE(0-7):がまんがまんのキッキングゲーム、オーヴァータイムの末キックで決着。ブラウンズはカイザーが先発するもインターセプト2本食らって引っ込められて、出てきたケスラーも 1INT。つらいねえ。
NO(4-2) 26-17 GB(4-3):セインツが逆転勝ち。ブリーズがインターセプト2本食らってるのは気になるけど勝ちは勝ち。パッカーズはハンドリーが投げたが、やはりロジャーズのようにはいかない。
JAX(4-3) 27-0 IND(2-5):ジャグァーズが完封勝ち。ディフェンス陣がブリセットに実に 10 サックを浴びせて攻撃をさせなかった。ボートルズが 18/26-330yds とすごいスタッツで圧勝。
NYJ(3-4) 28-31 MIA(4-2)ドルフィンズが 14 点のビハインドを 4Q だけでひっくり返して勝ち。それもカトラーが肋骨の骨折で退いてからだから価値があるというかなんというか。ジェッツは完璧だった試合を 4Q だけで落としてしまった。かなり勿体無い負け。
BAL(3-4) 16-24 MIN(5-2):このところ観ていないがヴァイキングズは順調に勝ちを重ねているようだ。この試合もキーナムが投げたが、タッチダウンは1回で FG が6本。カイ・フォーバスが 6/6 で大いに勝利に貢献した。レイヴンズもゴールが遠く、こちらもタッチダウンは1本だけ。おたがい苦労しますなあ。
DAL(3-3) 40-10 SF(0-7)カウボーイズが連敗を止める。フォーティナイナーズは力尽きてしまったか、タッチダウン6本を許す大敗。
CIN(2-4) 14-29 PIT(5-2)スティーラーズが同地区のライバルに完勝。前半は 14-20 だったが後半完封した。久々にディフェンスがよく、安定している。ベンガルズはドルトンが 2INT と乱調で、BYE 明けを活かせなかった。
DEN(3-3) 0-21 LAC(3-4)チャージャーズがまさかの完封勝ち。失点少ない印象はあるけどここまでとは。タッチダウン3つのうちひとつはパントリターンなのでオフェンスは物足りないが、勝つことが大事だ。これで4連敗3連勝の 3-4 となった。
SEA(4-2) 24-7 NYG(1-6)シーホークスの快勝。ジャイアンツは 2Q にタッチダウンで先制してそれっきりだった。トータルネットヤードが 177 では勝負にならぬ。シーホークスは前半もたついたが終わってみればウィルソンが 330 ヤード投げて快勝。まあ強い。
(更新おわり!!)