黄昏通信社跡地処分推進室

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なにができるのだろう?

こんな増田があった。書いた人はどうやら医療従事者らしいのだが、その中で気になる一節があった。


金と休暇以外に欲しいものはなかったけど、それは絶対にくれなかったし。

底辺医療者の5類に移行するから吐いておこうっていう場所

いろいろ辛かったことが書かれているけど、突き詰めるとここなのかな、と思った*1

自分の感覚では、コロナ対策全体としては金はかなり注ぎ込まれていた。多分だが、最初期はともかく、それ以降は金銭的な制約でなにかが滞ったことはこの国ではほとんどなかったはずだ。逆に例えば二年目以降ぐらいのPCR検査/抗原検査なんかはどう考えてもじゃぶじゃぶになっていた。目ざとい居酒屋とかが窓口だけやって補助金をかすめ取っていた。この人が勤めている医療機関にも、ほぼ確実にそれなりの額の補助金が降り注いでいる。しかしそれがこの人には届いていなかったというのはほんとうにやり切れないことで、それは本当にあってほしくないことだ。
医療機関に配るのとは別に、医療従事者にも直接お金が届くようになっていれば少しはよかったのだろうか。たとえば年末調整でお金戻すことってできたんじゃないかなと思う。それだと対象の医療機関を決めて(これは補助金を配る対象を決めていたわけだからそれと同じでよい)、その機関における年末調整だけ還付額を増やせばよい。天引きした税額より多い手当は出せないのが難点だが、社会保険料まで広げられれば相当な金額までいける。まあ社会保険料は年末調整無いんだけど。

でも一番深刻なのって休暇だったと思うんだよね。ずーっと感染リスクに晒されながら長時間勤務を続けて、それがいつ終わるかわからなくて、ろくに休みも取れないのはつらすぎる。そしてこれはどうすればいいかおれにはわからない。感染拡大の“波”が来ているときに医療従事者が休暇を取ると、たぶん普通に死人が増えるという帰結になる。諸外国のほとんどは日本より死亡率が高かったけど、こういうところってどうなっていたんだろう? 受け容れきれない患者は断りながら、どうにか休みはとっていたんだろうか。それとも日本と同じように、ろくに休みも取れずに疲弊していたんだろうか。

covid-19が収束することはないという前提で社会を回していきましょうという、いわゆる「ウィズコロナ」、そうすべきだと思うけれど、この点のソリューションが自分には見えていないので、ためらわれる。どうすればいいんだろう。そしてもし本当に医療従事者が休暇を取れたとしても、その人たちが休んでいるときに感染拡大の波が来たとして、その人たちは後ろ指を指されないで済むだろうか?という問いに対してはちょっともう絶望的かなと思ってしまうのだよな。

まとまらないけど、とりあえずここまで。

*1:こう書くと他の辛かったことを否定しているようにも、要するに金が欲しいんだろと言ってるようにも読めてしまうかもしれないが、そうではなくて、そうでもある。どうしても負担が特定の人に偏ることは避けがたくて、その負担そのものについては究極的にはなにもしてあげられないんだけど、それであればその辛い負担に見合うお金を払って、時々はゆっくり休んでもらう、みたいなことはあるべきだと思う。