黄昏通信社跡地処分推進室

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名前を残した馬たちへ2005 (2)

(1) は昨日→名前を残した馬たちへ2005 (1)
あと、すみません、いきなり誤りがありました。アントレプレナーの生産国を「IRE」と書いてしまったのですが、「GB」が正しいです。訂正します。

オンワードファラオ(父 Caerleon,1988) 用途変更
どこのサンデーサイレンスだ、と思ったら Caerleon だった。ふうむ。中央で13戦1勝、道営に転じて4戦1勝。牝系もいまいち調べがつかないしどうしたものか。産駒も残念ながら殆ど走っていないが、それでも10シーズン供用された計算になる。よほど思い入れがあったのだろうか。
カヌマオペラオー(父グランドオペラ,1997) 用途変更
青森産にして栃木の雄。名前も鹿沼。どうにも田舎っぽいイメージがあるが、ベラミロードを負かしたこともある。2000m でだけどな。地元では抜けた能力だったが、2回の中央遠征およびダイオライト記念ではいずれも惨敗。北関東の王者の座に甘んじずに積極的に遠征したのはほむべきか。生まれ故郷で種牡馬になったが、わずか2シーズンで引退。産駒は居るのか。
カリブカフェUSA(父 Gulch,1995) 用途変更
中央で40戦5勝(オープンまで行けず)、母のいとこにルグロリュー。はっきり微妙だがそれでも種牡馬になったのはオーナーの思い入れゆえか。「カフェ」の冠号も、この馬が走ったから使われるようになったのだとか。わずか2年の供用で20頭の産駒を残した。米父×欧母の血統で、配合次第では面白いかも知れない。←とってつけたようなコメント
クリエイターGB(父 Mill Reef,1986) 輸出(アメリカ合州国
ケンタッキーダービーファーディナンドは異国の地で非業の死を遂げたが、何も残せなかったわけではなかった。8世代の産駒、そしてとても大きな教訓。(参照→ダービー馬ファーディナンドの死 最後は屠殺場か?:JAIR -- 2003-07-29)実際に昨年はこの馬とサンシャインフォーエヴァー(後述)が輸出され、余生を送ることになった。
微妙に底力の足りない中距離血統で、G3に届くか届かないかの産駒を何頭か出した。平坦も得意であんまりミルリーフっぽくないんだけど、何故か結構好きだった種牡馬アロハドリーム函館記念を取れなかったのは痛恨だったなあ。グロリーシャルマンから行ってたんだけど、ってクリエイター好きだったんじゃないのかおれ。今はマコッチャンが9歳ながら頑張ってます。
グルメフロンティア(父トウショウペガサス,1992) 用途変更
ぐう、引退か。日本が世界に誇れるのはバイアリーターク系ぐらいだと思うんだがなあ。netkeiba のデータベースもダンディルートの母親が空欄とかまじあり得ないことになってるし、この系統が日本で滅ぶ日も遠くないかも知れん。関係ないか……。じっくり使われて力をつけて、満を持して挑んだGIフェブラリーステークスで見事に勝利。その後あまり数を使えなかったのが残念だった。産駒には中央で勝ち星をあげたグルメスペシャル。供用は5シーズン。これからだったのに。
ケイアイメガウルフ(父サンデーサイレンス,1997) 用途変更
未勝利馬。祖母の産駒にニニスキが居たりする。初年度たった一頭の産駒ケイアイアルナージはキングオブダイヤの半弟で、現在2歳だが早くもデビューを果たしている。父があげられなかった勝ち星を、息子があげることができるだろうか。
ゴッドスピード(父ポリッシュネイビー,1994) 用途変更
2歳でデビュー、人気薄で2歳重賞をふたつ勝つという珍しい経歴の持ち主。3歳時は鳴かず飛ばずで、4歳から障害に転じると5連勝を含めて勝ちまくる。1999 年の暮れには中山大障害でゴーカイの前に立ちはだかった。これを皮切りにゴーカイは大障害で3年連続2着に甘んじ、とうとう勝てずに終わるのだが、それは別の話。この馬はその後岩手に転出して引退したようだが、詳細は不明。宮城で供用され、種付けはしていたようなのだが、残念ながら産駒は居ない模様。こういう馬の産駒がちょろっと居たりするのも面白いかな、と思うんだけど。そのまま宮城で繋養されているみたいです。
サンシャインフォーエヴァーUSA(父 Roberto,1985) 輸出(アメリカ合州国
クリエイターの項で述べた通り、余生を送るためにアメリカへ。ブライアンズタイムと血統構成がほぼ同じで、競走成績ならこの馬の方が上なのだが、ブライアンズタイムの方が底力に優れるいい種牡馬だった。輸入されてからはメイクマイデイが目立つ程度で、輸入前に走ったケイズドリームが未だに日本では一番稼いだ産駒であるようだ。なんというか影の薄い種牡馬だった。どうやら余生が約束されているようなのはいいことだ。
サンシャックGB(父 Rainbow Quest,1991) 輸出(フランス)
ジャパンカップなにしに来たんだかわかんないブラザーズの弟の方。この馬が来てたジャパンカップの時に、遠征馬を一頭一頭取り上げる形の予想を書いていて、この馬だけすっかり忘れてて全部書き上げてしまい最後に気付いてあわててオチにしたのをなんとなく憶えている。というか、それを書いてた時点ではこの馬の回避は決まっていたという。この馬が種牡馬として輸入されて居ると知った時には本当に驚いた。全兄レイントラップはジャパンカップで13着だし、血統的にも日本に向いてると思える要素はあんまりないように思うんですがね(←山野浩一風)。実際産駒はさっぱり走っていない。向こうから引き合いがあったのは本当に幸いだった。種牡馬かどうか知らないが。
ジェイドロバリーUSA(父 Mr.Prospector,1987) 死亡
いい種牡馬だった。色々な意味で日本のミスプロ系の代表的な種牡馬だったと思う。GIなかなか勝てないところとかも含めて。後継種牡馬に恵まれてない印象はあるんだけど、タイプ的にそんなに父系が残せそうにも思えない。短い期間だけ影響を及ぼす血統というのもあるんじゃないかと。全く感覚的ですが。あと、死ぬには少し早くて、それは残念。
シルヴァーエンディングUSA(父 Silver Hawk,1987) 用途変更
ここまでか。ずっと気になってる種牡馬だったんだけどな。岡田繁幸氏が導入して、初年度産駒からマイネルプラチナムとワンダーガールを送り出して度肝を抜いた。確か腰が悪いか何かで種付け数を制限せざるを得なくて、あまり産駒を出せなかった。もともと打率のよさそうなタイプではないだけにこれは辛い条件だった。供用は9シーズン。マイネルプラチナム種牡馬入りして夢を継いでいる。どうでもいいけど、シルバーエンディングっていい名前だよね。
ゼンノメイジンUSA(父 Woodman,1994) 用途変更
昨年産駒のゼンノエキスプレスが2勝をあげて(三日坊主 (26) 参照)話題になった。この馬自身は中央競馬で4戦0勝。与えられたチャンスは最大限活かした、とは言えるだろう。Storm Bird の近親にあたる。
タバスコキャットUSA(父 Storm Cat,1991) 死亡
プリークネスステークスベルモントステークスの二冠馬。ストームキャットの仔でもあるし、この馬が日本に来ると聞いた時も随分驚いた憶えがある(サンシャックとは逆の意味で)。まあ、おれだったら導入したくない、という点についてはサンシャックと同じなんだけど。だって、ストームバード系ってそもそもどうよ。日本にもあまり合ってないように思えるし、それでいてストームキャット産駒ってやたら高いし。って、導入したの JBBA なのか……微妙。産駒は今のところあまり走っていない。昨年3月に急性心不全で死亡。亡骸を帰すのは難しかろうから、せめて手厚く葬られているといいと思う。

明日に続く。