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NFL 2012 -- Week 10, part 1

今週は3試合しか見られていない……が、考えてみるとそれは普通だ。今までがおかしかった。

Atlanta Falcons (8-0) @ New Orleans Saints (3-5)

同地区のライバル対決。とはいえこの試合の前の時点で5ゲーム差、セインツは地区3位という状況で、常識的に考えればさすがにセインツには厳しそう。
案の定試合はファルコンズが先制し、10-0 とリードするが、セインツは前週から出始めたランが活きる。アイボリーの 56 ヤードタッチダウンランで反撃を開始すると、もう一本タッチダウンをとって逆転。前半はさらにファルコンズとセインツが1本ずつタッチダウンをとって 17-21 と点の取り合いになって折り返し。
後半は逃げるセインツを追いかけるファルコンズという展開で見応えがあったが、前半ついた4点という微妙な点差がだんだんファルコンズに重くのしかかり、レッドゾーンまで進みながらタッチダウンを奪えない、そして最後はフィールドゴールを選択できない状況になってギャンブルにも失敗して万策尽きた。27-31 でセインツの勝ち。
ファルコンズにしてみれば8回勝って1回負けたに過ぎず、地区2位のバッカニアーズともまだ3ゲーム差、あわてることはひとつもない状況だが、セインツにとっては実に大きい1勝だった。前週からランが出始めて正しい方向に向かいかけているように思われたオフェンスが確かに前進していることがはっきりして、ディフェンスも要所を押さえて勝利に貢献した。ファルコンズを抜くのは難しくても、ここから 5-2(あるいは 6-1!)というのもまるっきり妄想とは言えないチーム状態だろう。あと7戦が実に楽しみだ。

Kansas City Chiefs (1-7) @ Pittsburgh Steelers (5-3)

マンデーナイト。5連敗中のチーフスと3連勝中のスティーラーズという対照的な両チームの対戦となった。
しかし先制したのはチーフス。唯一の信頼できる武器ジャマール・チャールズのランにキャセルからモエアーキへの意外なパスを絡めてあっという間に前進、最後もチャールズが中央を切り裂いてタッチダウン。1-7 のチームとは思えない創造性溢れるドライブで、チーフスが今季初のリードを奪う。さらにスティーラーズの攻撃をあっさり止めて、1Q の終わりには相手のファンブルを誘って敵陣深くでのテイクアウェイ。これはフィールドゴールに終わってしまうが、10-0 とリードする。
そのリードをカンザスシティ・チーフスは守れない。前半のうちにフィールドゴールと、ロスリスバーガーからウォレスへの素晴らしいタッチダウンパスを決められて同点となる。
結果的に痛かったのは 3Q 頭のチーフスのドライブで、残り 22 ヤードからキャセルがボウへショートパスを通し、ランアフターキャッチでタッチダウン!……かに見えたシーンがホールディングでやり直し、結局3ヤード足りずにフィールドゴールになり、それも 33 ヤードのアテンプトを失敗してしまう。ここで1点も取れなかったのが最後に大きく響いてくる。試合はこの後お互い決め手を欠き、フィールドゴールを1本ずつあげるにとどまってオーヴァータイムに入ったからだ。
最後はオーヴァータイム先攻のチーフスが2プレイ目に自陣深くでインターセプトを喫して万事休す。13(OT)16 でスティーラーズの勝ち。チーフスはマンデーナイトで凄く気合入ってて超頑張って先制して、ディフェンスもロスリスバーガーを結果的には交代に追い込んで、最後も追いついてオーヴァータイムに進んだのに、それでも勝てないんだからこりゃどうやっても勝てないよという感じだった。3点差だったけど、深い絶望を感じる敗戦だった。

  • チーフスはこの試合の開始時点で開幕からここまで8試合でリードした時間がまったくない*1という驚異的な記録を更新中で、1929 年以来の記録だとか紹介されていた。これで世界恐慌とか起きちゃったらどうしようというレベルである。それにしても誰得度合いの極めて高い記録。
  • 上でも書いたけど、ロスリスバーガーがサックを受けて途中退場。肩の脱臼と、肋骨を傷めたとのこと。

*1:唯一の勝利はオーヴァータイムで、それも常にリードされていたのを追いついてサドンデスで勝ったため、リードした時間にはカウントされていない。