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NFL 2015 -- Wildcard Playoff

力尽きたー。

Kansas City Chiefs (11-5 / #5; West) @ Houston Texans (9-7 / #4; South)

チーフスが完封勝ち。まあ堅実な攻めと堅い守り、シーズン中の勝ちパターンではあったのだけど、それよりテキサンズがターンオーバー5つで完全に自滅した。というかファンブルロストひとつ含めて全部ホイヤーだったわけだが。
チーフスはオープニングでナイル・デイヴィスの 106 ヤードキックオフリターンタッチダウンで先制すると、2Q にもフィールドゴールを二本追加して差を広げる。そこまでですでにインターセプト一本ファンブルロスト一回だったホイヤーだが、ブルーの素晴らしい 49 ヤードランにも助けられて一気にゴール前に迫る。だがここでワットを RB に入れるスペシャルプレイでタッチダウンが取れず、パスに切り替えた 2nd&3、中央にディレイで出たブルーにホイヤーが投じたパスがこの日二度目のインターセプト。それでもディフェンスはチーフスの攻撃をスリーアンドアウトに抑えたのに、返しのドライブでホイヤーが投じたロングパスは全く的外れのところに飛んで行って三本目のインターセプト。結局一点も返せず前半を折り返し、この時点で反撃ムードがかなりしぼんでしまった。
後半もホイヤーは結局ドライブを一本も完成させることができず、15/34-136yds-0TD-4INT と悲惨としか言いようがないスタッツに終わった。一方スミスは 17/22-190yds-1TD-1INT と実にスミスらしい堅実な数字で、流石と言ったところだ。2011 シーズン、まだフォーティナイナーズに居た頃もプレイオフで勝負強いクオーターバッキングを見せている。次は王者ペイトリオッツと対戦するが、どこまでやれるか。


最終スコア:KC 30-0 HOU

Pittsburgh Steelers (10-6 / #6; North) @ Cincinatti Bengals (12-4 / #3; North)

シンシナティ・ベンガルズにとっては九月までうなされる悪夢になってしまった。
おたがいディフェンスの堅いチームで、前半はパントの蹴りあいの様相を見せてスティーラーズフィールドゴール二本のみの 6-0。後半に入ってスティーラーズはもう一本 FG を追加した後、ロスリスバーガーからブラウンへの 60 ヤードのパスが決まって 15-0 とリードを広げる。
流れが変わったのが 3Q 終わり近くのベンガルズのドライブ。敵陣 23 ヤードでマキャロンからの短いパスを受けたバーナードがシェイジアーに激しいヒットを受けて、ボールを奪われてしまう。当初はダウンの判定だったが、ビデオを見た感じではディフェンスレスレシーバーへのヒットでシェイジアーに反則(アンネセサリイラフネス)がコールされるかなという印象。ところが判定はコールリバースでファンブルとなった。
これでベンガルズに火がついた。返しのドライブでロスリスバーガーをサックして計 20 ヤードロスのスリーアンドアウトに仕留めると、敵陣からの攻撃をグリーンへのロングパス(パスインターフィアランス)とヒルのランであっさりタッチダウンに結びつける。続くスティーラーズの攻撃もパントを蹴らせ、返しのドライブでフィールドゴールまで持っていって 15-10。さらにスティーラーズの攻撃をスリーアンドアウトに切って取ると、パントはあまり飛ばずアダム・ジョーンズがこれをよく返して再び敵陣からの攻撃を得る。マキャロンは途中一回ギャンブルに成功してドライブを続け、最後は 25 ヤード地点での 3rd&7 から左エンドゾーン手前の A.J.グリーンにロングパスをヒット、タッチダウン。16 点連続で得点を重ねてとうとう逆転に成功した。ツーポイントコンヴァージョンは失敗して、15-16 で残り 1:50 となってスティーラーズのドライブへ。
しかしロスリスバーガーは自陣 14 ヤードからのそのドライブの最初のプレイでウィートンに投じたパスをバーフィクトにインターセプトされてしまう。喜びを爆発させるベンガルズの面々。スティーラーズタイムアウトこそ三回とも残していたが、それでも悪くともそれを全部使わせた上に4点差をつけられる。ファーストダウンを一回でも更新すればほぼ勝ちだ。
ああそれなのに。返しのドライブの最初のプレイで、ボールをハンドオフされたヒルが強引に何ヤードか稼ごうとしてボールをかき出されてしまう。なによりもボールセキュリティが大事だって、わかっていないはずはないのに。そしてボールはスティーラーズにリカバーされてしまう。
それでも自陣 11 ヤード地点からの攻撃で、スティーラーズはまだ 50 ヤード以上進まなければフィールドゴール圏に入れない。それを勝ち筋と呼ぶにはかなり細いのだ。しかし、ロスリスバーガーに少しずつ少しずつ進まれる。その進撃がベンガルズ陣に入ろうかとしたとき、ことが起きる。ロスリスバーガーは右から左へのアクロスでボールを受けようとしたブラウンに合わせられずパスインコンプリート。ところが、そのブラウンにバーフィクトがハードヒットを浴びせる。明らかに遅いタイミングだった。黄色い旗が飛び、アンネセサリイラフネスがコールされる。
それでも、それでもまだ、そこから蹴れば 50 ヤードあったのだ。これ以上ないほどのプレッシャーがかかる状況で、簡単な距離とは言えない。しかし次のプレイが始まる前に、アダム・ジョーンズが相手コーチになにか叫び、それに黄色の旗が出された。アンスポーツマンライクコンダクト。何を抗議しても弁解しても覆りはしない。スティーラーズ K ボズウェルが、35 ヤードのフィールドゴールを難なく決めた。

  • それにしても、最後の二分間、アンディ・ドルトンはサイドラインで何を思っていただろうか。来週になれば曲がりなりにもボールは投げられるであろう回復具合、そうでなくてもチームの一員として、勝って欲しいとは当然思っていただろうが、他方自分のプレイオフ四年連続初戦敗退という記録をバックアップのマキャロンにあっさり止められるかも知れない、その状況を面白くないと感じる部分がないようなら NFLクオーターバックとしては不適としか言いようがない。いつかこの二分のことを語って欲しいと思う。



最終スコア:PIT 18-16 CIN

Seattle Seahawks (10-6 / #6; West) @ Minnesota Vikings (11-5 / #3; North)

試合前の気温は華氏 -6 度。華氏でマイナスに行くのはいかにミネアポリスでも並ではない。摂氏に換算すれば約 -22 度。実際、キックオフ時の気温では NFL 史上三番目に低い記録となったそうだ。
ヴァイキングズはとにかく序盤から無理をせず、ファーストダウンではピーターソンのランをコールし、あとの2プレイで次のファーストダウンを取りに行くというスタイルで攻撃を続ける。これでは敵陣には行けても中々タッチダウンまでは辿り着けない。前半はフィールドゴール二本にとどまる。一方でディフェンスは常にウィルソンにプレッシャーをかけ、レシーバーをしっかりカバーし、まともなドライブを作らせない。0-6 で折り返した。
ヴァイキングズは 3Q にもフィールドゴールを一本追加して2ポゼッション差までリードを広げる。シーホークスが反撃を開始したのは 4Q に入ってからだった。敵陣に入った直後の 1st ダウン、スナップが乱れ、ボールはウィルソンの脇をすり抜けて転がっていく。ウィルソンは慌てて後方に走り、ボールを拾い上げながら滑り込み、前を向く。ヴァイキングズのディフェンスが迫る。だがその向こうにタイラー・ロケットががら空きで立っているのが見える。立ち上がってパスを投げると、ロケットは左のパイロンへ向かって走り、35 ヤードゲインした。両チーム合わせてこの日最大のゲインとなったプレイだった。残り4ヤードを、シーホークスは2プレイでタッチダウンにした。
返しのドライブ、ヴァイキングズは2プレイ続けてピーターソンに短いパスを出す。ピーターソンは1プレイ目では5ヤードゲインし、2プレイ目でもディフェンスをひょいひょいと交わして8ヤードほど稼ぐ。だがここに落とし穴があった。前のめりになったピーターソンはチャンセラーにボールを叩き出されてしまう。ファンブルロスト。シーホークスの返しのドライブは6プレイで 12 ヤードしか進めなかったが、それでもフィールドゴールには充分だった。10-9 と、とうとうシーホークスがリードする。
この後2回ずつパントを蹴って、残り 1:52 からのヴァイキングズの最後の攻撃。ここでとうとうヴァイキングズはパスを使ってくる。カイル・ルドルフへのパスを立て続けに投げると、一本目はチャンセラーのパスインターフィアランス、二本目はブリッジウォーターのパスが完璧で、チャンセラーがタックルミスをしてしまう。ランアフターキャッチで 24 ヤードのゲインになって、フィールドゴール圏内に突入する。
ヴァイキングズはピーターソンのランを三回コールし、シーホークスタイムアウトをすべて使わせると、残り 0:26 で最後のタイムアウトを取った。9ヤード地点からのキックなので距離は 27 ヤード。今季からのトライフォーポイントより近く、NFL のキッカーなら文字通り目をつぶっても入っても不思議ではないキックだった。あとはおわかりだろうが書いておこう。スナップは問題なかった。ホールドも、レースがキッカーの方を向いていたけどそれも問題なかった(このキックの二本前には、ウォルシュはレースが自分の方にまともに向いているボールを蹴って、もっと長い距離を決めている)。ブロックもされなかった。ただボールは蹴った瞬間に外れたとわかるほどに左に飛んでいった。シーホークス九死に一生を得て、ディヴィジョナル・プレイオフへ駒を進めた。


最終スコア:SEA 10-9 MIN

Green Bay Packers (10-6 / #5; North) @ Washington Redskins (9-7 / #4; East)

パッカーズが勝利。1Q で風上のレッドスキンズしょっぱなからロジャーズにプレッシャーをかけると、エンドゾーンでサックを浴びせてセイフティで先制。その後もジャクソンがエンドゾーン右手前隅に走り込んでタッチダウンの判定になるが、レヴューでくつがえり、1ヤード地点の 1st&Goal を得るもタッチダウンが奪えずフィールドゴールで 0-5。2Q 開始直後にはカズンズからリードへのパスが通ってやっと初のタッチダウンをあげたが、これもキックに失敗して6点しか取れず、0-11 という珍しい得点になる。実際押せ押せだったのに「五点も損している」みたいな感じだった。
2Q に風上に立ったパッカーズは反撃開始。ロジャーズがコブへのタッチダウンパスを決めて 7-11。返しのドライブではカズンズをサックしてボールを奪うと、フィールドゴールで 10-11 と一点差に詰め寄る。前半残り 3:11 から、レッドスキンズは使い切るどころかスリーアンドアウトで、逆に残り 2:22 からのドライブをパッカーズはしっかりタッチダウンまで持っていき、あれほど押されていた試合を前半のうちにひっくり返してしまった。17-11 で折り返し。
レッドスキンズがえらかったのは再び風上に立った後半最初のドライブをちゃんとタッチダウンにつなげて再逆転したところだが、そこまでだった。返しのドライブですぐさまパッカーズタッチダウンをあげて再逆転すると、あとはレッドスキンズに一点も許さなかった。


最終スコア:GB 35-18 WAS