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NFL 2013 -- Week 5, part 1

押されてるな……。

Denver Broncos (5-0) @ Dallas Cowboys (2-3)

ものすごい殴り合いになった。
カウボーイズが先制。ファーストドライブをタッチダウンにつなげると、返しのドライブでブロンコスファンブルを誘い、その返しでもタッチダウン。0-14 と先行する。しかしペイトン・マニングもあっという間に反撃し、1分かからずに 7-14 。2Q に入ってからはブロンコスのドライブが面白いようにつながり、3連続のタッチダウンで 28-17 と逆転する。ただこのあとわずかな時間でカウボーイズフィールドゴールを1本決めて、28-20 として折り返した。この3点は大きかったように思う。
後半はブロンコスが先にタッチダウンを取り(これで攻撃権5回続けてタッチダウンとなった)、35-20 の 15 点差となるが、これでもカウボーイズは切れない。ロモがウィリアムズに 82 ヤードのタッチダウンパスをヒットすると、プレイターのフィールドゴールを挟んでブライアントへのタッチダウンパスを通して 38-33(ツーポイントに失敗)。さらに返しのドライブではマニングから今季初のインターセプトをもぎとって、次のドライブではウィッテンに4連続パスを投げてタッチダウン。今度はツーポイントも決めて 38-41 と 2Q 以来のリードを奪った。
4Q でもお互いのドライブがとにかく止まらない。フィールドゴールで同点になった後、ロモがまたしてもブライアントにロングパスをヒット。ランアフターキャッチが素晴らしくあわやタッチダウンかというプレイになり、結局その次のプレイでタッチダウンとなる。しかしマニングも返しのドライブで渋くショートパスを何本もつないで、タッチダウンまで辿り着いてまた 48-48 の同点。残り時間は 2:39、タイムアウトはおたがい3つずつ残っている。おそらく次に点を取った方が勝つだろう。
という状況で、2プレイ目にロモがインターセプトを喰らう。
もうそこから蹴っても入るよという状況だったが、ブロンコスはうまくファーストダウンを刻み、カウボーイズタイムアウトを全部使い切らせ、残り時間2秒までイートして、タイムアウトを取ってからフィールドゴールを蹴った。51-48 でブロンコスの勝ち。両軍合わせて 99 点、NFL 史上4番目の高得点試合だった。
ロモは 500 ヤード以上投げて、タッチダウンパスを5本決めて、たった1本のインターセプトに沈んだ。これでロモを責めるのはあまりにも酷というものだろう。しかし解説の村田氏は「なんともトニー・ロモらしいというか……」とコメントしていたしおれも同じことを思ってしまった。こびりついたキャラクターを払拭するのは容易なことではない。

  • マニングが 2Q にランでタッチダウンを奪っていたのだけど、レギュラーシーズンでは 62 試合ぶりのタッチダウン・ランとのことだった。絵に描いたようなブートレッグで、中継のカメラマンでさえオフェンスラインの動いた方にカメラを振ってしまっていた。鮮やか過ぎた。
  • マニングは5試合でタッチダウンパス 20 本という NFL 新記録を打ち立てた。意外だったのはこれまでの記録保持者がダンテ・カルペッパー(2004;当時ヴァイキングズ)だったということ。正直カルペッパーがそこまでの選手とは知らなかった。調べてみると、2004 年シーズンだけはずばぬけて数字がよく、シーズン通算のパッサーレイティングも 110 を超えている。面白いものである*1

Houston Texans (2-3) @ San Francisco 49ers (3-2)

テキサンズのファーストドライブでマット・ショーブが投じた最初のパスは、驚くほど鮮やかに DB トラメイン・ブロックにインターセプトされた。これでショーブにとって4試合連続となるインターセプトリターンタッチダウン。不名誉な NFL 新記録でテキサンズは最悪のスタートを切った。
この後もショーブは冴えず、オフェンスも肝腎なところでのミスが重なり全く得点に辿り着かない。結局 4Q 途中までで得点はフィールドゴール1本の3点だけ、一方でインターセプトは最初のを含めて3本放ってショーブは下げられてしまう。まったくひどいオフェンスだった。
キャパニックも相変わらずパスが全然決まらず、Week 1 は幻だったのかと思わされるような有様だったが、多彩なランナーを使い分ける強引な地上戦でテキサンズのディフェンスをこじ開け、最終的には 3-34 でフォーティナイナーズの圧勝となった。
はっきり言って結構しょっぱい試合だったのだが、とにかくフォーティナイナーズは勝って勝ち星が先行し、テキサンズは惨敗して負けがひとつ先行した。この差は小さくない。3-2 と 2-3 では統計的にもプレイオフ進出率が大きく違うのだそうだ。テキサンズは3連敗という字面より負け方がずっとずっと悪い。このままずぶずぶ沈んでしまうのだろうか。

  • というわけで、テキサンズは最後ちょっとだけイェイツが出ていた。3/5。これだけでは何も言えぬ。まだショーブがスターターから外れるということもないだろう。しかしそろそろどこかでチャンスをつかんで欲しいクオーターバックではある。

Seattle Seahawks (4-1) @ Indianapolis Colts (4-1)

堅い守備を身上とする両チームの対戦。どちらかと言えばコルツはオフェンスもオーソドックスであるのに対し、シーホークスラッセル・ウィルソンというトリッキーな司令塔を持っている。
序盤は完全にシーホークスのペースで、フィールドゴールタッチダウン、セイフティと重ねて 12-0 とリードする。コルツはその間まともなドライブができてなくて一方的な試合になりそうな雰囲気だったが、タッチダウン1本返してからようやく攻撃が回り出す。スペシャルチームがフィールドゴールをブロックしてリターンタッチダウンを挙げて逆転すると、シーホークスもウィルソンが左隅へ絶妙なタッチダウンパスをデリバリして 19-14 と再逆転して折り返し。
しかしシーホークスは後半エンドゾーンが遠く、3Q に3本挙げたフィールドゴールの9点だけにとどまってしまう。対するコルツはラックがドライブ2本をタッチダウンに結びつけて逆転に成功。この過程でシーホークスは早々とタイムアウトを使い切ってしまって、それも再逆転を困難にした。最終的には 28-34 でコルツの勝ち。コルツはこれで3連勝となり、4-1 と星を伸ばした。一方シーホークスは今季初黒星で、こちらも 4-1。ウィルソンとリンチが 100 ヤード以上走ったが、結果には結びつかなかった。

Philadelphia Eagles (2-3) @ New York Giants (0-5)

守備が機能していない両チームの対戦(前週までの守備成績が 31 位と 32 位)。
ジャイアンツはファーストドライブでタッチダウンを挙げたが前半の得点はそれだけ。一方イーグルズもなかなかタッチダウンまで行けず、タッチダウン1本とフィールドゴール4本の 19-7 で折り返し。後半ジャイアンツは 3Q にタッチダウンを2本重ねて一瞬逆転するも、そこで力つきた。すぐに再逆転されるとそこからタッチダウンを2本追加され、最終的には 36-21 でイーグルズの大差勝ち。
ジャイアンツは守備もだめだし攻撃でもターンオーバーが4回あってもうひどいとしか言いようがない状態。どこから手を付けていいのかわからない感じ。イーグルズもアップテンポオフェンスは殆どなく、前半はヴィックのラン、後半はハムストリングを傷めたヴィックに代わって登場した2年目 QB ニック・フォールズがよくパスを決めた印象だった。どちらのチームにも夜明けは遠そう。

*1:面白いついでに書くと、この年ヴァイキングズは 8-8 で、それでもプレイオフには進んだらしい