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NFL 2013 -- Week 8, part 1

今週は一応5試合見たけど観戦記は3本だけ。

Miami Dolphins(3-4) @ New England Patriots(6-2)

イリーガルバット。
聞いたことのない反則が宣告された。第4クオーター、20-17 でリードしているペイトリオッツの攻撃、ドルフィンズ陣 23 ヤード地点からの 2nd&7 で、ドロップバックしたブレイディにウィルソンが素早く迫ってボールをストリップした。ボールは後方に転々とし、なんとかペイトリオッツがリカバーしたものの、ドルフィンズ陣 45 ヤードまで後退していた。できればもう1点もやりたくない状況で相手をフィールドゴール圏内から押し出すビッグプレイ……の筈だった。その反則がコールされなければ。
ブレイディがファンブルしたボールが地面に転がった時、ドルフィンズの DE ヴァーノンが倒れこみながらボールに手を伸ばして弾いたのが反則とされた。リカバーに向かうのは完全に正当なプレイだが、確かに少し離れたところで倒れていたし、手の動きもボールを確保しようとするものではなかったようにも見える。しかしそれにしても厳しすぎるコールだと感じた。この反則でつながったドライブをペイトリオッツはきっちりタッチダウンまで持って行き、17-27 とリードを広げる。返しのドライブをタネヒルはなんとかフィールドゴール圏内まで持って行ったが、スタージスのキックがブロックされて万事休す。そのまま 17-27 でペイトリオッツの勝ち。
ドルフィンズが守備で頑張って好試合を演出した。特に前半はタネヒルが要所でサードダウンコンヴァージョンを決め、ふたつのタッチダウンを挙げて 17-3 で折り返した。ひょっとするかと思われたがタネヒルファンブルロストが痛恨で、早いうちに同点にされてしまった。後半も長くリードしていれば焦りを誘えたかも知れなかった。
ペイトリオッツドルフィンズに7連勝とのこと。ただ、勝ったには勝ったがブレイディは 13/22-116yds-1TD-1INT というぎょっとするような数字。危うい状況はあまり解消されていない。

Green Bay Packers(5-2) @ Minnesota Vikings(1-6)

ヴァイキングズはクリスチャン・“思案”・ポンダーが4試合ぶりに先発に復帰。試合の方も開幕のキックオフをルーキー KR コーダレル・パターソンがなんと 109 ヤードのリターンタッチダウンにして 0-7 とリードしてスタートする。
しかし今日もヴァイキングズは守備がずるずる。パッカーズの攻撃を全然止められない。これは修辞ではなく本当に止められなくて、サードダウンを殆ど全部更新されてしまう。ようやくサードダウンで止めてもギャンブルされてまたファーストダウンを奪われる。あっさり同点にされ、逆転され、一度は追いついたもののパントリターンタッチダウンまで許してしまい突き放される。前半はなんとか 24-17 と喰らいついたが、後半最初のドライブでタッチダウンまで辿り着かれて 31-17 となった時点で実質的には勝負あった。最後はパッカーズが流して、ヴァイキングズがタッチダウンを2本返し最終スコアは 44-31 となったが、点差以上に内容には差があったことは否めない。
ロジャーズをほめるべきでもあるのだろうけど、ディフェンスは実に深刻だ。3DE が 13/18(4DE が 2/2 だから実質的には 15/18)、そしてフィールドゴールが3本。パントを蹴らせることが出来なかった。パッカーズの攻撃権で得点につながらなかったのは最後のニーダウンだけだったそうだ。ボール所持時間も 40:54。これじゃ勝負にならない。
もちろんディフェンスだけに責任があるわけではなく、コインの裏表のような話ではある。オフェンスが時間を費えないからディフェンスの時間がどんどん伸びてしまうのだ。ポンダーも正直効果的なオフェンスができているとは言い難かった。14/21-145yds-0TD-0INT。インターセプトファンブルロストも無かったのはよかったが、このヤーデイジでは試合に勝つのは難しい。内容も常にプレッシャーはかかっているにしろ難しいパスは殆ど通せず、攻撃の軸にならなかった。画面にポンダー、キャセル、フリーマンと同時に映ったときに NHK-BS 解説の宍戸氏が「申し訳ないんですけど三人で一人前ぐらいというか」などと言っていてそりゃ流石にねえだろと思ったがこの日のポンダーの出来はやはり NFL では半人前クラスだろう。
唯一前半終了間際のタッチダウンだけはよかった。まともにタッチダウンまで辿り着いたのはこのドライブだけだったのだが、ピーターソンへのチェックダウンのパス、サイドライン際のパターソンへのパス、インターフィアランスを誘ったジェニングズへのロングパス、そして最後敵陣8ヤードからピーターソンがひとりでディフェンス5人ぐらいに囲まれながら奪ったタッチダウン。なにか希望が持てるドライブだったし、このチームの持つ潜在力があらわれていたような攻撃だった。これぐらいの力はある選手たちだと思うのだ。

  • フレイジャー HC 曰く、ポンダーが次の試合でも先発できるかはなんとも言えないとのこと。そりゃそうですよね。