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NFL 2012 -- Week 17, part 1

Chicago Bears (9-6) @ Detroit Lions (4-11)

もう完全に後がないベアーズ。この試合に勝って、ヴァイキングズがこの後の試合で負けた場合だけプレイオフに進むチャンスがある。
ライオンズはここに至ってもぐだぐだで、前半だけでファンブルが2回、インターセプトが1回。ベアーズはそれに乗じて 2Q 途中の時点では 20-3 とリードする。しかしそこからライオンズも意地を見せ、まず前半終了間際のドライブでスタフォードがタッチダウンパスを決めて 20-10 で折り返し、後半最初のドライブでもタッチダウンをとって 20-17 と追い上げる。
ベアーズは後半はあまり攻撃が機能しなかったが、ライオンズも 3Q にはスタフォードがもう1回ファンブルロストしてフィールドゴールを献上する。26-17 とされてからスタフォードがばんばんパスを投げてタッチダウンを返し、26-24 ととうとう2点差にまで詰め寄る。
ライオンズディフェンスはこの返しのドライブを4プレイで止めて、4分半以上の時間を残して攻撃権を得たのだが、ファーストダウンでスタフォードからカルヴィン・ジョンソンへのパスが通らず、結局スリーアンドアウトになってしまう。ベアーズはここで得た攻撃権を最後まで手放すこと無く、ランプレイだけで時間を使い切った。26-24 のままベアーズの逃げ切り勝ち。
ベアーズは 10-6 でレギュラーシーズンを終えた。前半戦 7-1 後半戦 3-5 というのは相当の失速ぶりだ。今季はカトラーは脳震盪でテキサンズ戦の途中で退場したが、翌週出られなかっただけでその次週には復帰していたのにこの有様である。
ライオンズは 4-4 から8連敗という泥沼だった。もっとやれておかしくなかった実力はあり、いささかもったいないシーズンであったと思う。

Green Bay Packers (11-4) @ Minnesota Vikings (9-6)

ヴァイキングズは勝てばプレイオフ、負ければ終わり、という単純な状況。パッカーズはプレイオフ出場自体は決まっていて、勝つと第2シード以上(=1戦目の bye)が確定する。
ヴァイキングズはピーターソンのランが面白いほど出て、最初のドライブでフィールドゴール、次のドライブでタッチダウンと得点を重ねる。ディフェンスもパッカーズの攻撃を3回連続無得点に抑え、2Q 途中では 13-0 までリードを広げる。しかしこの辺りからロジャーズもエンジンがかかってきて、ロスの好リターンもあって得たいいフィールドポジションからきっちりタッチダウンまでつなげて 7-13 と反撃を開始する。
この返しのドライブで、ポンダーが投じたパスがディフレクトされて奥へ高く跳ね上がり、それをライトが飛びついて地面ぎりぎりで確保したプレイがあったのだが、これはビデオで見ると明らかにボールは地面でワンバウンドしていた。しかしパッカーズタイムアウトが無くてチャレンジできず、判定が確定してしまう。結局このドライブを続けて最後はライトへのタッチダウンパスが通ったので、この判定は実に大きかった。20-10 で前半は折り返し。
パッカーズは後半最初のドライブでロジャーズが長いパスを2本ぽんぽんと決めてあっという間に 20-17 に迫るが、ヴァイキングズもロジャーズからファンブルのボールを奪い取り、得た攻撃権で最後はピーターソンがタッチダウンレセプション。27-17 と再びリードを広げる。
返しのドライブ、ロジャーズが 73 ヤードのロングパスを決めて、たったの4プレイでまたタッチダウンをあげてしまう。4Q に入ってパッカーズフィールドゴールを決め、とうとう 27-27 の同点に追いつく。
この次の攻撃で、ポンダーはこの日初めてのロングパスを投じる。ここまで一度も見せなかったロングパスはほぼ完璧なデリバリーで、ライトに通ってあわやタッチダウンかという素晴らしいボールになる。さらにピーターソンのランで敵陣2ヤードまで進む。だがここからがいけない。ホールディング、ピーターソンでノーゲイン、エンドゾーンのジェニングズへのパスが通らず、そして 3rd ダウンからガーハートへのスクリーンパスは通ったもののファーストダウンにはほど遠い。駄目か、と思ったがボールとまるっきり反対側でイリーガルユーズオヴハンズの反則があってオートマティックファーストダウン。このあとピーターソンのランを2回続けてタッチダウンに至らなかったが、3rd ダウンでポンダーが左へロールアウトしながらエンドゾーンへ低いパス。ディフェンス3人に囲まれていたレシーバーのジェンキンズだったが素晴らしい集中力でキャッチしタッチダウンとなった。解説の河口氏は「結果的にはよかったが極めて危険なパスだった」と述べていてまあまったくおっしゃる通りと思うが、それでもここはとにかく決めたポンダーをほめてやりたい。ナイスパスだった。
それでもパッカーズは屈しない。返しのドライブ、3rd & 21 などという状況も作りながら 4th ダウンまで使ってドライブを続け、2回のディフェンシヴパスインターフィアランスも絡めて最後はネルソンへのタッチダウンパス。34-34 とまた同点に並ぶ。
残り3分弱、ラストドライブ。ポンダーは 3rd & 11 の正念場を迎えるが、左サイドライン際でワイドオープンだったジェンキンズを見逃さずにパスを決めてファーストダウンを獲得しつつ敵陣に入る。そこからはピーターソンのラン4連続で 37 ヤードのゲインという、今季のヴァイキングズを象徴するような攻撃で、最後はウォルシュが 29 ヤードのフィールドゴールを難なく決めてタイムアップ。37-34 で粘るパッカーズを突き放し、パッカーズ相手の連敗を5で止めると共にプレイオフ進出を決めた。

  • ポンダーは 16/28-234yds-3TD/0INT。成功率が低かったしゲインも大きいとは言えないが、とにかくも試合を作ったし、ジェンキンズへのタッチダウンパスや最後のドライブでのファーストダウンなど、ここぞというところでの勝負強さも見せた。インターセプトファンブルロストもなかった。この大事な試合でこれだけできたのは本当によかった。
  • ピーターソンは 34att-199yds-1TD とまたしても人間離れした数字をたたき出したが、NFL のシーズンラン獲得ヤード記録にわずか9ヤード及ばなかった。ACL 断裂から8ヶ月強で復帰してここまでの数字を出したのだから本当に素晴らしいことだが、しかしこのわずか9ヤードという数字についてはなんと言っていいかわからない。1プレイ、ピーターソンの平均獲得ヤードで計算しても2プレイあれば稼げるヤードなのだ。この差など問題にならないほどの記録を出せるシーズンが来ることを祈っている。
  • というわけでパッカーズは第3シードとなり、初戦の対戦相手はミネソタヴァイキングズとなった。ヴァイキングズからすればプレイオフに残った中でおよそ最悪の相手と言える(しかも次は向こうの地元でやらなければならない)が、しかしまあ、やるしかないのだ。