黄昏通信社跡地処分推進室

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ふたつ並んでいるやりかた

トイレの個室でトイレットペーパーのホルダーがふたつ横に並んでいて、どちらにも紙がセットされている、というシステムがあったとする。ふたつのホルダーの残っている紙の量に差があるとき、無意識にたくさん残っているほうから使ってしまう人は多いのではないだろうか。それをしていくと、抜きつ抜かれつで両方が少しずつ減っていって、結局どちらもほぼ同時になくなってしまう。これはあまりよろしくない結末だ。とはいえ、いずれにしても無くなったら交換すればいいだけのことで、予備さえ側にあったのならそんなにひどいことにはならないとも言える。


給湯室で湯沸かしポットがふたつ並んでいて、どちらにもお湯が入っている、というシステムがあったとする。この場合もたくさんお湯が入っているほうから使ってしまう人は多いのではないかと思う。やはり抜きつ抜かれつで両方が減っていって、どちらも同時に無くなる。こちらはなお悪い。水を入れてお湯を沸かさなければならないので、折角二本ポットがあるのにどちらからもお湯が出ない時間帯ができてしまう。さらにこちらの場合、少ないほうを使うと空っぽになって水の補充をやらなければならないかもしれないから、逆インセンティヴが働いてしまう。


おれは上に書いたようなことはわかっているけれど、それでも気を抜くと多いほうから使ってしまうことがある。はっきりした理由はわからないのだけど、「ふたつ並んでいるやり方」は、たぶん一般的にあまり上手くいかないんじゃないかと思う。それでもひとつだけよりは随分ましなのでこのやり方が採用されるべき場面はあるが、その場合でも必ずそれよりもっといいやり方がないかを考える必要がある。
(トイレットペーパーだと、同時に使えるのはひとつで、その隣ないし上に予備をセットできる、というシステムがわりと一般的。給湯室のポットについてはうまいやり方があれば教えてほしい)