黄昏通信社跡地処分推進室

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ピエール逮捕

ピエール瀧の逮捕のニュースにはさすがに驚いた。あの芸風というか立ち位置的にはほんとにクスリやってると全然笑えないよね。もうひとつ驚いたのは「二十代の頃からやってた」みたいな話がぽろっと出てきたことで、だとすると二十年以上やってても特に廃人とかにはならないのなー、とか、それを報道しちゃうのってまずいんじゃないの、というあたりが感想としては浮かんだ。
ジョン・ヴァーリイが、たしか『スチール・ビーチ』で、「昔はコカインが非合法でニコチンが合法だったらしいよー、ありえないよねー、後者の方が全然中毒性も高いし身体に悪いのにねー」みたいなことを書いてたのを思い出す。これは多分ヴァーリイ独自の見解ではなくて、少なくとも他にひとり以上、やはり 70〜80 年代頃に活躍した SF 作家が主張していた記憶があって、あの辺の世代ではそんなに珍しくない言説だったのかなと想像するのだけど、科学的妥当性はどれぐらいなのだろうか。エビデンスが表に出てくることはなさそうだけれど。

あとは、例によって関連する作品が全部世に出しちゃいけないみたいな扱いにされる動きが今回もあって、それはつらい。作者と作品は別ではないのか。罪を憎んで人を憎まず、ではないのか。瀧だから、とか、いわゆる被害者のない犯罪だから、とか、そういう今回の件に特有の要素を抜きにしてもこの動きはあってはならないものだと思うし、権利者においては今からでも見直してほしいと思う。
ひとつだけ救いになるかもしれないと思ったのは、映画『麻雀放浪記2020』が予定通り公開されるという報があったこと。これとて公開までの日が近すぎて撮り直しがきかず、重要な役柄故カットもできず、という消極的な事情らしいのだが、でもとにかく公開されるという事実が今後なにがしかの助けにならないものかと願う。