黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

ラファエル前派の軌跡展於三菱一号館美術館

いただきもののチケットで、一号館へ。ラファエル前派というと世界史の教科書にも出てきて、慶応の入試でも問われてたまたま家に貼ってあった「ラファエル前派の夢」というポスターに見覚えがあってその問題は拾えた、というちょっといい思い出があるのだけど(受験は落ちた)、正しい文脈は今回初めて知った。そもそもラファエロについてよくわかってないっつうね。
本展示はジョン・ラスキンというひとを前半の軸に据えている。おれはラスキンももちろん知らなかったわけだけど、評論家で、ターナーの評論で名を上げて、ラファエル前派を擁護して思想的な支えになった人らしい。というわけで最初の方はターナーの絵がずらずらと展示されている。ターナーはいいなあ……。
中盤からはロセッティ、ハント、ミレイという「前ラファエル兄弟同盟」すなわち狭義のラファエル前派の人たちの絵が並んでいる。特にロセッティはけっこう数があって見応えがあった。この人女の人の口元の描き方が全部同じでこういうところに執着があったんでしょうなーと思わせる。あとリアルでいろんな女の人に手だしすぎ。前ラファエル兄弟同盟はかなり短い期間(数年とか)で瓦解したらしいんだけど半分以上モデルとの恋愛沙汰が原因っぽいらしくなかなかしょうもなくはある。ミレイはほとんどなくて、『オフィーリア』も来てないので、あんまり期待せぬが吉。もう少し見たかった。
後半はバーン-ジョーンズとウィリアム・モリスが中心。このあたりは広義のラファエル前派というか後期ラファエル前派というか、そういう位置づけらしい。バーン-ジョーンズは個人的にはあんまりぴんと来なかった。ウィリアム・モリスはよかったけど、果たしてこの文脈で一緒にとりあげていいものかなという感じはあったかな。

終わってグッズショップを見たり中庭のバラを見たりしたあと、近くのビルに入ってぶらぶらとお昼を食べる店を探す。韓国料理にする。おれは坦々スンドゥブみたいなやつ、妻はチーズタッカルビ丼とミニ冷麺のセット。なかなか子供と一緒だと食べられないんだよね。おいしかった。
外に出てお堀沿いに歩いていって、皇居東御苑まで行く。中にも少し入ったけど、売店をのぞいていろいろ見たあたりでタイムアップ。ここはまた来たいな。