黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

『Progolf』 バンダイ,1984

先日子供たちだけで実家に遊びに行かせたときに弟が息子に LSI ゲームを持たせてくれた。バンダイの『Progolf』というタイトルで、その名の通りゴルフゲームだ。ゲームとしてはめちゃくちゃシンプルで、左のボタンでクラブを選択して右のボタンで振って打つだけ。1984 と書かれているのでまあ 1984 年のゲームなのだろう。弟が子供の頃クリスマスかなにかのプレゼントで買ってもらったのだそうで、おれと弟は子供の頃さんざん遊んだものだったが、まさかまだあるとは思わなかった。持って帰ってきたときには電池の液漏れの影響で動かなかったが、端子をちょっと磨いたり曲げたりしたら普通に動くようになった。
そんであらためて遊んでみるとこれがまあよくできている。ホールはほぼ直線で、途中池があったりグリーンの左右にはバンカーがあったりするのだがその程度で、ボールの状況はほとんどカップまでの距離だけであらわされている。この割り切り方がほんとに素晴らしくて、まあ確かに風向きとかライとかを考慮しつつクラブや打つ方向や強さを決めたりというのがゴルフの奥の深いところなんだろうけど、それでもたったひとつ要素を切り出すとしたら残り距離以外あり得ない。その数字を0にするのがゴルフってゲームの目的なわけだから。
クラブは 11 種類あって、バックスイングの長さによって三段階の飛距離が出るようになっている。残り距離に応じて適切なクラブと適切なバックスイングを選択してその通りに振って打つ、それだけなのだがバックスイングの速さがランダムで変わるため打つタイミングを取りづらかったり、どのクラブでも1オンが不可能な残り距離なんてのがあったりして意外と頭を使わされる。効果音もよくできていて、昔ながらの LSI ゲームのピコピコ音なのだけど、ボールが飛んでいく音やチップインの音は気持ちいいし、ボギーのジングルは腹立たしいし、まれに聞けるイーグルのジングルはほとんど華々しいとすら言えるほどだ。
画面も液晶だからごくアブストラクトな表示なのだけど、手前からボールが奥に飛んでいく→カメラが切り替わって向こうからボールが飛んでくる、という構図の切り替えを巧みに使ってショートした場合とグリーンオンした場合とオーバーした場合をきちんと表示し分けている。相当センスがいい人がデザインしたものと思われ、ちょっと慣れるとすぐ状況がわかるんだよね。
というわけでさんざん遊んだのもわかるなーという LSI ゲームの思い出でした。いまちょっと調べてみたら、ProgolfⅡっていう続編?も出てたみたいで、さもありなむと思う。ちょっとやってみたい。