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NFL 2019 -- Week 3

三週目。

Tennessee Titans (1-2) @ Jacksonville Jaguars (1-2)

サーズデイナイトフットボールAFC 南の同地区対決。
ジャグァーズの先攻だったが最初の攻撃では反則もあって 1st ダウンをひとつもとれずパント。ところがこれを PR ジャクソンがリターンしようとして前にこぼしてしまう。殺到したカバーチームのジェイコブズがうまくリカバーし、ジャグァーズは願ってもないチャンスを得た。次のプレイでミンシューが TE オショーネシーへすぱっとパスを決めて、7-0 とラッキーな先制を決める。
続くドライブでもジャグァーズはタッチダウンをあげる。ミンシューからウェストブルックへの 28 ヤードのパスで敵陣に入ると、22 ヤード地点の 3rd&9 から今度はエンドゾーン左隅に走った D.J.チャークへ浮かせたパス。これをチャークがよくとって、1Q のうちに 0-14 とリードを広げた。このあとはおたがいのディフェンスがよく仕事をして得点が入らない。なんと両チーム合わせて9本パントを蹴って前半が終了した。

後半最初の攻撃でタイタンズはようやくチャンスを掴む。マリオタが自陣 38 ヤード地点の 3rd&11 から 47 ヤードのパスをシャープに通し、この日初めてのレッドゾーンへ。当然タッチダウンがほしいシチュエイションだったが、ランプレイ一回のあとパスを二本続けて失敗、4th&6 となってギャンブル。だがここもジャグァーズディフェンスが踏ん張ってマリオタをサックし得点を許さない。ここが勝負の分かれ目ではあったか。
返しのドライブでジャグァーズは FG までたどり着き、0-17 と3ポゼッション差まで得点差を広げる。タイタンズも 4Q に入ってからようやくタッチダウンをあげたが、ジャグァーズはふたたび返しのドライブで FG を決めて 7-20 と突き放す。最後はジャグァーズが相手ゴール前まで攻め入りながらギャンブルして0点で終わるという緩手を
見せたものの(普通に FG で 16 点差にすればよい、16 点差は字面では2ポゼッションだが、実際ツーポイントを二回やって二回決めるのは NFL ならおよそ 25% になる)、タイタンズはその返しのドライブでレッドゾーンまで行くのが精一杯だった。

というわけでジャグァーズが今季初勝利。ミンシューも嬉しいプロ初勝利となった。最序盤の幸運なタッチダウンふたつのリードを守りきったという感じでオフェンスの勝利貢献度は高くないが、でもジャグァーズは本来これができれば勝てるチームのはずなのだ。なんたって去年の今頃はペイトリオッツに完勝してるんである(誰も覚えてないと思うけど)。ここから上向いたら面白いなと思う。
タイタンズはオフェンスラインがやられっぱなしで攻撃の形を作れず。ヘンリーのランも封じられて手詰まりになってしまった。マリオタもこれをなんとかできるほどの力はないか。

最終スコア:TEN 7-20 JAX

New York Jets (0-3) @ New England Patriots (3-0)

見てません!
序盤からペイトリオッツがどんどん得点重ねて勝ち。なんの意外性もない。ジェッツの 14 点はパントのマフとインターセプトがそれぞれリターンタッチダウンになったもので、オフェンスは0点。注目の? QB ルーク・フォークは 12/22-98yds-0TD-1INT と箸にも棒にもかからないスタッツ(被サック5なのでそこは同情するが)。想像してた以上に夢も希望もない結果で、ほんとうに夢も希望もない。
ちなみにペイトリオッツインターセプトはルーキー QB ジャレット・スティッドハムがガービッジタイムに記録したもの。パス3本でインターセプト1本だから、ほろ苦いデビューになった。

最終スコア:NYJ 14-30 NE

Baltimore Ravens (2-1) @ Kansas City Chiefs (2-1)

今週屈指の好カード。
先制したのはレイヴンズ。最初のドライブからラマジャクがスクランブルしまくってタッチダウンまでたどり着く。PAT も成功するが、ここでチーフスのイリーガルフォーメイションでやり直し。1ヤードになるのならということでツーポイントコンヴァージョンを選ぶが、ジャクソンはエンドゾーンに入れず 6-0 となる。この一点が意外にもあとあと響いてくることになる。
前半このあとはチーフスの一方的なゲームで、3ドライブ続けてタッチダウンをあげたあと4ドライブ目でも FG を決めた。特に二本目のタッチダウンは圧巻で、自陣から中央のシームへすっと走り込んだハードマンにマホームズがパスを通すと、そのままぐんぐん加速して 89 ヤードのタッチダウンレシーヴ。PAT に一回失敗して、6-23 で折り返す。

後半、タッチダウンを一本ずつ取り合い、4Q に入ってからレイヴンズが追い上げ始める。まずは 3Q から継続のドライブ、序盤はあまり決まっていなかったジャクソンのパスがここへ来てましになっていて、4th&5 から右奥のセス・ロバーツへ決めたパスはけっこうしびれた。最後はイングラムが1ヤードのタッチダウンラン。ここで 19-30 だったのだが、なぜかハーボウはツーポイントを指示して失敗。決まっても9点差なので意味がわからなかった。
さらにレイヴンズは FG で6点差に詰めるが、その返しにチーフスも FG を決めてまた2ポゼッション差にしたのが大きかった。次の攻撃、レイヴンズはラマジャクがパスを次々に決めて敵陣に入り、最後は9ヤードを自ら走ってタッチダウンを返すが、返した時点で5点ビハインド。またしてもツーポイントを狙うが、ここはプレッシャーを受けたジャクソンが最後猛然と駆け上がるもサイドラインを割ってしまい失敗。続くオンサイドキックも失敗して、万事急須。

まあ、結果的にはオンサイドキックが決まってないのだからだめだったのだけど、この度重なるツーポイントの失敗はなんだったのだという感じがある。最初のは結果的に裏目というだけで判断としてはいいが、二回目のが首をひねる判断で、それを失敗したゆえに三回目も行かざるを得なくなった。普通に一点ずつ取っておけば黙ってても三点差にできていた。なにをやってるのだというかんじ。

  • ハードマンはこの日上のタッチダウンとは別にもうひとつ印象的なレシーヴがあった。左へモーションしたあと右へ走り直し、そこでボールを受けてからさらに右に走ってサイドラインに向けて右サイドを駆け上がる、みたいなばたばたした動きでこれだけ走って7ヤードとかだったのだが、とにかく足は速く、NFL の WR で足が速いってすごいことだよなと思う。で、さぞかしすげえスタッツだろうなと思って見てみたら、レシーヴその二回だけで 96 ヤードだった。(まあすごいんだけど)

最終スコア:BAL 28-33 KC

New Orleans Saints (2-1) @ Seattle Seahawks (2-1)

セインツが逃げ切り勝ち。ややラッキーなパントリターンタッチダウンファンブルリターンタッチダウンで前半に得点を重ねると、ツーミニッツオフェンスで見事にカマラがエンドゾーンを陥れて追加点をあげ 20-7 で折り返し。この次の後半開始直後にもタッチダウンをあげたのが大きかった。シーホークスはパントのマフで得たチャンスをギャンブル失敗でつぶすなどちぐはぐで、4Q には自陣 28 ヤードの 4th&1 でギャンブルに挑んでまたも失敗してこれが致命傷になった。セインツはそこで得た攻撃をしっかりタッチダウンにつなげてセーフティーリードを奪う。シーホークスは最後までウィルソンが諦めずタッチダウンを二本返したが、最後のスナップの時点で残り 0:00 だったため PAT もできずにゲームセットとなった。

セインツはブリッジウォーターの先発初戦で勝ちを奪ったのが大きい。リターンタッチダウンふたつは幸運だったし、ESPN の見出しみたいに「No Brees, No Problem.」とは到底思えないけど、でもとにかく勝ったという事実はチームを落ち着かせてくれるだろう。シーホークスは最後差を詰めたのがよかった。まあ負けてもまだ 2-1 だし、ぜんぜん問題ないだろう。

最終スコア:NO 33-27 SEA

Los Angeles Rams (3-0) @ Cleveland Browns (1-2)

サンデーナイトフットボール、月曜日が休日だったのでオンタイムで見たり見なかったり。
けっこう渋い試合になった。前半はパントを蹴り合い、相手陣に入ったときにどうにか FG を狙うという感じで 3-6。後半になってから試合が動き出す。最初のドライブ、ラムズはゴフがばしばしパスを決めてクーパー・カップタッチダウンレシーヴまでつなげて 10-6 と逆転する。返しのドライブでブラウンズも負けじと反撃開始、メイフィールドが早めのパスをぴしぴし決めて、TE デメトリアス・ハリスのタッチダウンで 10-13 と再逆転した。
インターセプト、パントと挟んでラムズの次の攻撃、ここもゴフがいいパスを決めて敵陣深くに入ると、20 ヤード地点からの次のスナップ、右サイドへのカップのエンドアラウンド、と見せかけてカップからさらにウッズへトスするリバースプレイ。これはやられたーというかんじだった。ラムズお家芸の WR のランニングプレイでゴール前4ヤードに迫ると、最後はゴフががら空きのカップへパスを決めてタッチダウン。17-13 とみたび逆転する。

ブラウンズはこれで慌ててしまう。返しのドライブ、敵陣 40 ヤードという微妙なところまで攻め込んで 4th&9、これを無理にギャンブルに行ってチャブのランがわずか2ヤードで止まって攻撃権を失う。簡単に FG まで持っていかれて 20-13 となり、返しのブラウンズのドライブはスリーアンドアウト。これはあかんやつ、と思いきやその返しのラムズの攻撃で、ゴフからアクロスを走るウッズを狙ったパスがディフレクトのうえ DB バリスのインターセプト! これでワンチャンス同点を狙うドライブがブラウンズにめぐってくる。
メイフィールドはプレッシャーに苦しんだが、それでも 3rd&15 からランドリーへの 27 ヤードのパスを通して一気にレッドゾーン手前まで迫る。さらに相手のラフィングザパサー(これはラムズに厳しい判定であったと思う)でゴール前 4.5 ヤードへ一気に前進、もちろんオートマティック 1st ダウンだ。残り時間は 0:43、タイムアウトは3つまるまる残っていて、なんでもできる状況だった。
ああそれなのに、4回ともエンプティバックフィールドでパスを投じるという、なんたる芸のなさ! メイフィールドは四回とも激しいプレッシャーに晒され、不十分な体勢でのパスを強いられてしまう。最後はインターセプトで試合が終わったが、どのみち 4th ダウンではあった。
というわけで、ブラウンズはまあまあ惜しい負け。ディフェンスがいい仕事をしたぶんここまでやれたので悲観したものでもないが、それだけにもったいないオフェンスしちゃったなという感じはある。ラムズはようやくクーパー・カップが戻ってきて大活躍した。土つかずの三連勝、まずは絶好のスタートと言えそうだ。

最終スコア:LAR 20-13 CLE

Chicago Bears (2-1) @ Washington Redskins (0-3)

マンデーナイトフットボール
あんまりちゃんと見てないけど前半からベアーズがばんばん点取ってそのまま勝ってた。レッドスキンズはキーナムが絶不調で、サックされてファンブルロストすること二回、自陣でインターセプトを喰らうこと三回とチームのターンオーバー5つすべてにコミットした。試合後に全部おれが悪いみたいなコメント出してたけどそりゃそう言うしかないわなあ。
前半だけで 28-3 だったので、後半ベアーズはわずか3点だったけどまあ問題なく。レッドスキンズは必死に追い上げたけどタッチダウン2回で両方ツーポイントに失敗したり(そもそも特に一回目 28-9 からツーポイント行く意味あったのかという話である)と最後まで空回りの印象で、地元で醜態をさらすことになった。これでマンデーナイトは八連敗とのこと。キーナムも来年辺りはまた違うユニフォーム着てそうだなという感じで、実際地元では早くもいつドゥエイン・ハスキンズを先発させるんだ?なんて質問が出ているとか。まあもうこりゃ今季はあかんっすね。
ベアーズはとにかく2勝目、ここまで課題だった得点力もどうやら上向きということで悪くない一勝だった。次週の相手はミネソタヴァイキングズ!

最終スコア:CHI 31-15 WAS

Other Games

CIN(0-3) 17-21 BUF(3-0):ビルズが開幕三連勝。2011 年以来だそうです。あの年確か 5-2 ぐらいまで行ったんだよね。ペイトリオッツを 0-21 からまくって勝ったりとかしてやばかったんだけど結果的には 6-10 とかだったはず。ついでにいうとここ 26 年で三回目だそうな。ベンガルズはドルトンが 20/36-250yds-1TD-2INT とさっぱり。マーヴィン・ルイスくびにするべきじゃなかったかな。
MIA(0-3) 6-31 DAL(3-0):早くもタンクが噂されるドルフィンズ、最初の二戦で先発したライアン・“レジェンド”・フィッツパトリックをあっさり諦めてジョッシュッ・ローゼンを起用してきた。まあ結果は仕方ないとして 18/39-200yds-0-0 ってスタッツはちょーっと物足りないかなあ。カウボーイズは無傷の三連勝。エリオットとポラードの両 RB がそれぞれ 100 ヤード超走っていてこれは笑いが止まらなかろう。
DEN(0-3) 16-27 GB(3-0)パッカーズが無傷の三連勝。オフェンスラインがロジャーズをしっかり守って被サック0。ターンオーバーもなく効率よく得点を重ねた。ブロンコズはフラッコがインターセプト1、ファンブルロスト1で試合を作れず、こちらは逆に三連敗。
ATL(0-3) 24-27 IND(2-1):コルツが逃げ切り勝ち。ブリセットなんだかんだけっこういいな。ラックの引退が相当急だったことを思えばよく頑張っている。ファルコンズはどうも失点が多くて、点取るんだけど及ばないみたいなパターンが多い。実際 0-3 だし、かなりまずい。
OAK(1-2) 14-34 MIN(3-0)ヴァイキングズが快勝。ダルヴィン・クックが三試合連続の 100 ヤード超えで、4Q にはカズンズは一本もパスを投げなかった。先週けっこうひどい負け方だったことを思えばなかなかよい勝ち方と言えよう。レイダーズは初戦はよかったけど二戦目からがふがいない。
DET(2-0-1) 27-24 PHI(1-2):ライオンズが無敗を守る。意外と言えば意外。スタどんが 18/32、ウェンツが 19/36 とどっちも 50% 台で、さぞ試合時間長かったんじゃないかと思う。もうちょい決めたまえよ。
CAR(2-1) 38-20 ARI(0-2-1):パンサーズはキャム・ニュートンが足の怪我で戦線離脱、代わりに二年目のカイル・アレンが投げたが、これが 19/26-261yds-4TD-0INT とほぼ完璧なパフォーマンスでカーディナルズを粉砕した。やるねえ。カーディナルズはカイラー・マレーがこの日は苦戦、30/43-173yds-2TD-2INT と試合を作れなかった。勝利は遠い。ニュートンはリスフラン関節の損傷疑いとのことで、聞いたこともなかったけどどうも足の甲の関節というか靱帯らしく、スポーツ選手の場合は復帰まで二三ヶ月かかることもあるとか(参照)。ということでアレンにかかる荷は重いが、もちろんチャンスでもある。
NYG(1-2) 32-31 TB(1-2)ジャイアンツはついにイーライをベンチにおいて……っていやいやこの流れ去年もやってたよねとつっこみたくはなるけど、ともあれあらためてイーライをベンチにおいて今年一巡指名のダニエル・ジョーンズをスターターに据えた。まだ早いとも思うけれど、近年の趨勢としてはこんなもんである。前半はバッカニアーズが 10-28 と大量リードで折り返したが、後半はジャイアンツがよく盛り返し残り 1:16 でついに逆転。最後のドライブ、バッカニアーズもウィンストンが 44 ヤードのロングパスを決めて一気に敵陣9ヤードまで攻め入る。あとは FG を決めればさよなら勝ちだったのだが、34 ヤードをルーキー K マット・ゲイが右へ外してしまって試合終了。ジョーンズ、なかなか持ってるかもしれないというデビュー戦になった。
HOU(2-1) 27-20 LAC(1-2)テキサンズが逆転勝ち。前半はチャージャーズがリードしたが、後半テキサンズタッチダウン三本続けて取って逆転。それでもチャージャーズは FG を返して最後同点のドライブで敵陣 24 ヤードまで進んだが、決めきれなかった。
PIT(0-3) 20-24 SF(3-0)フォーティナイナーズ、5つのターンオーバーを乗り越えて勝ち。ってことはそんだけやらかしたんかい。スティーラーズはふたつ。かなり sloppy な試合と言えましょう。しかしフォーティナイナーズ、勝つよねえ。去年はあらゆるツキに見放された感じだったガロポロだが、一昨年の勢いが戻ってきたか。