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COVID-19

厚生労働省の職員が検査もせずに職場に戻ったということで非難されているが、まず指摘しておきたいのは検査は無意味だということ。陽性ならフィルタできるが陰性だからといって感染していないことにはならない。しなきゃいけないのは検査じゃなくて隔離。しかし現実問題として、たぶん皆さんただでさえくそ忙しい中駆り出されて、一刻も早く通常業務に戻らないと全く回らん、という状態になっているのだと思う。リモートワークができる体制があるとも到底思われないし。だからもう戻らざるを得ない、ということなのではないだろうか。
とはいえおそらく少なくともひとりは感染してるだろうから、これから COVID-19 が厚生労働省内で蔓延することになるだろう。それが予期できていないわけではあるまい。つまり

  • 戻って来た人を全員二週間隔離して業務がどうしようもないほど滞る
  • 戻って来た人を全員即働かせて厚生労働省内でウイルスを蔓延させる

この二択に追い込まれていて、後者のほうがましだと選択したことになる。それほど業務量が絶望的に多くて人手に余裕がないという判断なのだろう。
それこそが問題の本質なのだし(もっともリモートワークは全部ではないにしてもできてしかるべきだと思う)、それってやっぱり国民がずっと公務員減らせ減らせって言ってきたことと大いに関係があると思うのだ。これで厚生労働省だけが一方的に叩かれちゃうのはさすがに気の毒ではないかな、という思いはある。これから激務に追われながら肺炎で倒れていくのはあの人たちなんだよ……。

厚生労働省がなにか公表できない知見を持っていてそれをもとに検査せずに復帰していいと判断しているのではないか、というような意見もネットでは散見されるけど、それについても個人的には与しない。そんなものがあれば流石にこんなにひどい——逆に言えば真に迫った言い訳はしないと思うからだ。


追記:2020-02-23
この後医療関係者や検疫官以外については(要するにおおむね霞が関の人たちだろう)検査をして、下船後二週間は自宅勤務にすることにしたそうだ。(参照→https://this.kiji.is/603899725733233761)これができるなら初めからそうすべきだったとは強く思うが、それはそれとして自宅勤務についてはやらないよりは今からでもやる方がずっといいので、この判断については支持したい。あと、これができるからといって業務量の絶望的な多さと人手不足はまったく解決されていない問題だと思う。厚生労働省の人たちの健康を祈りたい。本当に気の毒でならない。


追記:2020-03-23
単に続報が入っていないだけかもしれないが、上で書いたような感染の蔓延は厚生労働省では発生しなかったようだ。これまでの感染クラスタで意外なほど「事務所」というのが少ないことからしても、普通の事務仕事のオフィスではあんまり感染しないものなのかもしれない。いずれにしても不幸中の幸いであったと思う。