黄昏通信社跡地処分推進室

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トグル

コンピュータ業界で使われる概念に「トグル」がある。みんな大好き CapsLock キー*1みたいに、同じ操作で ON-OFF を交互に切り替える UI のことをこう呼ぶのだけど、以前からちょっと不思議だと思っていた。電子部品としてのトグルスイッチは棒みたいなスイッチのことで、それは決して同じ操作で ON-OFF を交互に切り替えることはできない(単に棒を左に倒すか右に倒すかする)。もちろんアナログにも同じ操作で ON-OFF を交互に切り替えるスイッチはあって、それは普通 PUSH ON/OFF とか呼ばれる。なにかそこの不整合がずっと気になっていて、デジタル側の「トグル」という言葉を素直に使うことができずにいる。英和辞典で引いても toggle に両方の意味が出ているので、英語の時点で誤用になっている――つまり英単語と日本語の対応の問題ではないようだ。どっちにしてももやもやするのは同じだが。
# 一日経ってからあらためて考えたのだが、「ON と OFF のスイッチが別になっているわけではない」という意味では電子部品のトグルスイッチもこの文脈でいうところの「トグル」ではあるかな。でもやっぱり個人的にはまったくぴんと来ない。

*1:なんでこのキー無くならないんだろうねと書いてから急に思い出したけど、PC-6001 には CapsLock なかったんだよ! それで CapsLock がある機種がうらやましかったのを今でも憶えている。なんか、BASIC のプログラムでも小文字で打つのってなぜか抵抗あったんだよね。