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NFL 2020 -- Week 2

というわけで二週目~。

Cincinatti Bengals (0-2) @ Cleveland Browns (1-1)

サーズデイナイトフットボール。なぜこれ?という感じだが、いちおうオハイオ州ドラ1 QB 対決的なカードなんだよな。だからどうしたと言われると困るが。
最初のドライブで今年のほうのドラ1ジョー・バロウ率いるベンガルズは細かいゲインを重ねてレッドゾーンまで入るが、15 プレイもしながら最後決めきれずに FG 止まり。 対するブラウンズは三年目のベイカー五月野ことベイカー・メイフィールドがきっちり 10 プレイでタッチダウン。思い返せばここに現時点での二人の差が出ていたのかもしれない。ブラウンズは次の攻撃でもタッチダウンを決め、2Q にも一本追加して 21-13 で折り返す。
後半最初の攻撃、ブラウンズは残り1ヤードの 1st&Goal まで進みながらギャンブル失敗で一点も取れず。しかし返しの攻撃でベンガルズもバロウがサックされてファンブルしておつきあい。結局タッチダウンを取られてしまう。最後は 4Q にタッチダウンを取り合って 30-35 まで点差は詰まったものの、オンサイドキックは決まらず終了。
いろんな意味でまあこんなもんだろという試合で、しかしベンガルズも攻撃がそれなりに形になっていたので悪くはなかった。どっちかというと両チームとも守備の方が心配かな。
最終スコア:CIN 30-35 CLE

Carolina Panthers (0-2) @ Tanpa Bay Buccaneers (1-1)

みんな大好きトム・ブレイディ。いくら払ったか知らないが、タンパはブレイディを連れてきて正解だった。あとあの角が三角になってる背番号も止めて正解だと思うぜ。
残念ながらほとんど見てないがスタッツ見るにどうもパンサーズが自滅という感じで、ターンオーバー4つもやらかしては完敗もやむなしか。ブレイディは報道ではレシーバーと合ってきたみたいなこと言われてたけどスタッツは限りなく微妙で、23/35-217yds-1TD-1INT。まあこれで勝てたのだからよしとすべきか。ジャグァーズからやってきた RB フォーネットが 12att-103yds とバケモノみたいな数字で大いにブレイディを助けた。

最終スコア:CAR 17-31 TB

San Francisco 49ers (1-1) @ New York Jets (0-2)

なんでこんな試合やってるんだと思ったけど、まあフォーティナイナーズだからか。ほとんど見てないけど、ファーストプレイでモスタートが 80 ヤード走りきってタッチダウンしてさすがに笑いをこらえられなかった。格下が1プレイ目からやられてどうすんだよ。案の定その後 60 分間一度も同点にすら追いつけず。しかしフォーティナイナーズはそのモスタートに QB ガロポロ、DE のニック・ボサ、DT のソロモン・トーマスと四人も試合中にアウト。普通にやばそう。そしてその影も踏めなかったジェッツは言うに及ばず。ガロポロの代わりに投げたのは三年目のニック・マレンズ、8/11-71 ヤードでインターセプト一本。むむうー。

最終スコア:SF 31-13 NYJ

Detroit Lions (0-2) @ Green Bay Packers (2-0)

ライオンズ、最初のふたつのドライブはよくて連続タッチダウンだったんだけど、そこからがさっぱり。2Q から 4Q までかけて実に 31 得点連続でパッカーズに許し、悲惨な負け方となった。レギュラーシーズンこれで 11 連敗、昨シーズン末から四試合連続で二桁得点リードをひっくり返されているというからほんとうにひどい。パッカーズは RB アーロン・ジョーンズが 18att-168yds というもはやなに言ってるかよくわからない数字で大活躍。ロジャーズもインターセプト0で試合を締めた。今年も NFC 北はパッカーズの天下かねえ。

最終スコア:DET 21-42 GB

Kansas City Chiefs (2-0) @ Los Angeles Chargers (1-1)

チーフスは一昨年の 12 月にチャージャーズに負けて以来同地区相手には負けていないらしく、ここは連勝が延ばせるかという一戦。チャージャーズはタイロッド・テイラーが試合直前の痛み止めの注射の失敗*1で試合出場が不可能になり、急遽今年のドラフト一巡で指名したルーキー QB ジャスティン・ハーバートが先発することとなった。
しかし試合はアンダードッグのチャージャーズが大健闘。最初のドライブからハーバートがタッチダウンをあげると、ディフェンスではマホームズにプレッシャーをかけまくる。3ドライブ連続であっという間にチーフスをパントに追い込み、前半はタッチダウン一本に抑えこんだ。ハーバートはタッチダウンを許した返しのドライブでタッチダウンを奪い返し、6-14 とチャージャーズがリードして折り返す。
後半、フィールドゴールを一本ずつ決め合った後のチャージャーズの攻撃、ここが悔やまれるプレイだった。敵陣 39 ヤードまで攻め入って 2nd&2、ハーバートはポケットを出て左のオープンフィールドへ。おそらくサイドラインに向けて斜めに走ってもゆうゆう 1st ダウンだったと思うのだが、ここで中央の奥へ投げてインターセプトを喫してしまう。なんといっても8点リードしていたのだ、焦ることはなかった……。返しのドライブでマホームズはタイリーク・ヒルへの値千金の 54 ヤードのタッチダウンパスを決め、ツーポイントも決めて同点となった。
このあとチャージャーズは 10 分以上かけたロングドライブでエンドゾーンまで4ヤードと迫るが、決めきれずフィールドゴールで 17-20。ちょっと正直すぎるプレイコールになってしまったか。後半はディフェンスもマホームズにプレッシャーをかけられなくなっていて、返しのドライブもタッチダウンを防ぐのが精一杯。20-20 でオーヴァータイムに突入した。
延長戦はコイントスに勝ったチャージャーズが先攻を取るも、あっさりスリーアンドアウトで攻撃権を渡してしまう。最後は残り二分でチーフスが 53 ヤードのフィールドゴールを選択。バトカーが蹴ったボールはポストの間を抜けていった。……が、まさかのフォルススタート。58 ヤードをアンディ・リードは蹴らせる選択をする。またしても蹴ったボールはポストの間を通過する、が、今度はタイムアウト。バトカーは実に三度目のキックとなったが、それでもボールはゴールポストの間を通過していった。

チャージャーズは勝てた試合であったと思う。これが毎回できるわけではないのが悲しいところだが、この試合はチーフス相手に一歩も引かなかった。新人ハーバートも中々のクウォーターバッキングだった。アクシデントで予想外に早いデビューとなったが、思いがけずいい内容で、まずは期待を抱かせる初戦だったと思う。がんばってほしい。

最終スコア:KC 23[OT]20 LAC

Baltimore Ravens (2-0) @ Houston Texans (0-2)

ラマー・ジャクソン対デショーン・ウォトスン。パスが上手くて機動力も高い、少し似たところのあるふたりの QB の対戦となった。
しかし結果は大差。スタッツでも得点でもジャクソンは大きく上回り、現時点での勢いの差をまざまざと見せつけた。これでレイヴンズレギュラーシーズン 14 連勝とからしいが、昨季のプレイオフでは“ヘンリー、ヘンリー、タネヒル、ヘンリー!”のタイタンズにやられて1没している。相変わらずすげー強いので今年こそは期するところがあるだろう。テキサンズもまあ、慌てることはないと思うが、連敗スタートはうれしくはない。

最終スコア:BAL 33-16 HOU

New England Patriots (1-1) @ Seattle Seahawks (2-0)

カンファレンスが違うため当たる機会は少ないが、このところ熱い対戦を繰り広げている両チームがサンデーナイトフットボールに選ばれた。
最初のドライブでウィルソンはいきなりインターセプトを喫する。TE オルセンへのボールがややターンボールになって、オルセンが弾いてしまったところを S デヴィン・マコーティにすっぽりインターセプトされてしまいリターンタッチダウン。これは比較的不運だった。しかしこの日のウィルソンはこれ以外は異常に精度が高く、パスをきっちり通しまくった。前半も二本タッチダウンパスを決め、14-14 で折り返す。
ペイトリオッツはプレシーズンもない中よくニュートンを攻撃に組み込んでいたが、それでもここぞというところではパスではなく決め打ちのランが多かったかという印象だった。後半は一回リードを奪い、その後逆転されてからもよく点差を詰めて一方的な展開にはさせなかった。この辺りはニュートンをうまくコントロールできていたのではないかな。後半差をつけられると腐って力を出せないのがニュートンの悪いパターンで、この日はそれは見られなかったので。
後半点の取り合いの末5点差まで迫ったペイトリオッツの最後のドライブ、エンドゾーンまで1ヤード地点残り3秒、ペイトリオッツのコールは見え見えの QB キープ……でけっこう手前で止まって負け。見え見えでもキャム・ニュートンならたぶんそれが一番確率が高かっただろうし、それにしても正直すぎたような感じもあるし、見てる人みんななにか言いたくなるような場面だったんじゃないかな。面白かった。

最終スコア:NE 30-35 SEA

New Orleans Saints (1-1) @ Las Vegas Raiders (1-1)

ラスベガスである。
マンデーナイトフットボールラスヴェガス・レイダーズの新本拠地のこけら落としとなった。試合前にラスヴェガスのどでかい噴水?の前でレイダレッツのひとたちが踊ってる映像が流れてたのだがまーとにかくすげえなラスヴェガス、という感じ。
さておき、序盤はセインツのペースで進む。フィールドゴールタッチダウンで 1Q のうちに 10-0。しかし四回目のドライブからレイダーズのオフェンスが目覚め、カーからウォラーに立て続けにパスを通してタッチダウンを返すと、返しにタッチダウンは献上したものの次のドライブでもタッチダウンを奪って反撃。ブリーズのインターセプトのあと残り 48 秒でフィールドゴールまでたどり着き、17-17 として折り返した。
後半もレイダーズのオフェンスは止まらない。カーが残り1ヤードの 4th&Goal からタッチダウンパスを決めてついにリードを奪うと、セインツオフェンスがもたつく間にもう一本タッチダウンを奪って 17-31 とまる二本リードする。セインツは返しでようやくハリスの好リターンを足がかりにカマラがタッチダウンをあげるも、次のレイダーズの攻撃を止められずフィールドゴールまでたどり着かれて万事急須。
あれっと思うほどレイダーズのオフェンスがよく、これで二連勝となった。まあ失点も多いのであまり強い勝ち方でもないが、それでもグルーデンの目指すチームが少しずつ形になっているのかもしれないと思えて面白い。セインツは今年もディフェンスに難ありか。

最終スコア:NO 24-34 LV

Other Games

DEN(0-2) 21-26 PIT(2-0)スティーラーズ連勝。ブロンコスはエースのドリュー・ロックが右肩を怪我してアウト。数週間の見込みとのこと。痛い、痛すぎる。
BUF(2-0) 31-28 MIA(0-2):まじで AFC 東はビルズが覇権を握るのでは。
ATL(0-2) 39-40 DAL(1-1)カウボーイズが大逆転勝ち。試合開始から五回のドライブが「パント、ファンブルロスト、ファンブルロスト、ギャンブル失敗、ファンブルロスト」だったみたいで、まあよく勝ったねというか、心が折れなかったのがすごいなと。一旦 29-24 まで詰めてからまた 39-24 にされて、それでも諦めずに 16 点取って逆転したのは本当にすごい。ちなみに 15 点ビハインドからタッチダウン取ったときにツーポイントに行ってるんだけど、これは完全に正しくて、この試合の結果こそがそれを示すこととなった。滅多にないシチュエイションだが、正しい選択をしてそれが報われたのは素晴らしいと思う。/カウボーイズはドルトンが一本だけパス投げてた。なぜ。ていうか、カウボーイズにいたのか……。
JAX(1-1) 30-33 TEN(2-0):同地区対決はガードナー・ミンシューとライアン・タネヒルシュートアウト。おもろい。ミンシューはインターセプトを二本喫していて、結果的にはそれが勝負を分けた。タネヒルタッチダウンパス四本決めてインターセプト0、パッサーレイティング 145 とか。あれだけドルフィンズでチャンスがありながら芽の出なかった男が、ドルフィンズでの前途を失う怪我のあとにこれだけ活躍するのは本当に面白い。
LAR(2-0) 37-19 PHI(0-2)
MIN(0-2) 11-28 IND(1-1):惨敗。カズンズがインターセプト三本喰らって、パッサーレイティングも 14.5 とか。言葉もない。たった 11 点のうち8点はガービッジタイムに取ったそうな。コルツはリヴァーズが移籍後初勝利。
NYG(0-2) 13-17 CHI(2-0):ベアーズが逃げ切り。前半 0-17 からの後半 13-0 でひやっとしたようだ。開幕二連勝は七年ぶりとのこと。ジャイアンツは連敗に加えて RB バークリーが負傷。だいぶ悪そうで、かなりのバッドニュース。
WAS(1-1) 15-30 ARI(2-0)カーディナルズがこっそり連勝スタート。

「15 点ビハインドからタッチダウン取ったときにツーポイントに行って」

残り時間が少ないという条件ではこれは必ずツーポイントに行くのが正解になる。何故かというと、いずれにしても「残り時間で1点もやらずにもう一本タッチダウンを取って、今回と次回のいずれかではツーポイントを決める」以外に追いつく目がないからだ。先に1点コンヴァージョンをしてしまうと、次にタッチダウンを取ったときにツーポイントに失敗すればほぼ負けが確定してしまう。だが、先にツーポイントを試みておけば、成功すればもちろんよし、失敗した場合にも残りわずかな時間で9点取ることを目標にプレイを組み立てることができる。上の試合ではまさにそれが起きたのだ! マカーシーはツーポイントを指示して、失敗し、残り5分で 10 点奪うことに賭けて見事にそれに成功した。
応用編として、同じく残り時間わずかなときに 14 点ビハインドからタッチダウンを取ったときにはどうするべきか、というのがある。NFL ではツーポイントの成功率はほぼ五割だ。実はこの時もツーポイントに行くのが正しい。何故かというと、やはり勝つには点をやらずにもう一本タッチダウンを決めるしかなく、その条件の下では最初のツーポイントに成功すれば次のタッチダウンで勝ちが決まるからだ。失敗してもなお、次のタッチダウンでツーポイントが決まればオーヴァータイムに持ち込める。もう一度失敗すれば負けが決まるが、実のところそれは 25% でしかない。「点をやらずにもう一本タッチダウンを決める※」ことが成功した場合だけを考えると、両方1点コンヴァージョンなら 100% オーヴァータイムになる。つまり 50% 勝ち、50% 負けだ。ところがツーポイントを狙えば、最初の回で成功すれば勝ちが確定(50%)、一回目失敗で二回目成功ならオーヴァータイム(25%)、二回失敗すれば負け(25%)となり、勝ちは 62.5% まで増える。もちろん※の都合のいい仮定が実現した場合だけの話なので、実際の勝率はもっとずうっと低い。

*1:いまいち理解できてないのだが、チームドクターが肋骨の痛み止めの注射を失敗して肺に損傷を与えたとかなんとかいう話らしい。