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NFL 2021 -- Week 4

そろそろ各チームの具合がある程度見えてくるころ。

Jacksonville Jaguars (0-4) @ Cincinatti Bengals (3-1)

ジャグァーズはボートルズ 2.0 がこの世から消えた 2018 年シーズン以降ポストシーズンから遠ざかっている。今年はトレヴァー・ローレンスでどこまでやれるかというところだが、まだ勝ち星はない。ベンガルズは昨季の後半を怪我で棒に振ったバロウが今季に賭ける。
前半はジャグァーズのものだった。最初の攻撃こそタッチダウンだったが、二回目の攻撃でタッチダウンをあげて先制すると、2Q に入ってからローレンス自らが走って二本目のタッチダウンを奪い 14-0。さらに前半ツーミニッツを過ぎてから残り1ヤードまで迫る。押せ押せだったがここでのコールはスニーク。ローレンスは一瞬迷った感じで突っ込み切れず、ゴールラインに届かない。そのまま 14-0 で折り返した。

後半はベンガルズのゲーム。後半開始から3ドライブ続けてタッチダウンを奪って同点に追いつくと、返しのジャグァーズの攻撃をパントに終わらせる。ジャグァーズ、ここはミッドフィールドまで行ったが 3rd&4 からのロングパスが決まらず。パントは 10 ヤードでアウトオヴバウンズに出るナイスパントだったが、ベンガルズはその返しの攻撃もバロウがきっちりドライブして 73 ヤード前進し、最後はマクファーレンが FG を決めた。

結局ジャグァーズにしてみれば前半最後の1ヤードのプレイが最後まで祟ってしまった。タッチダウンはもちろん FG でも決めておけばというところになってしまうがまあ結果論ではある。ローレンスはこの日はターンオーバーもなかった。少しずつ勝ちに近づいているとは思う。

最終スコア:JAX 21-24 CIN

Carolina Panthers (3-1) @ Dallas Cowboys (3-1)

見てません。ダーノルド復讐団、ここでひとまず足踏み。
カウボーイズ、エリオットのランがめちゃくちゃ出て圧勝、という感じだったらしい。143 ヤード走ったとか。トニー・ポラードも 10 回で 67 ヤード走っているので、オフェンスラインで勝っていた感じかも。パンサーズはダーノルドが 2TD/2INT とやや不安定で、後半そのインターセプトが続いたところで一気に突き放されてしまった。

最終スコア:CAR 28-36 DAL

Kansas City Chiefs (2-2) @ Philadelphia Eagles (1-3)

見てません。
チーフスが完勝。七回攻撃して六回タッチダウン、点が取れなかったのはインターセプトの一回だけ(+あと一回ニーダウン)。やっぱすげえ攻撃力だな。これでやっと星が五分というのが信じられないぐらい。イーグルズは 4Q 頭までは1ポゼッション差で食い下がったが、そこからさらにタッチダウン二本取られてはかなわんというところ。

最終スコア:KC 42-30 PHI

Seattle Seahawks (2-2) @ San Francisco 49ers (2-2)

NFC 西の同地区対決。
シーホークスは序盤全く攻撃が形にならず、試合開始から五連続でスリーアンドアウト。つらい展開だったがフォーティナイナーズも最初のドライブでタッチダウンをあげた以降はインターセプトや FG 失敗で追加点をあげられない。シーホークスは六回目のドライブの最初のプレイでコリンズへの短いパスでよーーーやくこの日初めての 1st ダウンを奪うと、そのドライブをぽんぽんと進めてタッチダウン。あれだけ上手く行ってなかったのに不思議なもんだ。7-7 で折り返す。

後半先に点を取ったのはシーホークス。自陣 34 ヤード地点からの攻撃を7プレイでタッチダウンにすると、続くキックオフでフォーティナイナーズ KR のカノンがマフ。すぐに拾い直したが、走り出してすぐにタックルされてまたボールをこぼしてしまう。最悪のファンブルロストでボールを渡してしまうと、シーホークスは労せずして2プレイでタッチダウンを追加した。21-7。
返しの攻撃、負傷のガロッポロに変わって後半から投げたトレイ・ランスがディフェンスを抜いたディーボ・サミュエルにロングパスを通す。完全なバストカバレッジであり得ないぐらいがら空きになっていたサミュエルはそのままエンドゾーンまで走りぬき、すぐにタッチダウンを返した。PAT が決まらず 21-13 となる。
次の攻撃でシーホークスはふたたび突き放す。week 3 までは後半に沈黙する試合が続いたが、今日は真逆。81 ヤードのドライブは最後コリンズが 14 ヤード走ってタッチダウン。これで 28-13 と再び2ポゼッション差に広がった。このあとフォーティナイナーズはトレイ・ランスの気合ギャンブル二回成功ドライブでタッチダウンを返し、ツーポイントコンヴァージョンも決めたが、もう 1:20 しか残っておらず、オンサイドキックは奥のほうまで転がりすぎて終了。

フォーティナイナーズは全体としてはよく守っていた。結果的にはマフが悔やまれる。あとやっぱりランスだとガロッポロより火力がちょっと落ちる印象。そのガロッポロはふくらはぎの怪我で、半ば慢性化しているのかもしれない。数週間の離脱になりそうとのこと。
シーホークスは三連敗を免れた。この日はいい試合をできたと言えそう。これで波に乗れれば。

最終スコア:SEA 28-21 SF

Pittsburg Steelers (1-3) @ Green Bay Packers (3-1)

見てません。
パッカーズが快勝。week 1 はなんだったのだというぐらいその後は安定している。ロヂャーズも思うところはあるのだろうがとりあえずは目の前のシーズンに集中という感じだろうか。スティーラーズは元気がない。ロスリスバーガー、昨年はほんとうにやっちまったシーズンだったが、まだ立ち直れていないのか。

最終スコア:PIT 17-27 GB

Tampa Bay Buccaneers (3-1) @ New England Patriots (1-3)

サンデーナイトフットボール
「The Return」とテレビではあおられていた、トム・ブレイディのジレット・スタジアムへの凱旋。そもそもカンファレンスが違うチームは(基本)四年に一度しか当たらないし、もちろん双方の本拠地で交互にやるわけだからバッカニアーズジレット・スタジアムに行くのは八年に一度なのだ。それがスーパーボウルを制した翌年だなんて、さすがにできすぎもいいところだろう。そしてこの日はブレイディがとうとう通算パッシングヤードの記録でリーグ首位に立つ――サンデー・ナイト・フットボールの中継クルーとしてサイドラインに立っていた記録保持者ドリュー・ブリーズの目の前で――日でもあった。

この日は時折強めの雨が降る厳しいコンディションで、試合自体は渋い展開になった。バッカニアーズは攻め込むもののゴールが遠く、K サカップが一本外したこともあって前半は FG 二本の6点どまり。ペイトリオッツはジョーンズが三回の 3rd ダウンを乗り越えてタッチダウンをあげたドライブが唯一の得点となり、6-7 で折り返す。しかしペイトリオッツとしては願ってもない展開ではなかったか。

後半、バッカニアーズはディフェンスが2プレイ続けてジョーンズをサックして、かなり下がった位置からパントを蹴らせることに成功する。それで得た自陣 48 ヤードからの攻撃をラン中心にエンドゾーンまで運んで、この試合バッカニアーズ唯一のタッチダウンをあげた。これで 13-7 と逆転する。返しのドライブ、ペイトリオッツはジョーンズのパス一辺倒で反撃。ちなみにこのドライブに限らずペイトリオッツはこの試合ほとんどランを使わず、実際ほとんど出せず、試合全体で8回のラン、-1 ヤードのゲインに留まっている。NFL でトータルがネガティヴヤードになってるのは初めて見たかもしれない。さておき、全部パスでタッチダウンまでたどり着き、13-14 と再びリードした。
ちょうど 4Q に入るタイミングで、ここから FG の蹴りあいになる。まずバッカニアーズが8ヤードまで攻め込みながら止まり、サカップが 27 ヤードを難なく決めて 16-14。ペイトリオッツは返しのドライブで左右に大きく振るフリーフリッカーを成功させ、9ヤードでの 1st&Goal まで行くが、こちらも止まってフォークがやはり 27 ヤードを入れて 16-17。その返しではバッカニアーズは 30 ヤードまで進み、サカップが 48 ヤードを決めて 19-17。ここでツーミニッツウォーニングとなる。
どっちにしてもパスしか繰り出せないペイトリオッツ、それでもなんとか敵陣まで進むが一分弱を残して敵陣 37 ヤード地点が精いっぱい。最後の望みをフォークの右脚に託したが、ボールはわずかに左に曲がり、左のポストのバーより少し上に当たって跳ね返された。決まっていても一分弱とタイムアウトふたつ残っていたのでブレイディならもう一度 FG 圏内まで持ってきても何の不思議もないが、逆に言えばペイトリオッツがあとひとつ 1st ダウンを取れていればラン2回で時間を喰ってさよなら FG という展開もあり得なくはなかった。
いずれにせよ力に劣るペイトリオッツが地元と悪天候の利を活かして王者によく食い下がった試合で、見ていてけっこう面白かった。バッカニアーズはさすがのひとこと。

最終スコア:TB 19-17 NE

  • ブレイディのパッシングヤード新記録は見込み通り更新したんだけど(試合開始前の時点であと 70 ヤードぐらいだった)特にセレモニーとかなんにもやらなかったらしい。まあビジターだからといえばそうなのかもしれないが、アナウンサーも「なんにもやらないんですかね」みたいな感じで驚いていたとか。

Las Vegas Raiders (3-1) @ Los Angeles Chargers (3-1)

マンデーナイトフットボールAFC 西の同地区対決。
レイダーズは昨季も序盤はよくて、ようやくグルーデンのやりたいことが形になってきたかなと思ったけど終わってみたら 8-8 でプレイオフすら行けず。チャージャーズはハーバートが期待されてたよりずっとよかったが、戦績は負けが込んで 3-9 から四連勝してようよう 7-9 という有様。しかしここまでは両軍好調で、レイダーズが 3-0、チャージャーズが 2-1 でこの試合を迎えた。

前半はチャージャーズがほぼ完璧と言っていい試合運びを見せる。オープニングドライブからタッチダウンを奪うと、途中フェイクパントの失敗こそあったものの(惜しかった、レシーバーが取った直後にタックルされてボールを落としてしまった)2Q に入ってからタッチダウンを二本追加し、一方でレイダーズの攻撃をほぼ完全に抑え込んだ。0-21 で折り返す。

楽勝かに思われたが、後半開始後は一転してレイダーズのペースになる。オフェンスがアジャストし、タッチダウンを二本続けて返しつつ、チャージャーズの攻撃を二回連続でパントに終わらせる。そして返しのドライブの最初のプレイでカーは 51 ヤードのロングパスをラグズに通してみせる。正直(チャージャーズファンのおれとしては)同点を覚悟したが、ここはチャージャーズのディフェンスが踏ん張った。3rd&3 からカーをサックして、FG を蹴らざるを得ない状況を作る。この時点で残り 10:42 だったとはいえ7点のビハインドを4点にしかできないキックは中々つらい。そしてカールソンはこの 52 ヤードを決めることができなかった。モメンタムが変わる音が聞こえてきそうなプレイだった。
はたして返しのドライブ、ショートフィールドの攻撃をチャージャーズはきっちりタッチダウンにつなげる。それも五分以上使ったのだから状況的には満点に近いドライブだろう。最後はエクラーが 11 ヤード走ってのタッチダウンだった。レイダーズは残った時間で1点も返すことができなかった。

チャージャーズは同地区のライバル相手に会心の勝利。ハーバートはマンデーナイト二回目だがこれで合計 7TD/0INT らしく、まあ昨年はセインツに逆転負けしたんだけどわりと得意にしてるといえるのかも。この日はディフェンスもよかった。

最終スコア:LV 14-28 LAC

Other Games

NYG(1-3) 27-[OT]-21 NO(2-2):なんと、これはアップセット。ジャイアンツは 4Q 10-21 から追いついて、オーヴァータイム先攻でタッチダウン。ダニエル・ジョーンズはキャリアハイの 402 ヤード。セインツも蟹はよかったようだが。
HOU(1-3) 0-40 BUF(3-1):ビルズが完封勝ち。1シーズンに二回の完封勝ちは 1990 年以来とのこと(あのスーパーボウル四連敗の二年目)。テキサンズはどうにもならんなこれ。デイヴィス・ミルズはインターセプト4本喫したそうです。
DET(0-4) 14-24 CHI(2-2):同地区対決はベアーズに軍配。フィールズがスタッツはいまいちながらも初勝利を挙げた。ゴフはインターセプトこそなかったもののファンブルロストが二回。引き続き応援したい所存ですがこれはしんどそうだな。というわけでいまだ勝利のないライオンズ。
WAS(2-2) 34-30 ATL(1-3):ワシントンが逆転勝ち。残り五分を切ってまだ8点ビハインドで、そこからタッチダウン→ツーポイント決まらず→相手のパント→タッチダウンという熱い流れで逆転。やるじゃねえかハイニキー。最後のドライブは全部パスを決めたようで、なかなか勝負強い。ファルコンズは試合の大部分の時間帯でリードしていたがまくられて負け。
TEN(2-2) 24-[OT]-27 NYJ(1-3):これまたアップセット。ジェッツがオーヴァータイムで先に FG を決め、返しのタイタンズの 49 ヤードの FG は決まらず。タイタンズも悪い内容ではないので悲観しなくていいように思うが、ジェッツにやられればいい気分ではないかな。ザック・ウィルソンは初勝利、おめでとう。
CLE(3-1) 14-7 MIN(1-3):あーーうーむーーん。ほとんど完封されてしまった。まあブラウンズディフェンス強いんだけどねえ。ヴァイキングズもディフェンスはよく守ったのでそこはよしとすべきか。しかし内容に星がついてこないのでもどかしいというかなかなかつらい。ブラウンズは白星先行だがすっかり驚かなくなった。メイフィールド獲得前に二年間のほぼ全敗ステージでドラフト権をかき集めたことがチームの力を底上げしているので、その辺の年俸が高くなりすぎる前に一回ぐらいはスーパーボウル行っときたいところではある。はたして間に合うか?
IND(1-3) 27-17 MIA(1-3):コルツが初勝利。ウェンツもコルツに来てから初勝利。ドルフィンズは最後ガービッジタイムで稼いだので、点差以上にコルツの快勝だった様子。ドルフィンズはブリセットが投げた。どっちのチームも微妙なシーズンになりそう。
ARI(4-0) 37-20 LAR(3-1):これは NFC 西の同地区全勝対決。カーディナルズが前半から大きくリードして勝ち。ランがトータル 200 ヤード以上出ているので地上戦ですりつぶした感じだが、マレーはマレーで 24/32-268yds-2-0 とかなりのスタッツ。ラムズはスタフォードがいまいちだったが、まあこんなこともあるか。
BAL(3-1) 23-7 DEN(3-1):恵まれの三連勝と見られていたブロンコス、案の定強いところと当たっていきなり負け。ブリッジウォーターが前半の最後に脳震盪で下がってそのまま戻ってこられなかったのも痛かった。レイヴンズはこれで 43 試合連続 100 ヤードラッシュとなり、リーグ記録に並んだ。ただ、最後膝をつけば勝ちのところジャクソンが5ヤード走ってぎりぎり 102 ヤードだったらしく、ESPN の recap の書きぶりだとちょっと物議をかもしたようだ。レイヴンズは本当に最後の最後残り 0:03 でテイクアウェイで得た攻撃権でそれやったらしいので、なるほどそれはいろいろ言われそうだなというところではある。現在の記録は 1974-1977 年にスティーラーズが作ったものだそうで、それに並ぶと思えばなりふり構わぬ手段も許容されるようには思うのだが。