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『がんばれ!ベアーズ』 マイケル・リッチー監督,1976

スピッツの『スーベニア』というアルバムに「テイタム・オニール」という曲が入っていて、それつながりでレンタルビデオ屋で借りてみる。
あらすじは省くが、ベアーズの快進撃に差し挟まれるエピソードの小ささがとてもいい。なにか物事が少しずつ好い方に向き始めたとしても、それで大きくなにかが変わるってことはやっぱりあんまりないんだと思う。それと、快進撃が根本的にはケリーとアマンダに支えられていることに、見ている側は違和感を覚えざるを得ないんだけど、最後の試合の途中にようやくそれを解放する仕掛けが含まれている。対戦相手「ヤンキース」の誇り高い投手が降板するシーンも印象深い。このジャンルの映画の草分け的存在らしいけど、既にこれだけのものが盛り込まれていることには驚嘆する。
あと、単純に子役がみんなかわいいし味がある。上映時間自体短いしちょっとしか出てこない子も居るんだけど、存在感があるんだよね。特にタナーの可愛さは尋常じゃないぞ。ゴミ箱に突っ込まれちゃうところとか。
で、テイタム・オニールだが、投球フォームも頑張って練習したというだけあって様になっているし、ユニフォーム姿も似合っている。しかしそれ以上にぷにぷにして可愛い。撮影当時12歳で作中でも11歳だか12歳だかの設定だけど、なんかもう凄い幼児体形(脚は長いけどな)で、「欧米人の12歳ともなれば結構大人びちゃっている歳」という偏見を粉々に打ち砕くこどもっぷり。たまらん人にはたまらんかと。あと、長じてからもとても綺麗になったようで、そこら辺は素直に驚異的。
次は『ペーパー・ムーン』を観てみよう。
余談というかトリビア。作中でアマンダが主人公(バターメーカー)を「ボイラーメーカー」と呼ぶシーンがあって、何か悪口のようなニュアンスなのかな、と思ってたんだけど、主人公が冒頭で飲んでるカクテル――つっても缶ビールに瓶からウイスキーを注ぐだけ――が「ボイラーメーカー」って名前なのな。字幕には反映されてなかったので、一応ここに書いておく。