黄昏通信社跡地処分推進室

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『All Night Cafe』 life,2005 於駒場小空間

演劇ユニット「life」の第1回公演。旧友Mの弟さんが脚本を(共同で)書いていて、M本人も手伝っているらしく、久々にメールをもらったのでTさんと一緒に観に行ってみた。駒場小空間は東大駒場キャンパスにある多目的ホールで、行ってみると幅もたっぱもかなりある立派な小屋だった。灯体もバトンで吊れるらしいし(すのこもあったようだが)、まじでかなりいいとこ。パイプ椅子で百席ぐらい組めていたので、本気で詰め込めば 150 人ぐらいは入るんじゃないだろうか(←やめれ)。
ユニットということで、色々なところから人を引っ張ってきたみたいなのだけど、かなりの人材が集まっている印象。特に役者の上手さは大学のホールなんぞでやってる芝居のレベルは軽く凌駕していた。照明もそつがなかったし、ハラキリ・ブラザーズの音楽もかっこいい。広い舞台を贅沢に使った舞台美術もきっちりできていて、完成度という点では相当高い水準にあったと思う。
密室劇で、正体不明のウイルスが大流行している世界で謎のカフェに逃げ込んだ人物たちの物語、なのだけど、緊迫感とカフェの中の切り離された空気、またそこを支配するマスター、などは中々上手く描けていた。当然そこからはそれぞれの登場人物に踏み込んでいって、それがあらわになったり時にはぶつかったりするわけだけど、この過程が結構テンション高い演技ばっかりでだんだん観ていてくたびれてしまった。もう少し緩急というか、「緩」を上手く使えるといいんじゃないかと。
あとは後半ある程度救済に向かいはするのだけど、なんかそれが唐突というか、なんでそこまで辿り着くのにこれほどかかるのかというか、なんつーか微妙にカタルシスがない感じで。その後ラストまでの流れは好きなんだけど。
ということで、わりと面白かったなあとは思うところで。この値段でこれだけの完成度の芝居観られるってのはやっぱり多分なかなかないってのはあるし、そこは小屋代がかかってないもしくは格安というのが大きいのだろうけど、次回以降もこれを提供できるようなら是非また誘ってください。今回はどうもありがとう。