黄昏通信社跡地処分推進室

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短めなのでまとめて。

『period』2巻 吉野朔実 小学館 IKKI COMICS,2005 ISBN:409188492X
ようやく2巻が出た。舞台を変えても辛い生活が続く兄弟。1巻ほどの凄みはない分、ある種のリアリズムが目を離させない。ヨキが段々芽を出していく一方で、ハルカの静かな強さが胸を打つ。基本的に1巻1部みたいなんだが、この巻の引きだと次どうなるんだろうな。まあ、のんびり待ちたいところ。
1巻の感想→http://d.hatena.ne.jp/natroun/20040929#p3
『エマ』6巻 森薫 エンターブレイン BEAM COMIX,2005 ISBN:4757724039
すんなり進む筈もない物語がある種予定通り山場に差しかかる。ウィリアム坊ちゃん今回は頑張って見えるけど基本的におまえの所為、というか、こうなってみると「階級社会における自分の役割を演じ切ってやる」って行動への動機付けが弱すぎたような気がするんだよな。ちょっとそこら辺展開的に惜しかったかも。しかしまあ、描写とか現在の話運びとか、非常に高い水準にあるのは間違いないけど。
『リトル・フォレスト』2巻 五十嵐大介 講談社 ワイドKCアフタヌーン,2005 ISBN:406337582X
これにて完結。「小森」という山奥の架空の集落に生きる主人公の生活と食事を淡々と描く地味な作品だったけど、圧倒的な画力と実際の生活に裏打ちされているため、とにかく伝わってくるものが強い。端的に言うとうまそう。すごく面白いという作品ではないけど読んでいて心地よいし、なによりこの人以外にはとても描けない漫画だったと思う。ストーリーを作るのは苦手な質のようで、今後どういう漫画を書いていくのかなあというのは若干心配ながら、次の作品にも期待したい。
ちなみに遠藤(敬称略)の小説と一緒に買った漫画4冊ってのはこの3つと『RING』だったりする。