黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

20 系客車

例の寝台客車の問題になっている車両は 20 系という寝台車両の系列に含まれる客車の一形式なのだけど、この 20 系客車は小さい頃結構好きな客車だった。元祖ブルートレインという「格」もあったし、あの妙に丸いフォルム、そしてなんといっても先頭車両の非貫通二枚窓という面構えがとてもよかった。とはいえかなり古い客車ではあり、知った頃には既に主力ではなかった。どころか、定期列車からはほぼ引退していた。
その 20 系に一度だけ乗ったことがある。祖母の見舞いだったか、あるいは葬式だったかで長崎に行くことになったとき、行きは飛行機を使って帰りは「さくら」で戻ってきたことがあったのだ。当時「さくら」には 14 系客車が使われていたが、この時乗った「さくら」は夏休みの臨時列車だったために、20 系客車が用いられていた。
三段式寝台の最上段に潜り込むようにして入り、枕もとの灯りをいじってみたりしながら、しかし結構あっさり眠ってしまったように記憶している。52cm という狭い幅も気にならなかったが、当時は身体も小さかったのでそれは当然だろう。普通に大人が入ったらやはり尋常じゃない狭さだったのではないだろうか。しかも三段式だったのだから。
それも遠い記憶となり、「さくら」も廃止され、今やブルートレインそのものも風前の灯となってしまった。いつかまた寝台列車に乗りたいと漠然と思っているのだが、果たして実現するだろうか。